詩人:どるとる | [投票][編集] |
踏み込んだ瞬間に
新しい物語は始まる
踏み込んだ瞬間に
風が僕を 包み込む
「生きていくんだ」
決めた瞬間はまるで
ペダル踏み込む瞬間のよう
命のペダルを漕ぎ出そう ただ前へ前へ漕ぎ続ければいい
生き続けることこそが本当だ
痛みのない瞬間なんてありはしないさ
痛みを感じているならそれは 生きているからだ 喜ぶがいい
おまえは確かに生きている
誇りに思うがいい
それは難しいことだ。
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へそ曲がりにだって言い分はあるんだ
世知辛い世の中で必死に何かにすがりつきながらはいつくばるようにして生きてるんだ
好きでへそを曲げたわけじゃないことを前提として僕らはあらがうんだ
進もうとすればするほど押し戻され
正しくいようとすればするほど周りの汚さが垣間見える
この世界に吹き荒れる矛盾という名の風に吹かれて
へそ曲がりな奴は言う
「正しさこそが世界の全てだというなら
見本となるはずの大人たちがこぞってその正しさを破っている現状に目をふさぐのが正しさですか?」
ある先生は言った
「バレなきゃいい」
そう言った時点であんたの中の人間の部分は死んだね
ご愁傷様です
計算では割り出せない 世界的レベルの大気圏の向こうに
台風の目のような
腐った根っこがある
それを日々腐らせていたのは僕ら人間だろう?
ねえ質問します
へそ曲がりは頭はわるいが決して人間からはずれたことをしているわけじゃない
ただ正しさの矛盾に気づいただけ
それを隠そうとするから必死で本当の正しさを叫んでるだけ
それをいけないことだと言うならば
質問します
正しさはなんのためにあるのですか?
間違ってもその白さを汚すためにあるものじゃないはずだ
大人たちよ
あんたたちがわからなければ僕ら子供はわからない
汚れきったその正しさこそが本来の正しさだと誤認するよ
そして純粋なまでにあんたたちと同じように嘘をつき 人を傷つけ 挙げ句 命を奪うよ
愛想笑いも飽きたことだし そろそろ言わせてもらいましょう
お世辞言うのも疲れたし そろそろ本音をぶちまけましょう
この世の中は明らかにひずんでる
へそ曲がりはそのひずみを矛盾と呼ぶ
僕は疑う
正しさを偽ろうとする世の中でのさばる嘘つきどもを
僕自身さえ 嘘つきだ
僕は笑ってるけれど本当は悲しい
そんな事実をもし隠さなくて良かったらへそは曲がらなかった。
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正しいことをしようとしているのに
周りがそれを空気の読めない奴だと言う
今度はそういうならばと空気を読んではみたものの正しさを捨てきれず睨まれる
世の中は矛盾している。
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答えが見つからないまま 今日も夜が明けて
何事もなく大きなあくびで1日が始まる
これを幸せっていうのかはわからないけれど
笑えていないってことは幸せじゃないんだろう
いくつかの過ちと
何人かの犠牲と
誰かのたゆまぬ
努力と頑張りの末にできたこの世界を同じ人間が汚している事実 僕には関係ないけど
僕は生きているけれど
僕は本当に生きていていいのかな
何が間違いで何が正解なのかさえ曖昧なこの世界を統治しているのは不条理ともいえる
形だけの正義だけど
大事な部分を支えているのは
限りなく人のぬくもりや優しさなんだよ
何ページか時を戻せば 僕の夢は立派な大人になること
でも今は違うんだ
とりあえず世の中に吹き荒れる理不尽の風にとばされないように愛想笑いしながらお世辞こぼしながらでも長い物にすがりついて媚びて
今日を生きること
それだけが夢みたいなものなんだよ
居場所もなく
立場もなく
富も財も
何もないけれど
明日があれば
いい方なんだと
自分を説き伏せて
今日も逃げるように無理やり眠るんだ
思考に埋もれて
忘れてしまった
人を愛すことだとか
人に愛されることだとか 君は持ち合わせてるかい? 上手にピエロと自分を演じわけながら
僕は生きてゆきたいんだろうか
それとも死にたいんだろうか
自分の事なのにわからないのさ
だから黄昏るように
日々をさまよってる抜け殻さ
僕の夢は枯れ果てた
砂漠のように
潤いをすっかりなくして 干からびてる
白い心も当たり前だった常識も疑い始めたらきりがないものだと知りなさい
僕よ 君よ 今を生きる全ての民よ
僕は生きてる。間違いないはず!
