詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつまでも終わらない宿題のような
絶え間なく積み重なってく時間の掟で
がんじがらめに縛られたまま
流れにまかせて ただ泳ぐのなら
自由など 永遠に見えはしないだろう
旅人になるのなら 傷を抱くことだよ
僕はまたひとつ 大人になってしまった
歳を重ねて 威張りくさって
偉くなどないのに 見栄ばかり張って
終電も過ぎた 真夜中の 駅のホーム
ベンチに座って 明かりに 話しかけていた
君は 少年のまま 今も変わらない歌を歌ってる
君の青春は きっと流行りのペンケースと真心ブラザーズ
僕はまた ひとつ嘘に救われて狡くなる
もう引き出しは ひとつもない
日比谷線の窓の外 ぽっかり浮かぶ月
言葉にしたら きっと敗けを認めたことになるだろう
負け惜しみでも強がるほうがいい
その時流れた涙は星になった
そういうことに しておこうか。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
泣きべそかいて 笑われて
赤く腫れた頬を指差して
そんなに泣くなと 慰められた
夜はただ ゆっくりと 過ぎていった
時間を 転がすように 運び届けるように
持ち運びできない 思いなのになあ
素知らぬふりで 懐にしまいこんで
そして
ありふれた 気持ちが 奇跡なんだと
気づいた瞬間の ときめきだけは
誰にも 渡せないと思った心から
だからこの思いは僕だけのものだ
これでいいはずだ何もかも全て
忘れたことも思い出すこともなく
吐き捨てるように 歌ってた
電車を逃したけど終電に間に合った
それも 違わず奇跡なら
ああ この思いは
泡のように
溶けてあとは 消えるだけ
ありふれた 気持ちが 奇跡なんだと
気づいた瞬間の ときめきだけは
誰にも 渡せないと思った心から
だからこの思いは僕だけのものだ
そんな 気持ちさえ揺らぐほどに
君は 僕をどうしてそれほどまでに愛してくれるんだろう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
雨が止んだら 傘をたたんで 君の顔を
覗きこんで いたずらそうに 笑う
風が運んだ花びらの行方なんかは
新聞にも書いてないから死ぬまで わからない
長い髪をひとつに 結んだ君の 襟足を
風が 撫でたら 言うんだ この気持ちを
僕らは 他愛もない会話をしながら
途切れないように会話をつないでく
リレーのように見えないバトンを渡して
いつの間にか はぐれるとも知らないで
それぞれの未来が 口を開けて待ってる
どうやらここらでもう さよならだ
見えない あしたを イメージで汚しながら
あるいは 飾りながら 不安をあざ笑った
僕らは 愛という言葉も知らないうちから
唇を 重ね合わせる意味を 悟っていた
宛もない 僕らは ただ疲れるまで歩いて
途切れた遊歩道 振り返る先に揺れる 街明かり
答えのないことをいつまでも 話した
途方もない先の未来なんて
僕らにはまるで他人のことのようで
長い夢から目覚めた僕は気づいた
思ったより いろんなものを
なくしていたことに
でも同じだけ 何かを手に入れたということも
僕らは 他愛もない会話をしながら
途切れないように会話をつないでく
リレーのように見えないバトンを渡して
いつの間にか はぐれるとも知らないで
それぞれの未来が 口を開けて待ってる
どうやらここらでもう さよならだ
望まなければ会うこともないだろう
だから さよならだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
手のひらを 開いて
そこに咲いた
ぬくもりに
生まれた 意味を
知ったのは いつだろう
あなたがくれた
見返りのない愛を
償うことができるなら
僕にはどんなことができるだろう
人が生まれて
死んでいくまでの
わずかな時間で
どれだけの
悲しみを 喜びを
わけあうことが
できるだろう
愛されたように
愛していくよ
私と同じ名前と
血潮を分けた
小さな 君に
心に 届けよう
思い出を集めた花束を。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
時計は 回って
昨日と同じ
変わらない空を
映した水たまりが
波紋を広げながら
一秒を重ねてく
絶え間ない毎日を
飽きもせず眺めてる
風のあとを追いかけていく
綿毛の 旅立ちは少し 危うくて かすり傷を抱く
踏み出したその一歩は いつか
あなたを 踏み越えるための
今は小さな 一歩でも やがて
たどり着くその日にどんな 悲しみも
笑い飛ばせるくらいの 未来
ひとひらの物語
心を動かしてく
あきれた顔で
君は 笑うのだろう
僕の本気の冗談を
今に見てろって
握りこぶしひとつ
つくっていた
見上げた空は 高くて指先さえ届かない
叶う保証もない 夢に 時間を 費やしてる
リスクのない夢なんて ただだっていらない
叶えられるかどうかじゃない
叶える気があるかどうかだ
それいかんで 道は切り開かれていく
目指すのは地図にない 未来
今はまだ 何度も
転んで 悔しい思いをしておくことだ
それがいつか 宝物になるだろう
踏み出したその一歩は いつか
あなたを 踏み越えるための
今は小さな 一歩でも やがて
たどり着くその日にどんな 悲しみも
