詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
あんたぁなんだって喰う人ねぇ
そうやってぇなんだって頬張ってぇ
クウネルアソんでばかりじゃ蕁麻疹もできちゃいそう
フフフ アハハ フフフの振出しに戻っちゃうよと、人生が
双六みたいに区切られてぇ
賽子みたいに転がってぇ
蛸壷みたいにスミばっか陣取ってさぁ
聞いてる?聞いてない?聞こえない?聞く耳もたない?はい四択
聞いてる?はいブー不正解 セーカイわぁ・・・
あんたぁなんだって間違う人ねぇ
そうやってぇ尻掻いて 仰向けになって星描いてぇ
トンボだって油断してると留まりそうな心臓ねぇ
分かってる?分かってない?分かりたくもない別れ際?はい三択
もち分かってる?はいブー不正解 セーカイわぁ・・・
あんたぁなんだって喰う人ねぇ
女のアソコも汗ばむナマコもこの刃も
そうやってぇなんだって弄んでぇ
炒めて煮立てて切り刻んだら チンしてポイッね
聞いてる?聞いてない?聞こえない?聞く耳もたない?聞く耳もう無い?はい五択
聞く耳もうない?はいセーカイ・・・
コレは玉葱と一緒に炒めようねぇ
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花ビラを敷き詰めた赤い道
父と手を繋ぎ見渡す限りの能面に
蒼い作り笑いを向けたとき
空は逆転したのでしょう
私は窓に飾りをつけて
赤子をあやす彼のズボンを繕って
花瓶にいつもの毒を含むとき
凍えるように唇を咬むのです
母は腫瘍を患って
父の遺影に唾を吐く
それは風下に咲いたホオズキの
つましい細やかな抵抗で
赤子の腹をつねる私は
ただ泣くしかないのです
誰もが夜とまぐわって
月と秘密を孕むなら
悲しい物語などいらないのでしょう
後ろに溢れる十字の背表紙は
開く者をただ白紙に還すから・・・
つめたい雨に髪を梳かして
花瓶の毒を飲んだなら
父の鼓動
母の裏切り
彼の盲目
赤子の無垢を
私はそっと懐かしむのです
空は白く
蝉はおそらく鳴いていて
開かない天窓に
無数の星が落ちてきて
あの夜を引き連れて
黒黒とした棺が開くとき
未明の血を撒き散らし
月も父も引き裂かれ
私はやっと眠るのです
薬指に刻まれた
リングの裏に隠したままの
裂けびとともに
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今からクッサイこと言います宣言
愛って字はなぁ、心が真ん中にあるんだぜ?
だがなぁ
心臓は左にあるんだぜ?
だからなぁ
偏ってんだよ、俺たちの愛なんて
永遠にな
肺が二つあるように、タメイキにも二種類あんのさ
澄んだキラキラしたアキラメと
アキラメ以外の濁った何か……
心臓に近い何処からか
自然に洩れ出る何か…
そいつぁ真ん中にはほど遠くて
哀しみからは付かず離れず常に脈動してる
左寄りな俺達の
浮かばれない孤独の叫びさ
言葉や文字にしたら見失いそうな
それでも言葉や文字に刻まずにいられない
曖昧な意味や危篤な真実に一番近い所から湧く
誰寄りでもない俺達の
左寄りの口から発せられる
愛という嘘っぱちの
飾らないココロさ
歯、磨いてきますね
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晧晧とアンバランス 泡沫のクルス はにわりのサーカス
ライオンは尻尾 熊は舌に戴くクラウン
小説する邂逅 浅葱色のボタン 少年は底冷えて
営倉の薔薇へ 匍蔔する風 虹彩の水溜まりに映る茨
労う拍手に誘われ 系統立ったコストに投函する痂
羅針盤片手に八月を下書く 青いラインの裸体と林檎
更々と否定する砂時計 波は姓を落剥させ……
月 荒野にて開演し
星 ブランコより墜ちる
熊 半月を転がし
時 浜辺を満たす
夜 白々とライトアップされ
陽 ライオンがくぐる
カラスミの地平 裂け 夢は閉演
投棄された水平 漂う 藤色の花弁
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蹴落とせ!
蹴落とせ!
蹴落とせ!
暴れる鰯を夜行列車にドロップキック!!
感電!
感電!
感電!
夜明けのストリーキングにプラグを差し込め!!
拳骨!
拳骨!
拳骨!
パーマなハーフがハグしてきたら正拳突きりゃ!!
パンチラ?
パンチラ?
パンチラ?
サンバな目付きでパンツ前後にAV万引き!!