わかってるのに何度だって疑ってしまうのさ 悲しいだろう? アスファルトに囲まれたこの冷たい街で唯一信じられるのは自分だけなんて
ひねくれたくもなるさ
でもそんな僕を支えてるのも人のぬくもりと優しさ。
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ああ今日も生きてる
みんな生きてる
今日晴れている
太陽が輝いて
青空が見えたよ
こんないい日にも
なかには命を絶つ人がいるだなんてね
そうさ信じられないね
明日も生きてる
誰も彼も多分
明日晴れるかな?
今日晴れていても
明日も晴れるとは
限らないから
安心しきった時が
油断した時が
雨が降る合図だ
なんて長い夜なんだろうなあ
いつまでも明けないような
なんて嫌な奴なんだろうなあ
理不尽なことばかり押しつけて
なんて素敵な景色なんだろうな
いろんな色に変わるよカメレオン
今日がどんなに晴れていたって心の天気まではわからない
空は晴れ
心は雨
そんな日もまれじゃない
そんなもんだろうとあきらめた時点で君の負けさ
人生なんて人の数だけあって
生き方なんて星の数だけあって
だからひとつじゃないのさ
あなたもあなたも決めつけないで
やりたいようにやってだめならその時はあきらめればいいのさ
とりあえずは無謀でもぶつかっていこうよ
一回きりの人生なんだから
もったいないと思うならば
挑んでゆけばいいのさ
人の中の想像も無限大
人の中の夢も無限大
人の中の愛も無限大
考えてみたら限りあるものばかりじゃない
気づいたんだ
人の数だけある生き方も行き方決める道も人の数だけあるように見えて本当は無限通りの人生
ああ今日も生きてる
その実感を得るため
ああ今日も生きてる
ああ明日も生きたい
その結論にたどり着くため
その喜びを知るために
ああ明日も生きてく
そして人は生きてる
ジグソーパズルのように時のピースを組み上げてゆく日々の中
僕は一体何を糧に生きているんだ?
その答えはきっともうでている
限りをつけた時点で夢も愛も人生も終わりなんだよ
だからゴールなんか考えもせず人は走る
今日の幸せを今この瞬間を
精一杯かみしめているから先のこと考える余裕など無い。
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楽器も夢も潤いも何も要らないから 今から歌おうじゃないか
それぞれの思いを
拙くとも言葉にして
あちこち飾らない
歌声で 創られたイメージどおりにはいかない愛すべき不完全なる歌を歌おうよ
夜はいつものように素知らぬふりして訪れたよ
誰かの歌声のような陽気なソプラノの呼び声にはこばれて
晩飯を平らげた
デザートまで完食さ
歌声は響くよ この部屋にもあなたの夢の中にも
歌声は響くよ 観葉植物で洗われた空気の教室にも お堅い会社にも 歌声はあるよ
それは誰かを呼ぶ声
それはふとした時にあふれるメロディ
ただの当たり前な
かけ声さえも
挨拶でさえも
声に出した途端
それは歌に変わるよ
この世界にあふれてる 全ての音色は歌さ
僕は思うよ
楽しく歌うのに
誰の許可がいる?
誰の遠慮がいる?
誰の遠慮もなく
誰の許可もなく
喜ばれ 拍手され
何かを救うような
迷惑のかからない
歌声なら素晴らしい
そんな歌を僕は歌う
地球の片隅
太陽系の塵みたいな
青と緑の惑星で
安いギターと
持ち合わせた歌声で
みんなの前で歌うんだ
さあ聴いてください
今から歌うよ。
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多少常識からははずれても人間からははずれなきゃいいんじゃないかな
感情的になってしまった夜
言葉と言葉の戦争は喧嘩という名前をつけられて
「生きるということに不向きなんじゃないか」なんて思ってしまうほどいつになく沈んでしまったよ
心が鉛になったように重いんだ
僕の叫び声はとても聞かされたもんじゃないから歌にはできないけれど
親はわかってくれなかった
恋人も友達も僕にはいないから
ひとりで自分と語り合って 決めたのさ
そうさ常識からは多少はずれても
人間からははずれまいと
人を殺したわけじゃないし
人を肉体的に傷つけたこともない
僕の信念として
それは永遠のルールだよ
わるいことはわかってるから
わかってるからこそ
僕は自分と比べてしまうんだな
自分の持ってる考えと常識が相手じゃ勝ち目はないから
ただ僕は当たり前という名目で 愛想笑いやお世辞を並べて
さも、生きてるのが満足です、悩みなどありません
そんな嘘で自分をごまかしてるだけなんだ
だからたまには抱え込んだ思いがあふれ出すんだよ
でも人は殺めない
でも人を傷つない
物も投げない
それでも常識から見ればわるいことなんだって痛いくらい人間として生きているからわかることがどうしようもなくわからない
これが僕の正義だ
おかしいと思うなら
笑えばいいだろう?
