詩人:どるとる | [投票][編集] |
誰かのために 差し出された手はずっと何を探しているんだろう
残された片方の手は なぜさみしがるのだろう
したりされたりの水掛け論みたいなきりもないやりとりの中で僕らは一体何を求めているのだろう
あなたのためを思う ずっとずっと前から
この手はあなたへと向かって伸びていく
愛してやろうなんて 思いなど特別なくても いつの間にか
あなたに 優しく笑う手を 持っている
あなたの悲しみの半分を自ら望んで背負う 覚悟を持っている
埋められない 隙間にあてがうだけの 間に合わせの愛なら
こんな気持ちは必要ないだろう 勿体ないくらいだろう
愛のなんたるかを知らないうちから 僕らはただなんとなく 誰かを思うことにためらいをもたなかった
あなたが笑ってくれるならそれでいいや
単純な思考回路 半分は浅ましい下心
そんな醜さまであなたに露にしたい
合いの手を打つなら見えない荷物でふさがってる両手で 誰かの手を 握りしめてあげるくらいの愛を持て
自分にとって一番大切な人がさみしがるなら
どんな忙しいときも その大切な人を思う心の余裕くらい持っていたいよ
それが できたならきっと誰も 傷ついたり 悲しんだりしないのに
どうしようもないほど すれ違い ほどけていく 強く結んだはずの二人の結び目
あなたのためを思う ずっとずっと前から
この手はあなたへと向かって伸びていく
愛してやろうなんて 思いなど特別なくても いつの間にか
あなたに 優しく笑う手を 持っている
あなたの悲しみの半分を自ら望んで背負う 覚悟を持っている
この先、傷つけあう日もあるだろう
そんな 明日を迎えても 手放すような
愛など 持ち合わせてないよ
生易しい愛など 求めてない その傷さえも愛せるような 僕になってみせるから。
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たとえば目の前に 世界の果てまでも
どこまでも引かれた線があるなら
僕はその線を 越えることはできない
踏み越えてしまえばきっと楽なのに
何かを区切ったり区別するための線なら
差別という言葉も分別ですと居直る
引かれた線の向こうには 僕の知らない
あなただけの物語がドラマのようにあるのだろう
同じようで違う僕とあなたを隔てる
見えないその線は消すことはできない
だって 目には見えない架空の線だから
だけど軽々しく越えられもしない
いつも相対する大多数の僕とあなたの間には数センチばかりの 隙間が開いている
たとえば 心のすべてをさらけ出したら
頭がおかしくなってしまうよ
他人には見せたくない自分だけの秘密も
包み隠せない世界には安らぎの居場所がない
醜い本性にモザイクを欲しがるのは 裸の心ではあまりに寒いから
嘘やごまかしという服を 着せてあげるんだ
心を裸にしてしまえば お互いに気まずいだろう
たまにはずる賢くもなって
何かを偽るくらいの狡猾さで
誰かの 関心を惹いて 見栄を張るんだ
本当のことなんて誰も知りたがらない
傷を負った心にちょうどいい目眩まし
世間の目は節穴の目くらいがいい
そして愛しあう僕とあなたの 間にも
どうしようもなくそびえ立つ他人という壁がある
決まりきった掟なんて 見えない振りだ
正義には 答えなんてなくて ただ模範回答みたいな 例文になぞって線をはみ出さないように塗り絵をしているだけ
同じようで違う僕とあなたを隔てる
見えないその線は消すことはできない
だって 目には見えない架空の線だから
だけど軽々しく越えられもしない
いつも相対する大多数の僕とあなたの間には数センチばかりの 隙間が開いている
その隙間にあるのは きっとあなたにはない唯一自分が自分である証だ。
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相手のない 戦争をしているんだよ
領土も宗教も 関係ない
何を奪うでも奪われるでもなく
いつ始まって終わるのかさえもわからない
いつの間にか たくさんの大切なものを手にしてるつもりで本当は手放していた
世界という それはそれは広い
国と国で区切られた盤上で
今なお続く大人の戦争のせいで
流れなくていい血が流れる
足並みそろえた駒のような兵隊の瞳に映るのは国家の繁栄ですか
きれいな花が咲く青い空には到底似つかわしくない
ありもしない理由をつけて 無い物ねだりしているだけでしょう
ほら最初から闘う相手なんかいないんだ
敵でもない人たちの屍が増えるだけ
一人相撲も いい加減にしないと
あなたたちは誰と闘っているんだろう
僕にはあなたしか見えない
ひとりぼっちで戦争をしているようにしか見えないのは気のせいかな
ゲームの行方を気にするように
近い未来を 危惧しあったりして
不安がっても 駒は勝手に陣地をつくる
新しい命を育み未来につなげていく
誰かを愛していることにも気づかないくらいの愛で僕も愛されていたい
思い思いに今を生きる数多くの営みが 重なりあう世界
多分それは いつまでも変わらないはずだから変わらないでね
僕の手には 家族という 宝物が握られてて
でもそれは 僕だけのものじゃないから
思い通りに動かせるわけもなく
勝手気ままに 笑ったり泣いたりする
でもそれを責める言葉は僕は持ってない
だって僕は あなたたちが幸せなら それでいい
世界という それはそれは広い
