詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
舌打ちする片肘の夕暮れ
髑髏の口内で燻り続ける膿
抹消嚥下する深紅ジミタ包帯
見つめ返すイタチ野郎の法廷
誰とイスを共有するとか
そのイスを誰から奪うのとか
トグロ巻く中指のリングで果てを描いた
全滅の歌が聞こえる
羊飼いが一匹づつ撃ち殺してゆく事を憶えた
「夢の境を知りたい」
「夢というユメの血を流すサマを!」
そのイスを誰から奪うのか
あのクギを誰に当て付けるのか
アナタノ愛ハ僕ノミットモナイ罪スラ共有デキルノカ…?
美しい恐怖をください
南国の碧い珊瑚礁が端から真っ青に泡立っていくような
ピサの斜塔が夜毎少しずつ真っ直になるような
指先の小さな切り傷が何年も何年も癒えないような
誰も知らない心の叫びを
髑髏の口内で燻り続ける焦げた肉片を
そのイスを誰から奪うのか
奪ったイスに何を載せるのか・・・
視界に発狂する自由をください
真っ青に泡立つ海から真っ直な中指がせり上がり傷という傷から真っ赤な膿を滲み出すような・・・
クソッタレな未来を!!
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ペダル1:
塞ぎ込んだ夜は知らない味の飴を舐めるふりをする
ソットクリーム:
どんだけそっと巻くんや!
どんだけそっと手渡すんや!
どんだけそっと釣り数えるんや!
どんだけそっと舐めてんねや!
どんだけそっと歩いて、どんだけそっと屁かましてんねん!
サクッ‥てコラッ!
コーンなんてバリッといかんかい!バリッと‥ぅおう!
…睨む目だけはギリッとしとるなー
特効:
戦時、人間には二種類のタイプしかいない。すなわち、
トラトラトラと空念仏繰り返し自分を虎だと勘違いし突っ込む鼠と
虎を鼠と勘違いし、追い詰め大怪我する自由を騙るモルモットだ
だかそのお陰で馬鹿につける薬、もうじき完成でチュ〜
ペダル2:
塞ぎ込んだ夜はまったり自転車漕いであの子の家を眺めにいく
熟BOX:
うなされてドンッ
こわされてパンッ
ピックピクな乳首にピラニア噛み付いてニャー
ほらっ新社会人がいっとるわい
僕らの未来はシシカバブゥ
中近東の黒づくめの婦人、逆に興奮します宣言
麦焼酎:
変わらないものを求め
変わってゆく景に戸惑う
風に託した抽き出しの色紙は
傷だらけの机から眺める
無人の校庭に融けていきました
太陽だけは変わらない面影を映して…
私は麦100%
大分麦焼酎、二階堂。
ペダル3:
塞ぎ込んだ夜はあいつの家の郵便受けにガム張り付け立ち漕ぎダッシュ
天魔降臨:
「あれが天魔サマや」
「おー本当に空から降りてきなさった」
「父ちゃん、あれが天使さん?」
「坊、ちゃうで。天魔様や」
「天狗?」
「ちゃうちゃう、テンマや。テ・ン・マ」
「そういや作やん、天魔様ってホンマえー神様なんか?名前に魔とか付いとるし」
「いや、それは・・・ホレ、ちゃんと綺麗な翼も生えとるし、後光もあるがな」
「父ちゃん、あの人顔が気持ち悪いよ」
「あの人やない!天魔様ゆーとるやろ!罰当たるで」
「見てみぃ作やん、アレ蛸みたいな顔しとるわ」
「…マジかぁ。…なんか祈り方マズったかなぁ」
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二つの顔は 一つの心を隠すもの
一つの心は 二つの溜め息咲かすもの
何万遍と綾なす毛糸の空に
紡ぐ愛は結ばれる事もない
少女は大人になりプリントアウトする哀しみ
少しだけ絡み合った眼差しは誰からも捨てられて
嵌谷の焚き火にくべるなら、このままでいい
赤と緋のベスパ 月と回想のフェーズ
応えておくれ 廃墟の壁紙に描いた想いの仮定を
カサブランカ 崩した夏の日の少女へ
二つの眸は 一人の胸に注ぐもの
一人の影は 千夜の星々灯すもの
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昨日が夢を植えた
今日、夜を知った
昨日が星を蒔いた
今日、海を抉った
昨日が嘘を吹いた
今日、鐘が鳴った
昨日が行き過ぎるまま
今日、雨を嗅いだ
七色のアカルイ雨は
虹だけを映せなかった
昨日が夢を植えた
昨日は夢を云えた
今日、アケナイ夜を知った
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君はカナリアの歌
盲いた老犬の肺
仄かな、仄かな
微熱に支えられ
風下にたつ電柱
秋は叢海のガラス
絶望をくすねる指
明日へのあわいへと
ダンスも知らない
貴婦人のドレス
夏は少年の背骨
フィレンツェに零れた思弁
荒荒しく削っては
演出を爪弾く
氷のトーテム
春は黒いビデオテープ
映した瓶底の船影
儚く恥ずかしい
勇壮なる葬列
息絶える処女の樹
冬はカナリアの籠
目覚めた夜の茨
遥かな、遥かな
頭上に煌めく衛星
姓名のない光
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知ったことではないさっ
切った目蓋から血がでようと、何がでようと
知ったことではないさっ
あの子がトランポリンから顔から落ちても、死んでも
知ったことではないんだろっ
ワタシが何をしようと語ろうと、何が何だか興味もないまま
知るつもりもないんだろっ!
