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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[4707] 満ちる
詩人:どるとる [投票][編集]


喘ぎを上げて
弱ささらけ出した
夜がほら
彼方此方に散らかる

何も言わないままで
僕は書物を解き明かした
そして我が儘な方程式を世の全てと言い切るのだ
わからないものを超えて

そこにある全てを
嘗ての営みを
僕は知らない
だから残る
知り得ない過去

そこにある大凡
いつかの一件を
誰も知らない
だけど重なる
どこかで繋がる

あなたと僕が
繋いだ手と手が
伝え 伝わる
ぬくもりひとつ
形のないものまで
緻密に届ける
意識や思惑を無視して ひとりでに満ちる
愛のなせる技

全くわからない
霞がかかったように朧気な景色
それでも少しずつ
見えてくる世界
あなたという人の
輪郭をなぞり
何もなかったはずの
世界を夢で満たす
そして満ちる僕の心
もう持て余すことも有り余ることもない。

2013/02/06 (Wed)

[4708] 置いてけぼりの夢
詩人:どるとる [投票][編集]


猫の額ほどの夜が
長く伸びている
犬の小便ほどの
くだらない会話の向こう側で今日も過酷な現実がある

ほらねまた同じことの繰り返しだ
泣いて笑ってそのうち疲れて眠る

もう生きれなくてもいい
もう笑うことさえ疲れたよ

ああまたひとり空見上げて 小さな星に重ねてる
昨日の強がった自分 そして置いてけぼりの夢

釣った魚に食べられる そんな喩えにひとりごちて笑った。

2013/02/07 (Thu)

[4709] 二人の時間
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側にいてほしい どんなときにでも
拭えないさびしさや生きる苦しみを
魔法みたいに全て安らぎに変えてしまう
あなたの隣で今日も僕は笑っていたい

どこにでもいる人なのさ
君のことを知らない誰かにとっての君は
だけど特別に映る
君は僕にとってはそんな人だよ

まるで万華鏡のように 色んな顔を持つ
君のこと愛し続けていたい 不器用な手つきで抱きしめた僕の弱さまで 包み込む君の大きな愛

そしてやがて時が穏やかに二人を遠い未来に導いたら その時には互いの老いたシワや白髪まで 愛してしまおう いつか

時を刻む役目を終えた古い時計のよう
二人の時間は今時を止めて 残されたわずかな命をたぎらせる

あとはゆっくりこの胸の音がきこえなくなるまで

あなたと生きよう
二人で生きよう。

2013/02/07 (Thu)

[4710] スマイル
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暗い顔はやめて 僕と笑おう 二人して腕を組んで 歩いていこう

そりゃ生きていれば辛いことや苦しいこともあるだろうさ
だけれどそんなときにはね やさしい人の力を借りて
涙を拭って歩き出すんだ

眠れない夜のこと越えられない夢の壁 笑い飛ばせることばかりじゃないけれど生きていくと決めたならけがするのも覚悟しよう

そんなときこそスマイルがあるじゃないか
君のスマイルは僕の小さな悩みを小さくしてくれる
もしもひとりじゃ心細いなら僕を呼んで
君の一大事に駆けつけて早く笑えるように笑わせるから

無理は禁物だけどあまり怠けないで
とにかくマイペースで急がず慌てず無難に行こう

あの涙の海の向こう
昇る笑顔という太陽

人の愚痴はやめて 鏡を見よう 思うより完璧とはかけ離れてる

そりゃ他人と自分比べだしたら劣る部分もあるだろうさ
だけれど それよりもっと大切なことがあるよ 嫌いな人の幸せも祈れなきゃ
憎んでばかりいたら心が腐る

空き缶蹴って帰った日の涙のんだ夕日の色 いつもいつでも万全とはいかないから時には見事に転ぶけれど そんな傷跡さえ誇りに思え

どんなときにもスマイルがあるじゃないか
君のスマイルは僕の溜息を小さなことと笑い飛ばしてくれる
もしもひとりじゃ抱えきれないようなら
僕が君の荷物を持つとしましょう 君が笑えるならお安いご用