笑い飛ばせるくらいの 未来。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
映画の終わりの寂しさのように
さっきまでの物語は 跡形もなく
胸の中からすっかり消えている
それは眠ってる 間に 過ぎていた 通り雨
どうして 明日は来るのだろう
僕には行く宛など ないのに
映画の終わりに雨のように
落ちてくる エンドロール
きれいなだけの 言葉で飾られた
映画の内容なんて いちいち覚えてない
気づけば 誰もいない映画館に
一人残されて 退室を 余儀なくされる
人生とは それによく似た 境遇。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
何も見えない 暗闇の中に 灯る光
それは 君なんだね
照れながら
恥ずかしがりながら
僕の 隙間を埋めていく
スタンドバイミー
願うのは
降りやまない雨も
明けない夜も
ありふれた
言葉で ほどけて
散々に散らばって溶けていく
意味に 惑わされ 形に囚われて
言葉にすることでしか 思いを
形にできないなんて悲しいじゃないか
だから わざと口を閉ざして
生まれ持った 体温で
重ねた傷も 消えない痛みも
愛してみせるから
見せてよ君のすべて
声を ひそめて探すのは あなたの鼓動
かすかな 息づかい
そこにいるんだねやっとみつけたよ
降りやまない雨も
明けない夜も
ありふれた
言葉で ほどけて
散々に散らばって溶けていく
迎えた 朝に何もなかったように
僕らは おはようを交わす
幸せなど 探さずともいつでもここに ある。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
花のように
こぼれる
雫のように
踏み出した
その一歩から
始まる物語
遅ればせながら
ページをめくるよ
山の遠くから
こだまする
声のかたち
喉の揺らぎ
雷が 遠くで
光って
終わる 季節を
むせび泣いて
そっと目を閉じるとき
枯れる花の
涙は
どこへ行くのか
ああビルの森
抜けた場所
雲の 白さよ
物語 終わらせるには
まだあまりに
僕は何も知らず
人の肌の
ぬくもりも
その闇も
触れたのは
指先だけ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
愛してる ただそれだけを 伝えるために
人はいくらでも 悩んで迷ったりする
何のために 繰り返してきた日々なのか
砂時計は 絶えず落ち続けてゆくのに
残された時間も そうは長くないから
そろそろ 誰かじゃなく あなただけを
そんなふうに思える人と出会わなければ
僕にはいるだろうか
自分より 大切にできる人が
忙しい 日々を 軽く笑い飛ばせるくらいの
笑顔を見せる あなた
おはよう おやすみ
ごめんね ありがとう
積み重ねる ごく当たり前な 会話も
歌のように 聞き入ってしまうんだろうな
そしてたまに くれる愛してるの言葉で
もう 僕は のぼせ上がってしまうよ
幸福という結末にたどり着くために
手をつなぐことやキスを覚えていく
面倒なんて言わずにやってみることだ
上手い下手は この際見ないでいいよ
同じテーブルを囲んで たいして上手くもない手料理と
相変わらずの 似合わない笑顔
飽きるほどの 幸せな毎日
退屈と 平行して 幸せがあるのなら
そんな毎日も 悪くはない
スプーンとフォークの関係
いつでも 寄り添ってないと
スープも スパゲッティも食べられない
それくらいのもんだと 愛を貶したあとで
たまに ぞっとするくらいの幸せに溺れ
もう 僕はその虜になってしまうよ
愛してる その一言はもはや 呪いのよう
僕を 捕らえる 見えない 檻
僕にはいるだろうか
自分より 大切にできる人が
忙しい 日々を 軽く笑い飛ばせるくらいの
笑顔を見せる あなた
おはよう おやすみ
ごめんね ありがとう
積み重ねる ごく当たり前な 会話も
歌のように 聞き入ってしまうんだろうな
そしてたまに くれる愛してるの言葉で
もう 僕は のぼせ上がってしまうよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
笑わせるつもりが 泣かせてしまったね
期待してたほど僕は優しくはないから
いらない期待は頼むからしないでくれ
つまらない嘘で君を欺いてしまうから
僕は 君にとってどうやらヒーローみたいで
でも君が言うほど僕は 出来た人じゃないから
困らせてしまうよ
呆れさせてしまうよ
君の理想に 追い付けない僕では
きっと君を 落胆させてしまうだけだ
時計を 過去に戻せるのなら 今すぐ
出会ったあの頃に戻って嫌われたい
君をこれ以上傷つける僕になるのなら
何も言わずに この恋に終止符を打つよ
僕らの間を 取り持つように
運命が からかうよ
余計なお世話だと 僕は 憤った
だがそこにあるのは 寂しさだよ
そうだ 僕はもう君から目が離せなくなっている
笑わせるつもりが 泣かせてしまったね
期待してたほど僕は優しくはないから
いらない期待は頼むからしないでくれ
つまらない嘘で君を欺いてしまうから
突然降りだした雨に足止めを食らって
同じ屋根の下で出会わなければ
この 幸せもなかったのだろうか
それなら僕は寧ろ運命に感謝しなければ
自ら手放した 恋に今さら 自分の弱さに
嫌気がさして 涙がほほを伝うよ
傘が必要だ 今からでもいいなら
嘘を本当に 変えて
終わりから始めよう。