国と国で区切られた盤上で
今なお続く大人の戦争のせいで
流れなくていい血が流れる
足並みそろえた駒のような兵隊の瞳に映るのは国家の繁栄ですか
きれいな花が咲く青い空には到底似つかわしくない
ありもしない理由をつけて 無い物ねだりしているだけでしょう。
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傷痕は 重なってもういくつ
転んだのかもわからない
悲しみに名前なんかないから
呼びようもないよ
それでも 星のない夜に探すのは小さな希望
手のひらに落ちた ひとひらの花びら
雨上がり春の陽射しが 涙を乾かしてく
ほらもう 傷痕はかさぶただ。
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どこかの街で 誰かを待っている
物語が 今、歩き出した 足音がした
夜の中でも 光を見失わないように
明かりをたずさえて笑っていよう
隙間に落ちた 不意を突くような 絶妙なタイミングで
見上げた夜空に シューティングスター
君の街の空でも 見えるかな
流れ星、ひとすじ 弧を描いて
退屈なはずの世界が輝いていく
夢から覚めても 終わらない夢の中で
同じことを 繰り返すなんて滑稽さ
時計が回る 朝が夜になる
夜が朝になる
今夜はどんな夢を見るだろう
悲しみのない 薔薇色の夢を見よう
涙が ひとすじ 頬に流れた夜
風に背中から抱きしめられた
会いたいって 言葉にすれば 距離なんかなくなるよ
会いに行こう この距離を 飛び越えて 夜明けまで
見上げた夜空に シューティングスター
君の街の空でも 見えるかな
流れ星、ひとすじ 弧を描いて
退屈なはずの世界が輝いていく。
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どしゃ降り雨が 窓ガラスを濡らして
今最終電車が 疲れた体を運んでゆく
ドアがゆっくりと開いて
薄明かるい ホームにたどり着いたら
あんなに降っていた雨も
すっかり降りやんで大きなお月さまが 空にのぼってる
なんとなく 早足になる なぜだろう
急ぐ理由なんか探しても見つからないのに
あなたの おかえりなさいが聞きたくて たまらないんだよ
最近は何もいいことはひとつもない
涙ばかり流しているような気がする
肩落として うつむいて歩いていたら
いつの間にか笑いかたを忘れてしまう
ちょっと寄り道した公園
ブランコに乗って いい年したおじさんが黄昏てる
夕暮れの 道に吐き出された陽射しは
ため息のようにどこか寂しげな色をしている
用もないのに あなたの笑顔を見たくて たまらないんだよ
探し続けてた幸せのありかは
きっとこのまま見つからないままでいい
だって 幸せはここにあるって わかるから
なんとなく 早足になる なぜだろう
急ぐ理由なんか探しても見つからないのに
あなたの おかえりなさいが聞きたくて たまらないんだよ。
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道の先に知らない物語が
まるで 足跡のように続いていく
誰もいない 真夜中の静かな 駅前
雨が 屋根を濡らしたのは10時を過ぎてまもなくのことです
揺れる心のままに 誰かを思えば
悲しみは雨になってこの頬に降るよ
受け流す傘もなく 流れて落ちて はじけて消えた
静かに夜明けを待っている
光は 暗いから見えないだけ
昔の映画に雨に歌えばっていう
そんな映画があった どんな内容かは忘れたけど
眠ってしまえば消える寂しさなのに
あなたの 隣で夢を見たいと 思うのは
あなたの寝顔を 見たいからだよ 内緒でそんなことを思う。
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台風の目の周りをぐるぐると回る
台風何号 接近中
やがてこの東日本を飲み込んで
大荒れの天気が予想されます
秒読みと同時に棒読み開始
キャスターの冷めた目が画面いっぱいに拡大されて見えるよ
おかしくなりそうだ
言葉までも なんだか他人行儀な風体
この街から抜け出したくて走り出した
防波堤 意味もなく突破されて
津波が街を飲み込む悪夢の映像
水に恐怖を感じるなんてくだらない
自然の驚異の目の前じゃ
僕らの命はひどくちっぽけだ
台風東日本上陸 避けられそうもない現状
台風東日本上陸 予想される雨量に注目
おごり高ぶる僕らを叱るよ。
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ショートストーリーの足跡を
追いかけて たどり着いた
持ち前の科学力で空に手を伸ばした
流離いの旅人が水を求めるように
僕もまた 身にあまるようなお金より
ただつなぐための手を探してる
少しずつ大人になっていく君を見てるよ
景色が回るよ なんともまあカラフルな幻
たどり着く先がたとえ小さいとしてもそれでもいいんだ
好きなように歌を歌い 今を指し貫く一本の矢になるんだよ。
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光が空に反射して雲の影が水面に浮かぶ
退屈なはずの時間が泡となって 消える
硝子の箱に 泳ぐ魚の影を目で追えば
あたかも 海の中にいるような気持ちになる。