そんなときこそスマイルがあるじゃないか
君のスマイルは僕の小さな悩みを小さくしてくれる
もしもひとりじゃ心細いなら僕を呼んで
君の一大事に駆けつけて早く笑えるように笑わせるから

世界中にたくさんの笑い声が溢れたらいいのに

なんてことを思いながら君の顔を見てる
笑顔も涙も心から浮かべられる世界ならいいのに

そんなときこそスマイルがあるのに
笑うより泣くことで気持ちを晴らすなら
笑顔は涙の代わりを果たすだけ。

2013/02/07 (Thu)

[4711] 自画像
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僕はどこへ行くんだろう
僕はどこまで行くんだろう
肝心なことは何もわからない
鏡に映る惚けた僕の顔洗う朝

僕は何をしているんだろう
僕はいつまで僕なんだろう
知りたいことは何もわからない
不安を抱えたまま扉を開きその先へ

光に照らされて影が生まれるように
幸せに微笑む人の傍らに涙する人がいるように
僕らは絶えずその境を生きる

他人の瞳に映る僕の姿になんか興味はない
ただ僕は何者かを知りたいだけだ

神様が描いた僕の自画像は 心までしっかり描けていたかな

優しさも思いやりも生まれたときから知ってるわけじゃない
そう教えられて
はじめて僕らは知る
だから下書きのままじゃいられない
色を塗って 書き足したりして
少しずつ少しずつ自分で知っていくんだよ
完璧なはずもない
未完成の僕らは
描き途中の自画像だ
まだ白黒の自画像だ

今はまだ何もわからないままでも
明日何かがわかるさ
明日何かを知るのさ

そして生きる痛みとそれを越える喜びを知る

そこに希望はある
少なくても存在し続ける意味がある

だから宛がなくても地図は広がる
僕が歩き続ける道の後ろに世界はある。

2013/02/07 (Thu)

[4712] 明日
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笑った顔の向こう側
泣いてる人の裏側
本当のこと 嘘偽り
くらしのずっと先
もっと向こう側の世界

僕はなんだろう
意味を失ったように
虚空を泳ぐ雲を見て
昨日の自分に重ねてそれをせせら笑う

なんだか 悲しいな
とっても 嬉しいな
曖昧で 矛盾してる
気持ち 散らかってる
心は掃きだめのよう

くらしの向こう側に
ある幸せを 僕はずっと見ていた
カレンダー破り捨てたいくらい 無意味な日々を越えて越えて
その先にある 届かない明日に手を伸ばす

晴れときどき曇り
それどころか雨降り
僕は行き場もないよ

さよなら。

2013/02/07 (Thu)

[4713] 雨季の花
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見えないものばかり
わからないことだらけ
この世界は
解けない糸と同じ
片結びのよう

誰かの死のあとに残るもの考えたら
多分時間はかかるけど少しずつ 消えてくだろう

変わってゆくもの
変わらなきゃいけないもの
僕らは変わること
受け入れられるかな
明日の向こうで

ふと気づくといつも雨の中 これだけ生きても身ほどに心は軽い

人の中に残された
消えない思いや
消せない人の声や顔
いつまでも
ぬくもりの傍にそっと咲いている面影
雨に濡れるために生まれてきたように
悲しみをその身に抱いて散ってゆく雨季の花

見えないものがある
わからないこともある
この世界は
鏡合わせのよう
映し世の夢

誰かの産声がする
今日も僕の知らない場所で誰かが生まれたんだな いつか終わる命宿して

変わらないもの
そのままでもいいもの
僕らは変わらない
昨日と今日ほど大して違わないように

ふと見上げると星が瞬いて そのひとつに世界の明日を願うんだ

なんでもない景色に
咲いた幸せな毎日
その中にある深い愛
どこまでも
終わらないエンドロールの彼方の光
雨に濡れるためだけに生きてるんじゃない
悲しみさえ振りほどいて定めを越える雨季の花

見えざるものも
わからないままのものも全て僕の瞳の裏の世界に通ずる小さな歯がゆさを残して
遠く揺れる新しい光に手を伸ばせば明日はそこに生まれる

なんでもない景色に
咲いた幸せな毎日
その中にある深い愛
どこまでも
終わらないエンドロールの彼方の光
雨に濡れるためだけに生きてるんじゃない
悲しみさえ振りほどいて定めを越える雨季の花