イルミネーションの光が煌めくドブ河、そこに浮かぶ顔、顔、顔・・・
どーしてか空が虚しい
浅ましい夢ばかり見てる
気分は牢獄ならいっそ電気椅子ください
プールで泳いでる犬を眺めて欲情するなんて
少女じみた妄想はもうたくさんだ強い強い剛いアスピリンをください
愛してるよ、多分
知ったつもりだったんだろっ?
知りすぎたことを恨んでんだろっ?
美も醜も整形番組のヤラセならどんなにいいかとか、笑えます
嫉妬してる場合じゃないよっ
しっかり打たなきゃいけないよっ
まずは目尻のシワから・・・
愛してるよ、自分
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大王イカが空を舞う
マンモスの親子がクルクルしてる
俺、槍を振り上げ、振り上げ、 懸垂
デッカイ月が高速まばたきする夜
苺のチューインガムをペット代わりにHey、ドロン
リリパット オナペット パイプカットなデリカット…ユタを『全否定』
セックスレスなピーコック
ド派手な羽をやらしく掻き毟れっ
愉快、あぁもう、ダイヤモンド☆ユカイ
あいつの存在がユカイ
あいつのネーミングセンスがフカカイ
割烹着着たユカイ
数学の先生がユカイ
新大陸発見したユカイ
蹴毬する白塗りユカイ
三回忌に12年遅刻するユカイ
叙々苑常連のユカイファミリー
烈風を纏うユカイ
冷たい聴診器当てられるとピクッてユカイ
そっこーユカイ
あぁもう、メンタリティ愉快
そこはかとなく☆樹海
あ
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お前は何を描く
なけなしの言葉とプライドで
その歪んだ文字は生命の本質か
それとも顔を隠した野暮なハッタリか
物憂い街中で色とりどりの声を聞き分け 世界は今も句読点を知らない
優しかった息子はどこだ?
父は?母は?あの子の澄んだ眼差しは?ワタシは、どこ‥?
お前の彷徨う指先は彼らの喪った顔に触れ得るのだろうか?
吹き溜まりに風は真理を投げる
むしろ、エイリなど知らないままに詩を紡げば
言葉は貫く陽射しにもなろう
鏡は蜃気楼の昼にこそ必要なのだから
お前は何を描ける
お前は何を信じる
美しいコトバでは笑みしか得られない
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なぁあんたそんな事云わないでおくれよ
ダメなカンナ屑みたいに丸まってないで
湯冷めしてクシャミしたっていぃじゃない
真ん中野郎のヘタクソな詞で歌うより
どこから道だっていぃんだよ
見たことない墓場の奥だって行ってごらんよ
ひっそり飾られた一輪のシルエットに何か感じるかもしれねーし
くたばったレコードみたいにまた回りだした
人生ってそんなもんらしい
指を開きゃ三分後の運命線も見えやしねぇ
エンドロールはどこまでも続くよ
主演も監督も悪役すらこのめでてー俺サマだ
たっぷり殺されたならさぁ反撃だってそうは問屋が卸さないなら
問屋役も俺様だろが?
あぁメス豚が欲しい
意のままになるかわゆいメス豚が
無いならないでメロンパンくらい毎日喰いてぇ喰わせろっ!
地デジに変えるタイミングが掴めねぇ…
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地図にはない道の喫茶店にはアヒルの親子の看板がかかっていて
朝の早いうちから開店し、夕暮れいっぱいまでやっているそうな。
椅子は全部で12脚。テーブルはないらしく、壁には一面様々な色彩の絵が飾ってある。
客はといえばたまにはぐれた人影がやってきては、しばし座席で
ボゥっとするぐらいで、メニューはいつだって埃を被ってる。
ツツムラさんはそんな喫茶店の気のいいマスターで、愛猫のビニールと一緒に
少ない客をいつも日溜まりの席で待っている。
ある雨上がりの朝、少女の影がやってきて、珍しく「ミルクティーください」と注文してきたそうな。
ツツムラさんは慌てて椅子から立ち上がると湯を沸かしはじめたが
あいにく火の精は大半が出払っていて、水たちを怒らせるには声量が足りなかったらしい。
困り果ててツツムラさんが立派なモミアゲを撫でてると、
ビニールが『代わりにあれをあげよう』と言ってきた。
あれとは、あれかい?とツツムラさんは暫し難しい顔で思案してたが、
少女の影がユルユル渦巻きだしたのに気づいて、意を決したそうだ。
ツツムラさんが猫の形を解いたビニール袋を被って、壁の左端の真っ黒い絵に飛び込んだ、その刹那
ツツムラさんの体は冷たい水に包まれ、無色の静寂に沈みこんでいった。
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