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トケルネコの部屋  〜 新着順表示 〜


[218] SILENT FUGA
詩人:トケルネコ [投票][編集]

まだ産まれるのか
絵画の中で浮かんでるシャボン玉
砂で描いてるのに 嘘で虹色をなぞらえても

今日 僕らはすれ違った
あなたは静かな眼鏡ごしの涙、拭いていたような
六十億の夜の蜃気楼 機械仕掛けの太陽 彷徨えるだけ

また産まれてくれ
秋桜のトランクに隠した栞 息を斑に反射する小雨のトパーズ
そっと眠らすように 過去を綴じ込めたような朝靄に 
お前を呼ぶ声がするだろう 

砂で描いてるのに この指は濡れている
君を好きだって云えたはずもないのに
無音の坂道で拾った木葉
真夜中に静謐に落ちながら、やがて色付いていく・・・

箱庭の平和だから午前三時には全て崩れるなんて話
浮き輪の散乱する蒼空でいつまでも溺れていたい

だからうたうことすらくつうになる

はなのへしゃげたじがぞう うかぶなないろのもなりざ

あいやぼうりょくやせっくすでじぶんかってなじゆうをさけんでる

あのあおいめのひーろーになりたい

あついむないたにきみをいだきたい


だからまた産まれてくれよ

六十億の夜の狭間に

眠れない心臓を

その詩を

ずっと


ずっと・・・



2010/08/02 (Mon)

[217] それは宿命の尾根に隠れている
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星の無い夜に言葉が一つ流れていった

アレは誰のものか

オレは知らない

ダレも知らない

月の凍る未明に言葉が一つ固まっていた

コレは何処のものか

オレは知らない

ダレも知らない

沿線の乞食が言葉を二つ売っていた

ソレはいつのものか

オレはまだ買えない

淋しい目の少女が一切れ買っていく

海峡の船が瑞々しい言葉を幾つも獲っていた

アレは何処へ行くのか

オレは手を振った

浅黒い男たちがゆっくりと振り返した

赤道直下のマンホールに言葉がフッと滑り落ちていった

ソレは俺のものだと

ダレもが手を伸ばした

オレにはもう届かなかった


オレにはもう…伸ばせなかった



2010/08/19 (Thu)

[216] 卒搭婆妓譚
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二つとして無い
不惑の回廊
御目麗しき
火焔の馭者

墓石を穿てば
指を断つ
官能を拡げては
蝶を射つ

眠りは白夜の恥じらい
言葉は自刎の挑発
欄間の黒龍
石積みの玄卓

心は蕭として流れ
首筋に氷の燐が流れる
痘痕の星空を脱がし

猫のよう
樫のよう
岩城のように
穹を嚼む

芳しい少女は淵の窓辺へ
風下の大蛇が泣く、啼く
移ろいは貌を綴じ
項の眼が青く啓く

木の葉の別離が夜を連れ
闇値の弦影が静かに過る

真砂の辺
形見の錐
傷つけてはまた葩吹雪

さながらの夢

うたかたの鏡像

2010/07/22 (Thu)

[215] 闘鶏三万
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ヒドイ懊悩を抱えて
真ん中分けのサラリーマンがゲタゲタ笑う

そのメガネは曇ってる
その鼻は潰れてる
そのクチビルは分厚く爛れてる(歪んでる)

真ん中分けのサラリーマンがゲタゲタ笑う

その耳膜は破れてる
そのケータイは震えてる
そのアンチテーゼはひどく大人しい(狂おしい)

満開のネオンの下 濡れたサラリーマンがゲコゲコ鳴く

その意識は腹這いで
その無意識は銀蝿で
その常識はもうどうしようもなく(どうしようもないのか…)

キワドイ煩悶を抱えて
満載した電車がギリギリと迫る

そのメガネは曇ってる
その鼻は潰れてる
そのクチビルは分厚く爛れてる(嗤ってる)


真ん中分けの額からピンクの天国が覗いてた



2010/07/09 (Fri)

[214] 硝子のセレナーデ
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その雨音は森をクリスタルに変える
無国籍の手の平に翡翠の呪文が踊る
ポーカーの衣擦れが偽りの靴を少女に手渡す夜

誰もうたかたの世界樹の根元で眠っている
イヤリングの瀬音 季節のオクターヴ
はみ出した靴下の群青は 音程をまだ知らない子供達の明日

その全てを気流に載せて最後の飛行機雲が浮かぶ
目陰をさして飛べない大人たちが手を振る

美しい山脈も
傷ついた清流も
優しいフォトグラフの平面をすべり
木造の駅舎に風だけが印す 愛という文字のない童話

徽章するイタミ 脈動する手首のタトゥ
誰もうたかたの証明を欲しがっている

黎明に翼を織ったライオンは 草原のたてがみを揺らす

その産声は閃光を放ち 万象の窓辺を掬いとり

あの結晶の森を蜃気楼に変えた



2010/07/12 (Mon)

[213] LuCHa
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へっくしゅんっ!


頭が痛い頭が可笑しい頭はネジを探してる
悪寒がする御尻がかゆい御尻が御尻がむずかゆぃ
つるつるしてる、ひどくむらむらする、かーちゃん酒くれ
私は私は私の私の分からない私
胃が胃が胃の胃のイガイガする胃
助けてのたうつあの子を!
意地汚い地蔵を!
屠れ


ふぇっくしゅんっ!!


バツイチなんです
カツカツなんです
ランボルギーニなんどす
スクラマサクスて十回言ってみ?
言ったら今度は逆から言ってみ?
欧州の武器なんです
太古のナイフなんです
切れ味悪い回文なん


ぶぇっっっくしゅんっ!!!


