詩人:トケルネコ | [投票][得票][編集] |
二つとして無い
不惑の回廊
御目麗しき
火焔の馭者
墓石を穿てば
指を断つ
官能を拡げては
蝶を射つ
眠りは白夜の恥じらい
言葉は自刎の挑発
欄間の黒龍
石積みの玄卓
心は蕭として流れ
首筋に氷の燐が流れる
痘痕の星空を脱がし
猫のよう
樫のよう
岩城のように
穹を嚼む
芳しい少女は淵の窓辺へ
風下の大蛇が泣く、啼く
移ろいは貌を綴じ
項の眼が青く啓く
木の葉の別離が夜を連れ
闇値の弦影が静かに過る
真砂の辺
形見の錐
傷つけてはまた葩吹雪
さながらの夢
うたかたの鏡像