詩人:どるとる | [投票][編集] |
真心をあなたに届けたい
今すぐあなたを抱きしめたい
星は尾を引いて
夜空を流れる
そして頼りない
僕の背中で
君は鼻歌歌う
全く夢のようだな
でも限りなく現実だね
笑ったり泣いたり
時にはけんかもしたりして繰り返し日が昇っては沈む日々
悲しみに没する
時さえ君の慰めが僕には必要なんだ
ああ君と僕との日々は続く
ああ君と僕との時間は続く
時計が回るように
まばたきするように
それはただナチュラルに限りなく僕らを明日へはこぶ
平穏で平和な
明日へはこぶ
ただそれだけの毎日さ
どうだい?他人にはなんの面白みもないだろう?
でもそこが不思議なんだけど僕らには一緒にいれるだけでこれ以上の幸せはないのだ
それが君と僕の君と僕であるただひとつの資格なんだね
たとえば『愛』って一文字を思ったときにすぐに互いの顔が浮かんでしまうようなね。
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月と太陽は向き合うこともないまま
朝と夜はまるでべつの世界の出来事のよう
闇に見とれる
猫がいたなら
光にめまいする
人がいたなら
僕はそいつを夜の住人と呼ぶ
月と太陽が向き合うことがないように
朝は君と向き合わない それはまるで太陽と月のように
夜を好む眼光鋭いそなたは夜の住人
到底明るい場所では
不器用にしか
生きられない。
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生と死が混在する世界
光と影が混在する世界
常に我々の前には
対になる
二つの分かれ道がある
ただそのどちらを選んでも始まりがあれば終わりは免れない
静かに訪れる死を待つ以外にはない
だから余りある時間を大切に生きる必要があるのだ
どちらか一方を切り捨てることができないならば。
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ため息ゆらゆら揺らしながら
物憂げに頬杖ついて 窓際 黄昏るティーンエンジャークリーム色のカーテンが揺れる
悲しいことは終わらない
悪夢は何度でもやって来る
空は飴色
心は鈍色
ロマンスのかけらもない土曜日
無理矢理に浮かべた笑顔に翳りがさす
言葉に詰まる
なんの予告もなく
盗んでいく
泥棒のように
ほら僕の元気を
華麗に盗んでいく
悲しみが
憎たらしいよ
だけれどそこにおかしなロマンスを感じてしまうのは気の迷いなのかしら
ねえ ねえ ねえ…
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日本に来たばかりの
外人が言う
『日本は素晴らしい』
片言で話す外人が
日本の美意識を偉そうに語る
まるでそれは
お世辞にかぶせた
ものみたい
片言で語るなら
日本の美を語るなら
日本語覚えてから
来なさい
まずはそれからだね。
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『今夜あなたの
心をいただきにまいります』
華麗なその手口は
まるで神懸かり
見つめられただけで
心は盗まれたも同じ
美しいその見た目とは裏腹の尖った性格
だけれどそこが逆にかわいかったりするんだ
恋泥棒 今夜も僕の部屋に来て
僕の心を盗んでしまうよ
それは素敵なことさ
君は今夜裁かれない罪を犯す
それは僕ごと盗むこと
サッと屋根飛び越えて
ライトの光をよけて
君は夜の闇の中に消えていく
そんな君の名は
恋泥棒
世の男のハートを
鷲掴みするのさ
骨抜き 骨太
君はどっち?
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大きなパパの手は
いつの間にか自分より小さくなったよ
昔はあんなに大きかった手も
僕が大人になったら小さく見える
腰も曲がって
白髪混じりになった
昔はあんなに口うるさかったのにね
今はもうめっきり口数も少なくなっておだやかになりました
戻らない昔
よく二人で歩いた
あの土手沿いの道を
またあなたと歩くよ
だけれどあの頃と違うのは今度は僕があなたの手を引いているってことなのさ
何かあるたびありがとうとしきりに言うあなたに
感謝したいのはこっちの方だよと昔を思い出して泣いた夕暮れ
あなたはもう今はいない
仏壇の前
目を閉じ手を合わせている僕がいるから
忘れない あなたの手のぬくもりだけは
忘れない あなたがくれた沢山の思い出
忘れない あなたと熱く語り合った夜
忘れない あなたがふとしたとき流したあの涙 浮かべた笑顔
人は誰も 別れを避けては歩けぬ生き物だから 当然 どんなに愛し合っている人ともいつかは別れるさだめなんだ
だけれどあなたのことはこの胸の中でずっと残っているよ
嫌いになった日もあるけどそれもまたいい思い出だよね
だから忘れない
忘れるわけないよ
あなたが僕の心に遺した大きな財産ともいうべき深い愛情と厳しい教えを
とにかくいつまでも元気でいなさい
とにかくまじめにいればあとはいいから
おまえが思うように生きてみなさい
それが最後のあなたの言葉
胸に抱いて生きてゆくよ
今日も空は青く広いな
あなたがいたころと何ひとつ変わらない世界だ
父に宛てて ちょっと
感慨深げに 考えてた
昔は当たり前だったはずのものが少しずつ消えてく中で
変わらないもの探すのは難しいけど
あなたがくれた愛だけが影のように僕の心に揺れてる
今 僕は言う
ありがとう
そして
さようなら
忘れな草の香りが
届くところまで
思い出は吹き渡る
風の様に。
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いつでも見ている
見慣れた景色なのに
どこかが幸せで
どこかが悲しいね
そこにあるはずの幸せを当たり前と見過ごせばただの景色になってしまうね
だからもう一度
幸せということを思ってごらん
きっと違った景色が見えるはずだ
そこにある幸せなのに
見えないならば
まるでないもののように
放り出した幸せ
本当の幸せはゴミの山に埋もれてる
本当の幸せは道の隅に空き缶のように
転がってる
誰かに蹴られながら
あちこちヘコみながら
幸せはいつの間にか
欲望に汚されている。
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廃屋の夢
空っぽの胸
行き場もなく
さまよう
光と影を身にまとい
蝶は羽ばたく
果てしない大空へ
偽りの王国
誰もいない座席
教えのない
ルールもない
自由すぎる世界
やがて滅びる世界
光はまたたき
闇は話しかける
光と影の中を
縫うように
歩いてゆく
土曜日の私
筆先にインクつけて
何を描く?
明日を描けば
ほらねそこには
互いの笑顔が浮かぶ
帰る場所はすぐそこ
迷うことはないよ
ゴールなんか
ないのだから
生まれ出た瞬間から
その人は名前のない
地図にもない場所を目指す
宛ても何もない
旅は続くよ続く
光と影の降り注ぐ
廃屋のような
子供部屋のような
いろんなもので散らかった目もチカチカするようなまぶしい部屋の中で
今日も悲しみを数え喜びを数え 少なかったり多かったりすることに本気で向き合い過ごす
それは廃屋の夢
空っぽの胸
誰かが描いた油絵
その中に閉じこめられた時間もない世界
少女は輪を転がし
少年は妖精に恋する
そんなあれこれを抱えたまま
今日もいやがられるほど不器用に
なるべく争い避けて生き
ひたすら路地裏を進む。