詩人:トケルネコ | [投票][編集] |
なにかにウンザリした日には ため息を二つ ボクにください
藍色と灰色の二人きりの共鳴を
人生は遅かれ早かれ倦みだすもので 太陽が東から昇って西にへコむ神秘すら
台所のヤカンが沸騰してる現実に比べたら 退屈きわまりない日常で
あぁ…キミはまたこんなところに下着を放り出す
赤い艶っぽい下着もだいなしだなぁ…
空ろな部屋に 風が歌う
今年一番のヒットソング
興味ない顔で振り向かれても ボクにはもう応えようがないし
キミがなげだす真っすぐな瞳もなんだか変色してて
優しく見つめたりしても反応すらしないんだね
空色の窓にトンビが一羽 ピーヒョロロ〜プルルルル
電話のベルが数回鳴って消えたけど
あれキミの彼氏?(どーでもいいか…)
ところでこの部屋ピンクが多いなぁ……
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点滅する丘の上で一人の老人がタバコをふかす
足下にはシワだらけの犬が寄り添い
頭上では夜の六芒星が不確かな問いを奏でる
点景‥ 俯いた少年 赤い布キレ おぞましい河 たたずむ夕暮れ
つむじ風 ザラついた猫の眼 少女の乾いた額
明日は閃いた流れの傍に
盲いた怒りに口笛を与えてみる
ほつれた部屋の窓枠に 千年の埃が舞落ちる
アワイ アカイ アマイ アオイ 想い出だけが後悔と勇気の栞
クロイ クライ シロイ シカイ 焼き付いた望遠鏡を穹の海に還す
送別の今 椅子の上に散乱した薔薇と 灰色の詩集
親に兄弟に あの少女に
ありがとうとさようならは まるで双星のブランコ
明滅する時代 ダレかが詠む産声と 長いながい溜息に彩られて
丘の上で 波の狭間で 限りない光に包まれて
少年は夜を見ている
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アタマに鯨が棲みついて
半魚人になりたい夜もある
母乳の白はまだ生臭い息で温めて
クチビルはたわんだ味のワイン飲み下し
ピリリと塩胡椒浴びる生肉ね私
ドレスアップした夜に雨と踊るよう
花瓶の花を引きちぎるよう
壁という壁に爪立てて欲しい
ただ写して欲しい
パチリと反転する白黒写真ね私
あなたの傍で泳ぐのに
邪魔な羽なんかもぎ取って
フルーツみたいに丸まって待ってるから
その首筋の静脈
グサリと射し込むナイフね貴方
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隠し事は空の肺
夢幻の薬指に絡まる紫アゲハ
色づいた星々から聞こえる 舌先のピリオド
ヒラヒラと流れる 右へ揺れ 左をなぞる 暗礁の海亀
石膏の背筋に また花が零れる
君は引き上げられた深海のビーナス
見つめる白い眸に映る朝焼け
眠りの底で掴んだ海底の砂
暴かないでと閉じた唇は
サラサラと崩れる 右へ揺れ 左に捻れる 嵐の海蛇
君は歌いつかれた砂浜のセイレーン
夜明けの珊瑚から産まれる 爪先のピリオド
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供養しんさい
苦悩せんために
祈りんさい
痛みへのはなむけに
泣きんさい
無くしたもの全てのために
あんたがオギャア
産まれた頃に
みんな普通に死んでたんよ
誰もがオギャア
泣き喚いては
疑う涙を流すんよ
どこ行くん?
冬の夜中にサンダルで
耳に巻いた包帯に
まだ真っ赤な膿が滲んでるのに
なにを急いて掘っとるの?
傷口にいくら砂を詰めても
哀しいだけじゃけ…
淋しいんか
星が見えんのか
それだからいっそ、消えたいんか
認めんさい
見つめたくない小さな影を
捜しんさい
彷徨ってばかりの月日の日誌を
かざしんさい
飾らない暗夜に灯す震える火の蝋燭を
あんたがオギャア
泣いてる頃に
あんたは再び産まれてくるんよ
描きんさい
エゴにまみれた汚れきった人生を
生きてみんさい
もう一度
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スクワレナイ ブシドー
チチクリアウ メンボー
ワイザツ一閃 カイサツ一巡
ビリケン座るホリケン走るトーケン吠える 疲れて眠る
クラゲとポン酢 ッルリと飲み込みゃ痺れる恥骨
フニャフニャムニャムニャ新婚初夜に腰くだけ
テロップの赤文字 猫の青筋
カテキン暴走 緑茶吹き出す鳩山
ゴリラのスクワット 百億光年の無駄
どこからどこまでがウチュウ?
