詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
夜明け前
ゆっくりとシャワーを浴びて
濡れた裸足で外を眺める
薄暗い天蓋に撓んだ光が依れてきたら
厚いカーテンに包まりブランデーを割る
冷えた音が暗い穴蔵に積もる
コトリッ…
ふと乾いたコトバを吐き出した
片手に挟まるグラスが揺れる
カラカラと…
それは乾いていたはずなのに
妙に座り心地が悪くなった
もうずっと…
ただ乾いていたはずなのに
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
砂を覆う気で水を撒くなんて
溺れた魚を焼き殺すみたいに
あなたは
過去のない風を羨む
緑の木々をかすめる
草原を泳ぐような
日々を夢見る
誰かは哀しみしか詩えなくて
あの子は空しか映らなくて
いつからか死と爪先を合わせて踊る
欠けた柩のために眠りを売る少女
赤い砂漠に白い花が迷う
掬いきれない手の平から零れる砂と雨は溶けることもなく……
あなたは
時を打つ時計に憧れる
胸にヒビわれる音
谺する少女の悲鳴
楔打つように止めようと
贖う手もないのに
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
創世紀 哀しい
二人 手を繋いで
奈落と 楽園と
堕ちるなら 一緒
祈る 風下へ
別れる 流れ星
穹は 果実を
樹々は 化石を
現し 零す
創世紀 美しい
わたしは 胸の翼を
あなたは 澄んだ星穹を
ゆっくりと 共有した
創世紀 蛇達の涙
あなたは 独りの言葉を
わたしは 双子の心臓を
ひっそりと 持て余していた
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
踊れ 腹が出てても
踊れ 額後退してきても
殴れ 鏡の向こうの世慣れたツラを
殴れ 気付けばニヤける口元を
うぁう踊れ! 腹が何段出ようが
ぬはっ踊れ! 額ハゲ散らかしても
んふ〜殴れ!! やたらむかつく学生を
ぎゃらぁはっ殴れ!! この世の全ての不条理を
そして生きろ 妻子守るため
そして生きろ 例え行く先見えずとも
熱く生きろ 冷めた夕飯食らいながら
熱く生きろ 妻に寝たふりされたって
そっと笑え 星はまだまだ廻ってる
ふっと笑え 太陽はどっかり座ってる
さっと流せ 涙はシャワー浴びながら
ぱっと流せ 抜け毛は見なかった事に
そうさ踊れ! 腹が何段出ようが
飽きず踊れ! 額ハゲ散らかしても
たまに殴れ!! やたらむかつく妻子を
いつだって殴れ!! この世の全ての無関心を
そして
いつか
丹念に
端然と
活きて
死のう
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
ミルクセーキ:
パステルカラーの的を射る弓道部の彼女
何をしても何を狙っても微笑んでた
喫茶店の横顔 甘いグラスの竪琴とストロー
あーちすと:
いつからか暗算が得意なのを誇りにしなくなった
詩を書きはじめてからか
夜を悔いはじめてからか
なんて、キザ×ゲロ=詩
フローラ:
霧が好き。
静かな朝の川辺にかかる水面の雲が好き
あなたも好き。
立体的な横顔の物憂げな睫毛が好き
けど霧とあなたの組み合わせは
大っ嫌い
レディオチック:
もう少しだけ生きれると
神サマに言われたから少しだけ息を止めた
三千回の夜の祈りが宙に紐解く
アバラーン:
勇者は剣を引き抜き、声高に叫んだ
「主よ、栄光の光よ、今こそ汝の息子とともにあれ!」
すると地が割れ穹がいななき、闇の魔王がその邪悪な姿を現しブレーカーが落ちた
「あら、レンジのせいかしら?」と母似の魔王アバラーン
ゲッツ:
さらいゲッツ!
浅草に引っ越すててこぱんつ
ゲッツ:
そんな目で見られたら僕もうギャグなんて書けナイツ!
今田「楽屋でスランプですって真顔で告白されてもな〜」
高橋「ハハッ」
東京囃:
一旗揚げるとあの子は空に
行く宛もない青春撒き散らし
傷ついた喉を庇っては、公園ベンチでコーラを飲む
カラになったら缶蹴り遊びでまた迷子
カラに籠もって関係ないさとまた擁護
カラカラ木枯らし絡み付き 乾燥肌に夢を塗る
一旗揚げるとあの子は泣いて
逃げ場もない夜に散らばる 東京花火
ビッグモンキーFINAL:
オレオレ詐欺?やったことあるよ?
