ホーム > 詩人の部屋 > トケルネコの部屋 > カレ

トケルネコの部屋


[63] カレ
詩人:トケルネコ [投票][編集]


今も沈黙の部屋で 賑やかな街路で 誰もいない深夜のゲーセンで独り
黒くうつむけた瞳の奥でブツブツ言っている
腐敗したネズミより醜く 捨てられた子犬ように無様に震えて
頭の奥に木霊する言葉たちはタチが悪く それはいつもナイフの様に尖っている


不躾な質問はしない方がいい 彼は歪だ

恐いモノなど何もないと 思いたがっている

ニトロはだらけた四肢に満ち
暴発の瞬間を 密かに待っている


アバラに刺さったハートは酸化し…
空っぽの蝋細工 その目 その口 その耳が腐りきるまで
甘い歌だけ送り続けるだろう


今も過ぎ去った夜に 輝くイルミネーションの影に 朝焼けの窓辺に独り
白く裏返った舌の先でブツブツ叫んでいる
倒壊したビルの埃に塗れ 赤熱する大地に炙られながら
頭の奥に木霊する言葉たちには太刀打ちできず それはいつも彼を支配したがっている


優しげな態度はとらない方がいい 彼は悪意だ

痛みなど感じたくもないと 考えている

ニトロはぼやけた視野に満ち
暴発の瞬間を ニヤニヤ待っている


もはや ニトロはふやけた脳から溢れ
挑発の瞬間を 蒸発の解放を 今、待っている


脅しかける言葉など吐いても無駄だ



彼は 虚無そのものだ



2009/12/02 (Wed)

前頁] [トケルネコの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -