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自販機の明かり 誰もいない駐車場
猫が寂しそうに目を光らせて横切る
冷たい アスファルトの上に夜が降る
ただ何の雑じり気もない闇の中に
落ちた星が この世界の最後の良心
真夜中はいつも 思いがけず素晴らしい。
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一見、意味なし
世界を数値化
計算するのは科学
幽霊なんていないさ
試して試して
ただその繰り返し
ネズミはマウスで
赤い目で檻の中
チューと泣いても
運命は 人の手の中
言葉を介さず
涙も 流さず
それでも、小さな心をふるわしているよ
すくすくと育つ 天をつらぬき
遂に神の庭へ 侵略
原人が見上げた空に星が流れた日に
この世界は 少しだけ 夢とロマンを思い出す
ただなんとなくぼんやりとした創世記。
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月面に 不時着
先の尖ったロケットで
クレーターに 縦に立つ銀の鉛筆
宇宙人 タコみたい
月から見た地球
青と緑のビー玉
ソフトクリーム
片手に遊泳
無重力を 満喫
活字の星が闇に 点在
集めて 解読
壮大な 私小説
それは遠い未来への果てない挑戦
夢に翼を与えるエンターテイメント
魔法の呪文を唱えよう あぶらかたぶら。
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手と手を重ねるだけで どうして
こんなに伝わってしまうのだろう
離れては ほどけていく手は
ぬくもりさえも 一緒に遠ざかる
残されたものがあるとしたら
冷えた手に かすか灯る 見えない某か
通り過ぎたことにも気づかず
開いたまぶたに 矢継ぎ早に咲いた花
摘んで 愛でて 思い出に なりました
痛みを 残した季節は どうして
絵になるほどに 美しいのでしょうか
たくさんの 夢を描いた画用紙に
めぼしい 未来は 見つからなかった
あなたがくれた声が道しるべなら
少し頼りなくてもいい 手に汗にぎる
窓に 映るのは 悲しみを 覚えず
掌で隠して 涙の上に花を咲かす
少しはきれいに 見えるでしょう
冬の 足音はもう聞こえない
春の真ん中に僕はいる 夏を 待たせてる
通り過ぎたことにも気づかず
開いたまぶたに 矢継ぎ早に咲いた花
摘んで 愛でて 思い出に なりました。
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交わした 口づけも重ねた手のひらも
どうしようもないくらい 何度でも確かめた愛の程
ここにあるはずの気持ちさえ 疑わしいから
痛みや 安らぎに 命の居場所を 探すよ
見えないものばかりで 迷いそうになる生き方
人の多さに めまいを覚えた あの日に
咲いた花の名前を人は忘れてしまう
風にたずねた 幸せの入り口や 世界のあり方 そんなものに
気をとられて 僕はすっかり見失ってた
大切な全部。
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部屋には いつもの夢の中に 広げた絨毯 果てない宇宙
花さえ咲かない どうしようもない日々
僕は死ぬことさえ出来ない 生き物
たしかなものなんて何もない ただ
ここにあるのは あくびの止まらない退屈と
明けては暮れる 行ったり来たりの毎日
パラパラ漫画のように あらすじのない結末
さよならは いつでもいいけど
最後くらいは 笑えるように
極上の 幸せを用意しといてね。
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笑って泣いて たまに怒って
優しくて ずるくてちょっとだけ生意気な
いろんな君を 見ている いろんな君を知っている
空に浮かんだ雲や星を数えられないように
君のすべてを迷いなくわかってあげられる訳じゃないけれど
汗水流して頑張っている 君を僕は知っているから
せめて知っているだけの君だけでも認めてあげる
偉そうなことばかり言って 何も出来ないのが実情
だけど、手を取り合って 一歩ずつ 前に進む
それでいいのさ
「なんとか 生きているよ」
そんな 気持ちが きっと いつの間にか
幸せっていうものが何かって 気づかせてくれるはず
死にたいなんて 言葉は間違っても
口にしないで 本当に死んだら嫌だろう?
自殺件数なんて ものが取り沙汰される
関係ないことって 笑い飛ばせるかい?