感想?まぁ喧嘩よりラクっつーか
え?どれだけやったかって?ぶっちゃけ、百越え?
厨房のころから暴れてたし鬼強いよ。
シャレなんねーくらい。ヤクザもボコった事あんし
あん時ゃみんな必死でワロスっすよ顔マジワロス。んぇ?みんなってみんなっすよ
ダチっつーか仲間?いや、ブラザー?ブラザーじゃねぇな。
そっすよ、やるときゃリンチっすね。効率的だし責任曖昧だし。そのほうが燃えるっつーか
まだ経験ないし、TAIMAN?
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
それは放たれたかに見えて射ぬくこともない銃声
オマエはマシーンになりたいただの犬
強姦される老婆の影に隠れ 粗雑な憎しみに乾く
ガラスの靴をよこせと 0時のベルが鳴く
子供の皮を そいつは被っていたいだけ
恐怖は磨耗するストーブ 卑屈なダイスを今日も振る
オマエは首輪になりたいただの犬
真冬の絞殺死体を夢見てるだけ
かじかんだ小脳のスープの皺 凝固してる暇も 掬うための力も無い
オマエは誰にもなれないただの犬
そいつをよこせと 0時のベルは鳴き止まない
孤独の骨を そいつはしゃぶって踊ってる
オマエはオマエを捨てたただの犬
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
ヌン
ヌヌン、ヌン!
ヌン
ヌ?
あ、こんちわっす
ヌ
犬の散歩っすか?
ヌヌ
いい天気っすねー
ヌン
じゃ、また明日
ヌヌヌンヌン!!
うわっなんすか先輩!?
ヌヌン、ヌー!
あ、財布落としてましたか
ヌーン
あざーす。じゃまた
ヌ
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
ベンチプレスしてるムスタファ
ファイアーって叫ばない大仁田
極真カラテの股裂きバニーガール
サイケの意味を尋ねる50歳児アツシ
饒舌を映す二日目のカレー
レモンとレモンにスモモするジャガイモ
つるつるつるつるつるつる坊さん
袈裟袈裟袈裟袈裟袈裟坊さん
ピスタチオピスタチオピスタチオって何だ?
ハンフリーボガートは
ハンフリーボガートは
脳内腱鞘炎
ベンチプレスやめたムスタファ
ファイヤーって結局叫ぶムスタファ
極真カラテの三歳児アリ・アブドゥル・ハッサン二号
バニーガールは
バニーガールは
嬉し恥ずかし口唇ヘルペス
こんな詩は無題に堕ちよ
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
むんずと掴んだ鼻毛には 抜いて初めて分かったことだが
予想以上の長さがあり 私が始めに想像したのは
あの黒黒光る ゴキブリ虫の触角でした
深夜にがなる改造車の爆音と 兄が食べるヌードルの咀嚼音は等しく不快で
私が見つめる鼻毛の長さを測るのを思いついた訳とはなんの関わりもございません
母もよもや自慢の息子が深夜三時に嬉々として 鼻毛の長さを測るなど
私を産んだ時分には想像一つしますまい…
空は青く 夜には黒い 黒いはカラス カラスは漁る
漁るは何だ 漁るは袋 半トーメーなゴミ袋 そこには何が入ってる?
私の欠片が入っている 10mmジャストの私の鼻毛が底にある
切れたものは戻らない 切られたものは何処へゆく?
泣いている 風に吹かれて泣いている
ユラユラユラユラ繋がり求めて泣いている
改造車を乗り回すアンちゃんも スモークガラスの向こうで泣いている
黒黒とした夜の底で 太陽に干からびたアスファルトの溝で
ユラユラユラユラ ユラユラユラユラ・・・・・
そして六時の時報が鳴り 私はいつも通り眠りにつくのでした
詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
秋茄子は余計に食わすなと
テレビでスザンヌが不正解
テヘヘっと笑うその仕草が
あたしを今宵も鬼にする
犬も歩けば棒に当たるというけれど
義母が出掛けてる隙に
義母の子犬を棒代わりに猫を追い回す昼下がり
あの人はあたしを救ってくれた
あの人はあたしと結婚してくれた
あの人と何度も何度も獣のようにまぐわったけど
赤子はできず、あの人にそっと
あなた雌ブタと心中ね、と謝ったら
あの人ゆっくりと二度見した
近所の識ったかぶりの坊主に聞いた
閻魔サマは嘘つきの舌を抜くっていうけれど
あたしらの舌は抜かれた後どうなるのかしら…
きっと天国の壁飾りね、と坊主の寝耳に唾を垂らす