超合金
超合金
超合金
『俺はTバックのピーターパン』
均一祭
均一祭
均一祭
『少年の心をだだ漏らすジェントルメン』
二度揚げ
二度揚げ
二度揚げ
『プッシープリンが平成維新を成す』
ガスター10
ガスター10
ガスター10
『30の蚊帳の内に星々が舞い墜ちる』
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神は休むことを知らない
神は過ぎることしか知らない
神は頭にローションの詰まったクラゲのように
チュバチュバ時の先端を舐めるモザイク野郎さ
神は林檎の木を知らない
神は知恵の実なんて信じない
ただどこかの男女がぬるい銭湯から葉っぱ一枚で追放されたと
点字のニュースペーパーで知り、嗤った
神は鯨を鑑賞しない
神は牛も豚も食わない
神は滅菌されたレッテルを貼らない
常に全てが等しく緩慢に腐ってほしいと祈るだけ
神はプロではない
神はアマでもない
神になるのに資格はいらない
あらゆるガラクタに署名する血と暴力があればいい
神はなぜ無口なのか
神はなぜ風刺を好むのか
神はなぜピタリと欠落をはめ込むのか
神はどんな罪深い春画を描いているのか……
このパズルに終わりは聞こえない
このパズルに端っこは意味ない
このパズルに空白はいらない
このパズルにオレの居場所はないが、アイツはどうだろ?
(おれが思うに奴の才能はとっくに枯れ、筆の代わりにアレを振るわしてるのさ…)
神ってのは結局親戚中たらい廻しにされ、大人達にイタズラされた孤児みたいなもんだと
棚の古めかしい性書にも書いてあったぜ
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その眼を突き その舌を焼け
ふるいにかけた砂のように
零れる言葉を浴び 隠れた禁欲に溺れよ
愛は
疑う者を挽き裂き 信じる小羊にその血肉を与える
夢は
絶命した虎よりも厚く その生臭い毛皮にて小羊を守る
疑うことなかれ 慎むことなかれ
刻は
日々病む蒼草の老婆の如く 白濁した眼差しで子羊を貫く
夜は
指先についた疼歯の臭いより 芳しい粘液で小羊を洗礼す
疑うことなかれ 悼むことなかれ
祝福せよ
獣の伯爵は七日七晩踏まれ
何度も何度も 捻れ蘇るだろう
死は!
煌めく少女の眼窩を空け その股より這い出る
生は!
はためく少年の翼を折り 冷たい海蛇と交接さす
届かない手を挙げよ 掴めない指を開け
朝は
灼熱の湯と赤子の叫喚を 怯えた小羊の群れに放つ
神は
上下する喉仏の中の 磨り潰された羊肉を愛す
疑うことなかれ 安まることなかれ
祝福せよ
獣の伯爵は七日七晩吊られ
何度も何度も 母の腹を打つだろう
蝿が舞う
世界が回る
地獄の縁が崩れだし
烙印は窓辺に現われる
死は……
永劫の夢となり 終わらない苦悶が始まる
オマエは…!
その夢を喰らい またとない咎人のウタを吐き続けるだろう
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さいのーをください
ほりたてぴかぴかなしんせんなやつを
ここにはないって?
めにゅーにはかいてあるのに
さいのーをください
ひとくちさいずのとがったやつを
いつかにゅうかするって?
めにゅーにはかいてあったのに
さいのーくれよ!
てれびにでてるあいつらみたいに
おれにもわけろよ!
まるちにくりぬいたくりえいたーのぱい
さいのーってなにさ?
めにゅーにはむかしかきこんだのに
さいのーってうまいの?
みんなはきたそうなかおばかりしてるのに
さいのーいらね…
やまづみになったはくしもいらね
さいのーいみね…
したづみばかりのよるもいみね
かわりにあれくれ
あらくれもののぱわーをください
あわてもののずーずーしさをください
あんぱいあなんてむしするへらへらすまいるをください
あきらめきれないよるにはただまっしろなつきだけをください
ぼくはかくのです
かがやくつきにえがくのです
ここうに
けだかく
じゅんすいに
ただひとりよぞらをみすえ
ふるえるままに
うたうのです
ぼくだけの
『さいのーをください』
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バジリコの音感
ムスタングの心音
午後の冷たい下痢
バイリンガルの喘ぎ声
シュールじゃないゲルニカ
癌細胞の甘噛み
モスクで揺れる無数の人影
噛み切られた水パイプと聖書
特攻機の中の姿見
感電した鉄のトランペット
止まらない百足のムーンウォーク
止まらない蟻塚のブランコ
止まりそうなサヴァンナの心電器
止めようもない
ハイエナどもの遠吠え
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少年は夜に敵意を供えて
校舎の屋上で泣く
真夏の空は不可解な音色の海
地熱の放つ声に樹々が燃え上がる
透き通るようなラジオの70'sの歌
それは青い林檎を齧る音に似て、苦い
フクロウは深夜のコンビニを覗き回り
まだ幼かった頃の自分を探す
天使はいつも乾いた傘を広げては
繁華街の泥を眺めてる
傷口から見える碧い珊瑚礁
見たこともない深海の蛇
少年は薄明に悪意を葬り
校舎の屋上から墜ちる
少女は朝に声を詰まらせて
そんないくつもの夢から覚める
ユレル波間からのぞく褪せた爪先へ
そっと手を添えるように暁の緋が飾る
少女は厚いカーテンに包まって
そんな夢から覚めた夢を見た