詩人:どるとる | [投票][編集] |
学生服に着替える 新しい春の日に
はにかんで微笑む君は もう私の知っている君じゃない
心もひとまわり大きめの服に着替えていたよ
僕らは互いに すれ違いながら 時には分かり合えなくて そっぽ向くけど
肝心なときにはいつもなんだかんだで心を通わせてる
沈む夕日を追いかけて あなたは明日に走ってゆく
その背中が 君もおいでと僕を呼んでる
僕も君と同じ 明日をめざして まっしぐら
あなたの家から学校へ続く坂道に
春がやって来たらきっと桜の蕾もひらくでしょう
あと何度この坂道を歩けるでしょうか
数えるほどになりました 卒業までの数ヶ月 だらしなく はだけたシャツの
ボタンをしっかり締めたら 心までシャンとした
昇る朝日 夜明けの街並み おはようさんと 声かけて
土手っ腹を 走ってゆく人 輝く汗に濡れていた
僕も君のように 風に吹かれて まっしぐら
校舎に 朝日が あたる 元気な声が 聞こえたら
今日もはじまる チャイムの音 心を学ぶ時間です
沈む夕日を追いかけて あなたは明日に走ってゆく
その背中が 君もおいでと僕を呼んでる
僕も君と同じ 明日をめざして まっしぐら
明日にまっしぐら。
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今日も この街にはゆるい風が吹く
都合のいい大人たちはモザイクで陰部を隠して
アカシアの花は赤く
空や海は果てしなく
子供はただいたいけに
砂の街のよう ただ流れる川のよう
どこまでもまっすぐなカーブを描いて
それは まるで神に祈る人の形のよう
いつまでも頼れる何かにすがっていたい
甘い絶望の中で 溺れたふりしていたい
そういうもんでしょう?
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不思議だね大好きな人がくれる言葉はすべて大好きな言葉になる
大好きな人が好きなものは僕も大好きなものになる
不思議とね大嫌いな人がくれる言葉はすべて大嫌いな言葉になる
大嫌いな人が好きなものは僕も大嫌いなものになる
人と人とが向かい合うとき食べ物の好き嫌いみたいに
この人が好きだから
この人が嫌いだから
そんなふうにそっぽ向いたり尻尾振ったりしてたんじゃ仕方ない
そんなことはおやめなさい
そんなことはおやめなさい
不思議だね大好きな人が大嫌いになるときもある
不思議だね大嫌いな人が大好きになるときもある
知ってはじめてわかるその人の良さや悪さ
好き嫌いだけじゃはかれない
好き嫌いだけじゃわからない。
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どこまでも終わらない夜の中に
咲いている 一輪の花を見つけたよ
どうして気づかなかったのかな
通り過ぎた道に 揺れる誰かの影
ささやくようなこの街のつぶやきは
まるで 一人一人の本当の心映す鏡のよう
声が聞こえる 泣いたり笑ったりしている
声と声が重なるように 下手くそな嘘に紛れて見えない心を誰もがその胸にしのばせてる
いつまでも流れてるエンドロールは
終わりを拒むかのように次の雨を降らす
寂しさは 置き去りにしたはずなのに
ポケットの底に残ってる涙のかけら
ささやくようにしか聞こえないその声は
まるで 知られたくない何かを隠すように
話すことを語ることを忘れてしまうよ
寂しさは途方もなく 海のように広がる 傷ついたその心に気づかれないように生きてる
誰かの話を聞くときは 目を閉じて耳をすますんだ
そうすれば きっとその声の向こうに 本当のあなたがいる
そのあなたと 会話をする 僕もまたあなたと同じで 本当を嘘に重ねてる
恥ずかしい 心のひだ 見せたくないから
声が聞こえる 泣いたり笑ったりしている
声と声が重なるように 下手くそな嘘に紛れて見えない心を誰もがその胸にしのばせてる
無傷に見えて傷だらけのその心を誰もがかばうように しのばせてる。
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旅は続くよ どうやらこの先も 僕は帰れない 僕は帰らない
どこへ行こうか どこまで行っても合わせ鏡のような世界だな
空が地面を映して
地面は空を映して
僕の瞳が 君を映して
君の瞳が 僕を映して
だけど心は 心を映せないよ だから
心はそれだけでは何も映すことはできない
ただ 頑なに暗闇を見つめるだけ
だから世界は僕の本当の心に気づかず
いつまでもこんな所に置き去りにしているんだろう
覚めない夢の中で 痛みも苦しみも本物の夢の中で
僕は今日も 空の終わりを探して ひたすら歩き続けてる
この心には目はないから この瞳が見たものがそのまま心に映る
被写体は いつも世界
被写体は ずっと世界
だけど 世界はいつもここにあって どこにもない
心は それだけでは何の意味も為さないんだよ
鏡が映せるのはせいぜいそこにあるものだけ
だから 僕はあなたを見ても あなたの心までは見えないんだ
だから僕はあなたを知りたくて 目を凝らすんだ
心はそれだけでは何も映すことはできない
ただ 頑なに暗闇を見つめるだけ
だから世界は僕の本当の心に気づかず
いつまでもこんな所に置き去りにしているんだろう
でもその寂しさが 紛れもなく僕を生かす光だということも本当だよ。
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夕暮れ はぐれて
一人寂しさの中
自分慰める言葉は
すっかりなくしてた
せめて夜が来る前に
あなたの声だけでも
聞きたい
人は いつも いつも出口のないトンネルの中