なんにしろどんな理由があっても
命を粗末にしちゃだめだ そんなきれいごとがいつまで 通用するだろう
自分より他人のことを思いながら 人の為に生きてる君を
知ってしまっている僕としては人知れず流れる涙を
無駄にはしたくなくて 君を傘にして雨宿りしてる
いつか降りやむだろうって 思いながら
泣き止んだ君にそれ見ろって 笑ってた
泣くときも君はひとりだったんだね
君を思ってた はずなのに 孤独にさせてたのはほかでもない僕だったよ
空は流れて夜は 明けて
また 日は暮れて
そんなことを 繰り返していくうちに
何かを忘れていく
忙しさが 邪魔だ
でも 誰のせいでもない
強いていうなら それが 人生だ。
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所在なさげな 影が揺れる 頼りない背中に
陽射しが 落ちて 地面に転がる
どんな 言葉なら君は笑ってくれるだろう
迷ってばかりの手でつかんだものは君の手でした
ありきたりの暮らしの中に 灯る
ささやかな明かりを消さないように
笑っている君や泣いている君を
この 節穴の瞳に焼きつけて いつまでも
僕らを性懲りもなくつないでる思いに
年をとらせるものかと 誓ったところです
ビルばかりの景色 東京の街 日は暮れて
橋の上から 落ちる夕日を見るよ
いくら言葉にしても足りないほどの思い
終着駅なんかない旅をしている 時間の列車に乗って
少し 至らない部分を残して 僕は不完全でありながら完成形
躓いたって弱音を吐いたって
多分 君は笑ってくれるんだろう
断りもなく吹き抜けてく風に乗せて
もうひとつ足らない思いを あずけたよ
うまくかき消したつもりの悲しみも
ほら時折 はみ出してしまう
人知れず 泣いてる
大切な人だから
見えてしまうし気づいてしまう
それが 余計なお世話のようで
でも、ありがたくもあって
放っておけない僕はとりあえず
迷うけど 誰より君の近くで 誰より 君を知っているつもりで
心のテーブルに 思い浮かぶだけの
たくさんの君を並べてみる
ありきたりの暮らしの中に 灯る
ささやかな明かりを消さないように
笑っている君や泣いている君を
この 節穴の瞳に焼きつけて いつまでも
僕らを性懲りもなくつないでる思いに
年をとらせるものかと 誓ったところです。
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手をつなぐ ことの意味を
何度でも かみしめながら
僕は歩いていくだろう あなたの歩いてるすぐ近くを
愛してるって 何度も 繰り返したあの季節に
僕は 思いを 置いてきたの
もう 二度と帰らない
人に 伝えられる言葉はひとつもない
ならばせめて あなたがくれた思い出を
僕は 忘れないで明日につなげてくよ
つないでは 離れていく手のひらを 伝うあたたかい血潮
ぬくもりだけでは心もとないから
憎しみさえも 分かち合うんだよ
幾度となく 夜は明けて また日は暮れて
窓の外には 星たちが夜を飾ってる
何気なく繰り返す 毎日の中には
宝物みたいな 価値ある 宝石の日々
待ってても雨は止みそうもないから
雨宿りをしよう 少し気長に
手をつなぐこと その意味を探しながら
強く握りしめたら つぶれてしまいそうな柔らかな手ざわり
二度と離すまいと誓ったあの日の僕にあった
思いは今の僕には とても得難いものだ
ギュッと 結ぶように つないだ手
時に ほどけてゆく手
いろんなふうに 眺めながら手のひらに透かして見てる
ただ愛してる そんな安易な言葉だけでつながってた僕らを
つないでは 離れていく手のひらを 伝うあたたかい血潮
ぬくもりだけでは心もとないから
憎しみさえも 分かち合うんだよ
ふいにたどり着いた海岸
遠ざかる波に
誰かの面影が ゆれていた。
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海を見渡す 燈台の明かりが 今日も
サーチライトのように港町に
優しい眼差しが 陽射しのように降り注ぐ
この街にはどれだけの 人がいて
どれだけの 悲しみや喜びがあるのだろう
ふと気づいたこと
流れる 涙のあとを追いかけていくことはできないから
せめて 悲しくても泣き止んだあとには笑ってごらん
明日は晴れるって いつでも信じながら
それでも心配なら 傘を持って行きなさい
希望という言葉に 振り回されながら
歩いてきた人生でした
燈台が海を 見守るように僕は あなたを見ているから。