チキュウからガンキュウまでチュゥ
月刊お洒落Warにあれが載る
ドンパチ
ドンパチ
ゆるくたなびく襟
ドンパチ
ドンパチ
ひしゃげた鉛のジッパー
ドンコニシ
ドンコニシ
餅のような死体
全部食い残す そんなこんなで
ゴスロリナカス ゲイバー
テンプラアゲル リビドー
センパツ一興 キンパツ一休
全部食い逃げろ
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朝から山さ入って探すのは
山菜とか茸とか山の神さんの施しモン
わたしら所詮下っぱの端くれで
産まれたときからこんなんで
二十歳過ぎてもなんにも変わらず
今日も真冬の風に吹かれながら
暗いうちから家をでて、暗くなるまで手足動かし
春はまだかと歌ってたのも少女のうちで
今じゃみんなと一緒に 眉間に皺寄せ無駄口叩かず
ただ一歩、次の一歩と土を踏む
都会じゃ雪も綺麗じゃなんじゃと好かれるらしいが
わたしら好きにはなりゃあせん
ここでは全てを閉ざす無慈悲な魔蟲と呼ばれとう
道もなくなりゃ姿もみえん 掘ったそばからまた埋まる
わたしら何が悲しゅうてこんな世界に産まれてきたのか
かじかんだ手はいつもいうこときかんと震えとる
今日も真冬の風に吹かれながら
みんな独りぼっちで鉈を振るう 眉間に皺寄せ無駄口叩かず
ただ一歩、次の一歩と鉈を振るう
枕辺に立つ者も震えとるこの村じゃ 黒も白にと頬被り
今日は赤子の甘い指 握っては撫で
明日は赤子の青い腹 擦っては舐め
餓鬼も婆も魔蟲の炉端で笑っとる
喰うや喰わずのアバラ雲見上げ、ただ泣いとぅ
どこにも行くあてなんぞないから 誰も断ち切れんものばかりじゃから
みな目ェ食い縛って、血ィ振り絞っては
この小さな世界に鉈を振るう
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そのまるで月のように欠けた言葉
エッセンスは死と触手 緑のクラゲの歌う夜
魔法にかかった眸に刺さる
大人のいない部屋で子供は秘密に明け暮れて・・・
ただ美しいモノ
漂う価値しかないモノ
荒らされた部屋に残されたモノ
私がわたしじゃないといられないマガイモノ
いつかは海に還る
赤子がベッドで冷たく告げる
『死神なんてただの切手』
私が望むものはあなたの傷ついたモノ
この喉に突き刺さる白いモノ
水死体を膨ますモノ
新月のケダモノ
誰もいない部屋で塞ぎ込む
夢を捜す家政婦が迷い込む
母を埋めた白壁に屈み込む
顔が映らない鏡を覗き込む
すべてはあなたのあなたのためにわたしはわたしにのぞむこと.
すべてがうみのそこのぶんれつしたつきのようにはんしゃする.
すべてのいかりにくしみくろいよろこびきおくのそこのまさご.
すべてとひとつのなみにふゆうするくらげのようにながれつく.
迷わないで、
迷わないで、
また逢える、
まだ逢える、
つもりでいる?
あなたはあなたを欲してるだけ
あなたを変えれるコトバは無い
あなたが辿り着けるイバショはどこにも無い
ここにもどこにもいつまでも無いのさ…
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俺たちは闇に萌えだす目
俺たちは光に吊された舌
俺たちはクルいだす心臓
雑音 消える ネジを回す
ラジオから聴こえる『しらばっくれるな』
擦過音震える ネジを早く早く……
…ブクリ
ブクブク…
シュワッ‥
真冬の路上に 屍蝋がボトボト浮かび上がる
やれ崩壊だ
やれ不況だと
夜道に銀のナイフが一つ
あえて拾ってみるのも一興か
マサニ鋼鉄が錆びて鉄屑になるように
身悶えする父母の瞼
雑音 消える ネジを回す
隣室から聞こえる『Happy Birthday!』
鼓動がずれる ネジを早く早く…
あんなに空が あんなに夢が あんなに傷が蒼かったから
子猫のバンソーコーで蓋をした夜
AM 00:00
ラジオから聴こえる『しらばっくれるな』
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9回裏ノーアウト満塁の大ピンチ…
ピッチャー振りかぶって大の字!
マツーイ高速ムーンウォーク
キャッチャー膝痙攣、すさまじく痙攣
アンパイアも痙攣
監督マウンドに走りだし怒鳴りつけ大の字
観客いっせいにスクワット
イチローガム風船で飛びながら退場
観客いっせいに将棋指す
インド人乱入
ピッチャー大の字から振りかぶって大の字!
監督体育座り
キャッチャー膝分解
イチローガム風船割れ墜落
マツーイ緩慢なロボダンス
インド人球場で散髪の世界記録更新
観客いっせいに王手