笑っていてもどこか泣いている
その笑顔はまるで無理しているようにどこか乾いている
だから今日もあなたはさびしんぼう
だから今日も僕はさびしんぼう。
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あなたの瞳を まっすぐに見つめる瞳がある
いくら目をそらしてもその瞳はあなたから目をそらさない
あなたを探すように 小さな瞳は誰もいない部屋を見渡す 隠れん坊しているわけじゃないのに
あなたは「もう愛せない」と強引に突き放した
何も特別なことを望んでいる訳じゃなく
ただ愛されたいだけ
その一心で 子供はあなたをお母さんと呼ぶんだよ
どうかどうか その瞳に気づいてあげて
あなたの腕の中で寝息を立てて眠る
遊び疲れたのかな どんな夢を見ているのかなあ
いつからか変わってしまった気持ちを今度は私が探す番だよ
鬼はあなただよ
思い出すよあなたを生んだあの日の空の色
あなたが笑うそれだけで世界が輝いたの
あなたが生まれたとき 私のもとに生まれてきてくれてありがとうって
確かに 私は思っていたのに
時が変えたもの それはなんだろう
命を育てていくのは思うよりも辛かったよ あなたを愛している気持ちとあなたを拒んでしまう気持ちの狭間でいつも一人迷い悩んでた
何も特別なことを望んでいる訳じゃなく
ただ愛されたいだけ
その一心で 子供はあなたをお母さんと呼ぶんだよ
どうかどうか その瞳に気づいてあげて
私は確かに あの日あなたのお母さんだったのに
私はいつからあなたのお母さんでいることから逃げたの。
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何か悲しいことがあったときは
側にいる誰かに助けを求めなさい
弱さをさらけ出すことは
恥ずかしい事じゃないから
誰だってひとりじゃ寂しくて切なくて
でも誰かが側にいればきっとひとりじゃわからないことがわかるんだ
片方の手を 誰かの手とつないで 歩いていく僕ら歩いていく
ひとりじゃ 出来ないことも
誰かと力を合わせれば
はじめて出来る事がある
違う人同士すべてを分かり合えなくても
心は通い合うさ
ほらあなただってどこかで誰かに
助けられて救われている みんな誰かに支えられているのに
ひとりで生きてるように思ってるだけだ
心が寒さにふるえるときには
胸の中隠してる寂しさを見せて
傷跡さえもごまかさないで 笑わないからさ
空回りしてばかりの僕は不器用で
時々途端に孤独に気づくと夜も眠れないときがあるんだ
小さな優しさや思いやりでいいから 誰かのぬくもりに包まれたい
生きていくということは
簡単なようで意外と難しい
振り返ると間違いだらけで いつも何か不安そうにしている
そんな僕がいる
ひとりで生きてる気になってるだけの
僕なんていざひとりになったら 何ひとつうまく出来ないよ
でも本当にひとりきりなら 僕を思う厳しさもないね
ひとりじゃ 出来ないことも
誰かと力を合わせれば
はじめて出来る事がある
違う人同士すべてを分かり合えなくても
心は通い合うさ
ほらあなただってどこかで誰かに
助けられて救われている みんな誰かに支えられているのに
ひとりで生きてるように思ってるだけだ
ひとりで生きてるようで いつも誰かに
足りない部分を補ってもらってる僕らは
見えない誰かの優しさや愛に気づけずひとりだと勘違いしてるだけだ
ひとりになろうと思ってもひとりになんてなれるはずもないよ
だって僕らが謳ってるひとりは ひとりなんかじゃないんだから生きてるかぎり謳えない ひとりのうた。
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泣きたくもなるだろう 寂しいときには
泣いていいんだよ 我慢なんかする必要はないさ
どうしてだろう言葉にならないのは
目を閉じても耳をふさいでも 悲しみは消えることはないよ
だから少し 立ち止まってみる 降り出した雨の中
ラララ ラララ 続いていく 物語は 今日も
朝が夜になる 夜が朝になる その繰り返しで
雨のち晴れでまた晴れる その繰り返しだ
ああそこには都合のいい神様など いないだろう だからせめてあなたはあなたに優しいあなたになるのだ。
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ほら 今日も日が暮れて
あっという間に帰る時間が来ました
あなたも今頃いつもの帰り道を
鼻歌なんて歌いながら歩いてるかな
「早く帰って来ないかな」
「早く君に会いたいなあ」
遠くにある離れ離れの二つの気持ちがひとつに重なる瞬間
この道はいつでも どこかに必ずつながっているけれど
僕が行くこの道は明日へと続いてる道だから
あなたの帰りを待っている 優しいあの人の笑顔があれば
もう何もいらないよ
僕は迷わずに君と同じ 明日へ行こう
ほら 時計がまた回れば 夜明けは早足に暮れていく
お腹がすいたなあ 今日の夕飯なにかなあ
あなたはそんなこと考えているかなあ
「遅くなってごめんね」とか「プレゼント買ってきたこと」とか そんなことはいいんだ あなたに会いたいだけで駆け足になる
この道は長い長い人生の中のほんの1日の終わり
大したことじゃないけど 振り返ればいろんなことがあった
泣いたり笑ったり今日もたくさん思い出が出来ました
あとは風呂に入って寝るだけ
僕はドアを開けて 君に言うんだ 「ただいま」
この道はいつでも どこかに必ずつながっているけれど
僕が行くこの道は明日へと続いてる道だから
あなたの帰りを待っている 優しいあの人の笑顔があれば
もう何もいらないよ
僕は迷わずに君と同じ 明日へ行こう。