ルチャリブレと
僕らはあと何度叫んだら
ムチャブリと聞こえるんだろう?
ルチャリブレと
あと何度冬の空へ叫んだら・・・


へっくしっ


頭の外に自分がいる
琥珀 黄色い窓
レンジの中の蠍
機械に挟まる蛇
朝靄を刷く蜘蛛
すべてに意味があり、すべての意思を象る

琥珀 黄色い月
心の中に自由がある
自由な影が空を舞う

僕らはあと何度失えば

あと何度冬の空を見上げたら・・・

コハク 朝焼けの窓



2010/07/07 (Wed)

[212] 丘の上の尖塔の海女
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薄く、割れた爪が染まる
焦土のような空が今日も悶える

見つめていたのは、あなたの横顔
私は半分の顔で笑っている

祈りは静かに湖面の色を深める
野火が微かに丘の教会を紅くとかす
世界中の死者が密かに別れを告げる時
その視線の熱さをあなたは感じた?

風が 一面の麦穂を揺らす
紐のようなカカシが遠く呼んでいる
水を求めた旅人は砂袋の重みに手首を折ったの

哀しみは月のない夜に広げる無地のシーツね
明日のない骸は白い喉仏をいつまでも震わせている
私の顔は海草に半分覆われてしまった

風が 豊かな実りの穂を揺らす
巨大な鳥の影が黄金の景を切り取る
丘の上の尖塔の中で私はそれを見ている
あなたはカカシのよう、まだ迷ってる

何処からか無数の手が伸びてきて 私の背を優しく押した

その度に 私は悲鳴も上げず

墜ちていく 何度も何度も

黄金の海原へ 溟く冷たい無言の海底へ



何度も




何度も





何度も






2010/10/14 (Thu)

[211] Sophia times
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雨音はランダムに時を刻む
波の音は規則正しく日々を告げる
広げたキウィの皮はなんだか淋しそう
甘酸っぱい果肉が朝にはいっぱいだったのに
昨日の事のように思い出す

美しい肌の母
逞しい腕の父
優しい眼差しの祖父母

息を吸う度に、吐く度に哀しみは色づいては揺れる
梅雨の涙に紫陽花が染まるのか、白いカーテン越しに優しく滲んでいる
どこまでも独り言のよう祈ってはいても、神さまなんて地上にはいない
まして空には白と、その先の黒と、指先に納まる疎らな光くらい

猫が柔らかい寝息をたてている
風がレェスのカーテンを孕ます
雨は天上の言葉を燃焼させてるみたい
美しい夜に思い出す

太陽と月の輪郭
傍を流れる群雲
誰かの生き写しの生命達

想いが想いを呼ぶように
大地に音を張る歌のように
今、穹が泣いています


2010/06/25 (Fri)

[210] エトランジェ晩夏
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誰も崩れた土俵でガキと相撲をとってた夏
祖母は産まれた

ペシミズム 遺伝さ、あんな空 グラマンに盗まれた空
大空襲 焼け出された季節に 祖父は一人指を吸っていた
眠れ 俯きだしたらキリがない、並走してりゃいつかは乾くさ
イマは 何も聞こえないんだろ? いつか 夜が墜ちるまで、イマは…

ささくれだって節張った
あなたの背中は思い出せない
明日 みかん箱が潰れて静かに寝息が生まれたら 
好きなだけ読める 捲れなかった青春のプロローグ
好きなだけ食える 半分個した歓びも あの空の果実も

さようなら 星はいくつ流れるだろう?
さようなら 僕は何を流すのだろう?
母は声を枯らして歌うはず
祖父は閃光に包まれているはず
ばあちゃん あなたは何を喉に詰まらせて
ひどく苦しげに笑うのか


さようなら 瓦礫の腕をした天使

さようなら 蜃気楼に燃える沈丁花の景


2010/06/20 (Sun)

[209] 腱断記
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…よくぞ泣いたな

逆に、これからが本番だと思え


女『アラユル不幸は自分を特別視する道具にもなるわ』

女『それが真実正しければ正しいほどに、ね』

一同笑い


※隠された疣痔の話

(そんな話は聴きたくねぇなぁ…)


脛をぶつける

何度も、何度も、扇風機に、壊れるまで

もぅ卑怯だどうだと云われたくはないから


誰に?

そもそも、

どっちが?


※時を駈けるレイプ犯の話

(ちょい興味有り)


隣家の夜泣きが烈しい件
それよりも母親の癇癪がはっげしく疎ましい件
解決策を模索中

壱・赤子をクビリコロス
弐・母親に廬山昇龍覇
参・詩にする

トルエン呑み込んだブスの裸眼
名前の無いナイフで刻む、他人の爪垢
悦びのバーガーに詰め込んだ 嘘と欺瞞と疑惑の本音

洗面器に血を吐いてる
粉塗れの顔がダンスをせがむ
北風のレセプションは九官鳥のセミヌード
レプラの死体を踏み越えてゆけ

お前はおとといのSEXシンボル!
砂漠のクジラが溺死したって刺激的だね
彼女は斜向かいの検尿ガール
マリッジブルーの口蹄疫に犯されてら

黙ったコメツキバッタは何を衝く?
臭ぇメンスの喩えで答えを出せ


※アナルセックスの是非についての話

(昨日、電車で四十代のサラリーマンが話してたょ)


母『あんたは偉人でもないし、ましてや非凡ですらない』

母「あんたにはあんたの棒読みな地獄があるだけ」

(それはつまり…)


一同笑い



2010/09/06 (Mon)
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