己の咲いた世界の境遇や運命じゃない
どう咲くか それひとつで明日は変わる
そんな強い花になりたい

そんなふうに生きれたら何かが変わるかな。

2013/02/08 (Fri)

[4714] 灯火
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本当に大切な思い出は心だけに残るから
形には残らなくてもいつも胸の中にある
それはまるで灯火のように今にも消えそうに揺れている
君のぬくもり 君の声 君の仕草
全てどれひとつ欠けることはなく
記憶の中に刻まれている深く深く

君の名前を呼ぶ僕の声が 僕の名前を呼ぶ君の声を連れてくる
こうして目を閉じればもう会えない人とも心を通わすことができるんだ

今はもういない君の面影を探し続ける度に もういないことをもう一度気づくから

君との思い出が笑いあったことまで悲しみで滲まないように
君のくれたあたたかい日々をこの胸にそっと灯すから
歩き続けるこの頼りない背中を遠く見守っていて

刻みたい思い出は治らない傷跡のよう
時間をかけて痛みはひいても微かに残る
それはまるで影さえ残さずに消えた人の
小さな笑顔 小さな足跡 小さな命
その人の命は尽きたあとでも残された
人々の明日の向こうで続いてく

誰かに笑いかける君の笑顔が 誰かの顔にも笑顔を咲かせる
なんのこともないいつもの当たり前な景色に幸せを添えるのはそんなこと

今はもういない人だから この世界に残された僕らがその人の代わりに今を生きる

人が刻む思い出はきっと悲しみだけではないだから
僕は君のくれた思い出の灯火を吹き消しはしない
例えば君との思い出が時に涙誘っても僕は知っている

君がくれた思い出はまるで灯火のように
振り返るたび僕の胸を熱くする
君のあの優しさが今も僕の中にある
けっして悲しいだけではない 深い深い悲しみの中に 光がある

だからこの思い出は忘れてしまうには
大切な場面を秘めた忘れがたいものを潜めてるから
この灯火は消えないで僕の中に灯ってる

本当に大切な思い出ほど心に残るから。

2013/02/09 (Sat)

[4715] 影踏み
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枯れ葉舞う 冬の小道をポケットに手を入れて 寂しさ胸に歩く

この胸を温めるもの探せども探せども見つからない
今日も寂しさだけを持ち帰る 夜が瞳の中隅々までも黒く塗りつぶすだけ

枯れ葉舞うように僕も日々を舞うように生きる 夕暮れ帰り道

あの道の向こう すれ違う母と子の微笑ましい会話に重ねた
いつかの自分の姿に
なんだか今はもう届かないものを ふれられないものを見た

切なさに影を踏まれて 一歩も動けない
歩けない 僕は生きるという言葉の意味を難しく考えすぎて
空回りする日々の中
何が良く何が悪い
その違いさえわからずに 生まれては消えていく日々抱え
昇っては沈んでく今日を今日も見送る

たくさんのわからないこと 全てに正解を見いだしたくてでもできなくて
僕は迷いに沈んだ
僕は悩みに悩んだ

大人になった今もこれという正解を出せないままで
いるはずもない神様に影踏みされているように
窮屈な日々を生きている

答えはどこだ
真相はなんだ
溜息ひとつ
夜に融けた

きっと最初からそんなものはない
そうとわかっていてもまだ抜け出せない僕だ。

2013/02/09 (Sat)

[4716] ビー玉ひとつ
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あまりに深く 愛しすぎた
あまりに深く 刻みすぎた

忘れてしまうにはあまりにも 惜しく
美しすぎる思い出

畳の上 ビー玉とビー玉転がして
戯れに遊ぶあの夕暮れのこと
田舎には何もなくて日々がゆっくり流れて
時間は都会ほどせわしなく感じない

ああ 夏の花火
冬は雪合戦
雪だるまをつくった
秋には山菜とり
春はお花見

ビー玉ひとつ 転がるように こみ上げる懐かしいあの笑顔
なんだかあまりにも遠くて忘れていた あの笑顔

ほら今もちゃんと
ここにあったんだね

消えないで。

2013/02/09 (Sat)
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