ホーム > 詩人の部屋 > nの部屋 > 往路

nの部屋


[14] 往路
詩人: [投票][編集]

君は急いで家を飛び出し

強い陽射しの下

キラリと涙と汗を光らせ走った

その涙と汗は灼けたアスファルトに落ち空へと昇った

昇った涙と汗は君を少し高い場所から追っていた

僕の場所まで届いた

途中、見慣れた色の歪な鉄の塊が

君の涙腺を刺激して

君はその場に座りこんだ

僕は君の右側に降り

そっと君の肩を抱き髪を撫でながら声を掛けた。

大丈夫だよ僕は此処に居るよ。
だから泣かないで。

2005/06/18 (Sat)

前頁] [nの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -