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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[6847] 満ちることのない海
詩人:どるとる [投票][編集]


身に余る幸せは この身体を
欲望に沈める だからいらない

両手で 抱えきれるほどの幸せだけで
いつまでも 満されていたいと願う

この手に余る希望は 残酷なほど 脆すぎて
ふれたそばから 崩れて もう跡形もない

欲しいものすべてを手に入れた僕はきっと空っぽだ

一体何のために 僕は 欲しかったんだろう
それを手に入れるためにどれほどの人を傷つけただろう

どれくらい嘘をついたのだろう
自分をあなたをどんなに裏切っただろう

身に余る幸せは この身体を
欲望に沈める だからいらない

両手で 抱えきれるほどの幸せだけで
いつまでも 満されていたいと願う

僕は 満ちることのない海でいたい
引き潮のまま ただ青い空を眺めていたい。

2015/11/19 (Thu)

[6846] 回帰線
詩人:どるとる [投票][編集]


ただなんとなく歩いてきました
目に見えるレールの上を
なるべく人の道 外れぬように

思えばそれは 誰かが引いたレールで
僕は 電車のように引かれたレールを
ただ走っていたんだね

でも僕は電車じゃないし レールを走らなきゃいけない理由もないから

そろそろ 引かれた線の向こうに行くよ
君は来ないのかい?不安をぬぐえないから

まるで「安心」は「退屈」と同義語だ

裏返しのシャツみたいによく似ている

だけどよく見れば縫い目が丸見えだ

恐れるものなど何もない ただ

泣いているだけでも たどり着く場所がある

見つけたよ 小さな花だけど 僕にはこれくらいがちょうどいい

幸せと名付けよう 「当たり前なこと」が今さらこんなにも宝物

ただ なんとなく 向かい風に逆らって
流れとは 逆に 進んでみた けれど
いつの間にか流されてる 同じ色に染められていたんだ

でも僕は まさか塗り絵でもないし
染められるわけもなく 色なんてあるのかすら疑わしいくらいで

引かれたレールを歩くくらいなら 家路のような あたたかな場所へと続く道を

「妥協」と言い換えたのは「諦め」と言いたくないから

カッコ悪い自分をひた隠しにして

線の内側で いつまでも駄々をこねてる少年

恐れるものなど何もない ただ

泣いているだけでも たどり着く場所がある

見つけたよ 小さな花だけど 僕にはこれくらいがちょうどいい

幸せと名付けよう 「当たり前なこと」が今さらこんなにも宝物

「ありふれていること」が今になってこんなにも愛おしい

なんでかなあ なんでかなあ。

2015/11/19 (Thu)

[6845] メモリーズ
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ふしだらな ゴーサイン

ありのままではいられないの

ふれたそばからとけていく思いは

冬の日の白い雪に似て

誰かが 敷き詰めた

道の上に 思い出が

咲いているでしょ

あんなふうに笑ってたっけ

あんなふうに泣いていたっけ

ひとつひとつ思い出しては 含み笑い

一人だけで 笑ってないで僕にも教えてよ

その笑顔の向こうの景色

まだ知らない物語のあらすじを

語って 聞かせて

画用紙に描いた世界

その中では誰だって主人公さ

片道だけの旅 数あるメモリーズ

頭の中の引き出しにしまう

はじまりを告げる朝の向こうに

誰かが前に一歩踏み出した

鈴の音のような足音

手をつないだだけ けんかもして

抱いた傷の数だけ 忘れられない痛み

思い出すたびもう消えたはずの傷痕が

ひとりでに開いてあの日の風をはこぶよ

優しさっていうのならそんな色と形

明日の天気さえ僕は知らないままでいい

そのほうがいくらか楽しい

遠い誰かが想像した物語が
たとえば僕の今を少しでも
楽しいものにしているのならば

必要ないロマンスなんて1つもないね
なんてことに 気づいた僕は
昨日より少しこの世界が輝いて見えた

あんなふうに笑ってたっけ

あんなふうに泣いていたっけ

ひとつひとつ思い出しては 含み笑い

一人だけで 笑ってないで僕にも教えてよ

その笑顔の向こうの景色

まだ知らない物語のあらすじを

語って 聞かせて

まだ知らない この世界の空の色に

この手でふれさせて。

2015/11/19 (Thu)

[6844] ゆるやかな回転
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レコードは回る

観覧車も回る

命も回る

巡る螺旋の階段を

上ったり下ったり

繰り返す約束のように

押し花にした 遠い日の思い出は

いつかの夜に咲いていた光さ

僕を間違いなく 明日に連れていく

そのゆるやかな回転に委せて

僕は 今日も さんざん泣くだろう

隙あらば笑うだろう

雨のように 陽射しのように

この身に降る定めある時間

砂時計だけが 落ちるよ

何もかも回る世界で

命だけは 永遠を知らないよ

だから どんなに似ていても

目の前の花は いつか見た花じゃない

そして僕もいつかその意味を知る。

2015/11/19 (Thu)

[6843] 真夜中の逃避行
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誰かの帰りを待ちわびる誰かの

そわそわする 貧乏揺すりのリズムは

僕の胸の中にもなんとなく伝わるよ

街中は今 真夜中過ぎの
終電もさっき終わったとこなのさ

少しだけ ざわめいた胸の 突き刺すような痛みを早く

取り除いてくれよ あの間の抜けたようなアホ面見せて

ただいまって ただいまって さっきも言ったでしょう
けれど何度も言いたくなる そんな気持ちにさせるの

夜の街を星のように駆け巡ろう二人で

夜更かししよう 今夜は寝かさないよ

二人だけの 長い長い夜の散歩に出よう

昼間一緒にいれないぶんだけ楽しみなの夜が

眠ってるなんてもったいないと思った

真夜中の逃避行!

2015/11/18 (Wed)

[6842] ひとにぎりのロマンス
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世界の下ごしらえ
すましたのなら

弱火でコトコト
煮込むのさ

なかなか一筋縄ではいかないやつさ
だからね面白いんじゃないかと歌う

たとえばいつか 歌ってた 愛や夢を
ロマンスという魔法の言葉に変えて

僕は 君に幾千の星を降らそう

ひとにぎりのロマンスだ 今夜は

わくわくし通しのパーティーだ

招待状なんか いらない

誰もが 踊って 歌って 騒げる

魔法じかけの 夜

覚悟はいいかい?

雰囲気にのまれるな

夢から覚めたくなくなるの

世界中のレシピ
知ってるコックでも

知らない 味わい
舌を うならせる

なかなか どうして楽しい気持ちさ
どうしてくれるんだ既に引き返したくない

虜なんだ この危うい 幸せに
僕は 帰りの切符まで買っていないことに

今さら気づいてしまうの突然に

ひとにぎりのロマンスだ 今夜は

わくわくし通しのパーティーだ

招待状なんか いらない

誰もが 踊って 歌って 騒げる

魔法じかけの 夜

覚悟はいいかい?

雰囲気にのまれるな

夢から覚めたくなくなるの

君を愛さずにはいられなくなるの

それを愛と 欺けば

なんて素敵なロマンス

ああもう帰りたくない。

2015/11/18 (Wed)

[6841] 夜間飛行
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空には 白い星が 輝いてる
冬を描いた 小さな僕の瞳の中に

画用紙ほどもない世界に
悲しみと喜びを 消しては描いて

繰り返す いたずら小僧に 言い訳する言葉もないまま

何度も僕は 泣いたり笑ったりする

真夜中過ぎの 街は

たとえば誰かの帰りを待つ君の

小さな心の騒ぐ音までも

低周波みたいに風に乗って伝わるよ

会いたい気持ちが はちきれるほどに積み重なって

家へと走る 誰かの背中を 追いかける

流れ星よりも 早く 君の 胸の中に 飛び込みたい

そんな気持ちを つかまえよう あのドアの向こうにある 笑顔をひとりじめ

立て付けの悪いドアに苦戦してると
くたびれた体に 夜風がしみる

望遠鏡もいらない 星は僕の目にも輝く
遠目からでもはっきりわかる

君の顔が 笑ったり泣いたりするのをイメージしてる

形のない星をつなげれば 星座になるように

思いと思いが重なれば 道にだってなる

レールになって 夜空を低空飛行

自由すぎる夜間飛行 星を蹴散らしていく

光よりもまばゆく 君の瞳をくらましたい

そんな企みを知っているのかい?
いつもみたいに すべてお見通しって顔でフテキに笑ってよ

誰かが描いた 筋書きを ものの見事に裏切って

あらすじにない物語が 一人旅してるような

気ままな歌をいつでも歌っていたいのさ

ああ 会いたい気持ちが はちきれるほどに積み重なって

家へと走る 誰かの背中を 追いかける

流れ星よりも 早く 君の 胸の中に 飛び込みたい

そんな気持ちを つかまえよう あのドアの向こうにある 笑顔をひとりじめ

目の前にある広すぎる世界を 縦横無尽に駆け巡ろう 世界をひとりじめ。

2015/11/18 (Wed)

[6840] 夜とくらげ
詩人:どるとる [投票][編集]


くたくたの街は真夜中過ぎ

通りには静けさだけが海月みたくただよう

行き交うような誰かの思いと思いを

つなげては 切り離すように

いくつもの光と影が この世界を七色に染めてる

やわらかなぬくもりを探してた気がする

どこにあるんだろう たとえばありふれた優しさは

ありあわせの 愛の言葉ささやいて

冴えない日々を こんな眠れない夜を

いっそ馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばしてくれないか

冷や飯を かっ食らう
物寂しさときたら 世界が終わる前兆みたいな気分だよ

だから ためらいなんかドブ川にでも捨てて抱きしめて

ゆらゆらの 光に 目を眩ませて

ちんけな 手品師にだまされて 「希望」の所在を見失う

いくつもの 理想と現実が 交錯する 天と地が逆さになって

欲望で満たされたプールに 肩を沈めれば

ほらね 退屈なんかは 目には入らないんだ

とっておきのあの歌で世界を ぶち壊して

忘れてるような場所に咲いた花の名前

思い出して 気づいたときには空を見上げて遠い目をしてる

ほらね 昨日と今日みたいに 思い出はそんなに離れてはいない

何が言いたいのかなんて最早忘れた

ただ、すきま風が吹くような 空欄を埋めたいだけ
それだけだ

ありあわせの 愛の言葉ささやいて

冴えない日々を こんな眠れない夜を

いっそ馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばしてくれないか

冷や飯を かっ食らう
物寂しさときたら 世界が終わる前兆みたいな気分だよ

だから ためらいなんかドブ川にでも捨てて抱きしめて。

2015/11/18 (Wed)

[6839] コーラルリーフ
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雨は傘の上に あぐらをかいて座る

無粋な あいつの不幸を心から願う

回想電車が 頭の中を 走る

あの日あの時の 涙
虹色に輝いた ありし日のコーラルリーフ

珊瑚礁みたいに
群生する赤いひまわり空に

希望を降り注がせて 絶望を今すぐ眠らせて

特急待ちの ホーム

雪が降ってきそうな白い空

カメラワークが 揺らいで 映す逆さまの君

わけもなく 笑うしぐさに 射ぬかれた

胸は 穴ぼこだらけ

君の、君のせいだよ

結末を待ち望むような物語じゃない

それほどたいそうなものじゃない

下心ばかりが若さをくすぐる

あの日あの時の夏の中空に 舞っていた陽射しのシャワー

浮き輪でもあればまだ 浮わついた気持ちでいれるのに

行き場をなくした僕は お手上げ

種も仕掛けもない手品ショー

箱の中から ウサギが顔を出す

思い出という名の電車に飛び乗って

僕は新しい僕を探す旅に出るのさ

何色にも染まれるよ

世界は世界のままじゃない

脱皮するみたいに

生まれ変わるように
何度でも殻を破って
枠をはみ出して

レールを外れて

その先の明日を知る
今日はどんなふうに
輝けるかな

ねえ どんなふうに

笑い 泣くのかな

それが楽しみでちょっと不安で
明日が待ち遠しいような そうでもないような

特急待ちの ホーム

雪が降ってきそうな白い空

カメラワークが 揺らいで 映す逆さまの君

わけもなく 笑うしぐさに 射ぬかれた

胸は 穴ぼこだらけ

君の、君のせいだよ。

2015/11/18 (Wed)

[6838] ナイトスイミング
詩人:どるとる [投票][編集]


光が 魚みたいに 見えるのは
電車の中が水槽みたいだから

さしずめ僕は餌を待ち焦がれる腹ペコの魚さ

ビー玉 はじくように
夜の光が 行き交う
夢みたいな世界

下手くそな バタフライで 遊泳

わがままも まかり通りそうな夜

君は笑った 僕は笑った

ああ ヘンテコなナイトスイミング。

2015/11/17 (Tue)
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