僕の言葉の戦闘機は常識という名前の大艦隊に負けを記した
正義という悪を
ひたすら
唱いながら
僕は泣いた。
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自分たちが決めたルールから少しでも
はずれた人間がいたら 有らん限りの罰則を
問題外にはサヨナラを
計算と常識だけが全てです
それが今の世の中
僕は常識やら計算やらが嫌いだ
パソコンのように
心のない
計算で
人を黒か白かに分けるから
僕は思う
曖昧だっていい
灰色だっていい
小数点があったっていい
間違い探しのほうがいい
言いたいことは尽きないね
今夜は月がきれいだな
あの歌が似合う夜だな
そんな戯れ言で淋しさを隠して
途方もない 悔しさをごまかして
世の中にひとりこぼす
しっとり濡れるような目には見えない慕情の雨
感情の高まりに気づき僕はどうしようもない思いを涙で 洗い流した
これは手紙にも
歌にもならない気持ちだから整理の仕様がないんだ
僕は黒にも白にも
染まれず
中途半端に
悪で
中途半端に
正義で
それでも多少の常識は理解してる
バカなくらい人間過ぎる
今の世の中には邪魔な存在になる
そんな僕が涙を流すと待っていたかのように常識の雨あられを食らわせる
きれいで清潔で
美しさの概念が
違う世界だとするなら汚いことが美しい世界で白い清潔な草履虫
華麗に 地面を這う
その姿が僕の人生
言い過ぎかい?
勘違いし過ぎかい?
でもわからないんだ
ならば理想的な生き方とは?常識とは?
教えておくれ
たったひとつに絞れる世の中の全てを跋扈するような有り様を。
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簡単に大きな圧力に逆らえるほど強くもないけれど
ただ単に従うばかりでは癪だし「はい」だけ言っていても仕方ないと思うから言いたいことは声は小さいけどとりあえず言ってみるよ
声だけ 馬鹿でかい
僕の毎日は
意味のない繰り返しだと上手に生きる誰かがたやすく僕の20年と数ヶ月の歳月を馬鹿にした
僕だって 生きてる
人を殺めたわけじゃないし人を傷つけたわけじゃない
わるいことをしているわけじゃないし
毎日適当にでたらめに生きているわけじゃないんだ
だからほめるところがあるならばほめてほしいし
わからないことはその難易度に関わらず優しく教えてほしいし
認めるところは認めてほしいし
聞いてほしいことがあれば聞いてほしいし
暴れるこの理由を
叫んだり歌ったりする意味をわかってほしいんだ
少しでもいいから
僕の20年は無駄なんかじゃないよ
僕が一番わかってる
他人の痛みや
他人の苦しみ
辛さは自分にしかわからないから
他人に理解を求めても他人の考えに及ばなければ打ちのめされるだけ
だけれど人間同士
分かり合えるはずだ
僕の20年とあなたの20年は何も違いはない
どちらがどうだめだとか無駄だとかもない
同じくらい貴重で
同じくらい尊くて
同じくらい大切で
同じくらい濃密で
同じくらい素晴らしいんだ
僕の20年は誇らしいものだったよ
誰が否定しても
僕が肯定している
誰も否定はできない
僕が肯定しているから。
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おばあさんと犬があるところに暮らしていて おばあさん一人と犬一匹で毎日楽しく笑いあっていた
おばあさんはいつも
ひとりぼっちだから
孫にも息子にも恵まれなかったから
おばあさんの生きがいは犬だけだった
なにをするにも犬と一緒だったよ
早くにおじいさんに先立たれたおばあさんはひとりぼっちでここまで歩いてきたんだ
やがて犬を飼い始めてさ 最初はなかなか懐いてくれなかったけど少しずつ距離が縮んでいったのです
ある雨の日の朝におばあさんはひとり息をひきとったんだ
それでもおばあさんが亡くなったことを知らない犬はずっと
おばあさんの部屋がある 窓に向かって
優しい眼差しで語りかけるように
鳴いていた
ずっと待ってるからとでも言うように
犬はおばあさんを待ち続ける
寒い冬も暑い夏も
おだやかな春の日も
ずっと待ってるから
犬はやがて静かに冷たくなっていた
おばあさんを待ち続けて眠るように
おばあさんの待つ天国へ旅立った
犬は天国でおばあさんと会えたかな
今も空の上
雲の果ての果て
天の国には
あの犬のかわいらしい鳴き声とおばあさんの優しい眼差しがあることを祈って
売り地になったおばあさんの家は やがて更地になって
何もなくなったけど
それでもおばあさんと犬の暮らしていた記憶は残ってる
そんな気がするんだ
どこかで犬の鳴き声
僕は思い出すよ
おばあさんと犬の物語。