詩人:どるとる | [投票][編集] |
想像してる イメージの水面に浮かべた
小さな舟 沈まずに行けるか明日まで
何もない 今日の中に
或いは その深淵に
あるはずの 光に今
手を伸ばして つかまえる
幸せは 触れられるものではなくて
ましてや つかまえておくことも出来ない
だけど 感じることは出来る
たとえば ここからでも見える景色
当たり前に そこにある 広すぎる空の青
その中に にじんでる 痕跡
ひこうき雲みたいに
影だけを残して消える
続いていく 物語には名前など無いのさ
今日もまためくるページ まだ白紙のまま
くだらない 会話の中で
見つけた 言葉の間合いに
隠れている 痛みに今
迷わずに 歩み寄る
幸せは 誰かがくれるものではなくて
きっと 追いかけるものだって知ってる
だけど 空っぽの世界にも生まれる
たとえば 通り過ぎる人たちの後ろ姿
気づかないくらいの小さな命の悲鳴
その声は 宛もなくさまよう
渡り鳥のように 行くべき場所を知りながら立ち止まる
今僕を この世界を
縛りつける わがままな掟に 逆らって
少しだけ 道を引き返す
なくした 何かを 取り戻すように
幸せは 触れられるものではなくて
ましてや つかまえておくことも出来ない
だけど 感じることは出来る
たとえば ここからでも見える景色
当たり前に そこにある 広すぎる空の青
その中に にじんでる 痕跡
ひこうき雲みたいに
影だけを残して消える
画用紙いっぱいに広がる世界
本当は掟など無いのさ
この世界には題名なんて 都合のいいものはついていないから。
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真っ暗な夜はまるで深い海の底のよう
呼吸してる車たちが列をなしている
その姿はまるで群れをなす魚のよう
泡の代わりに 排気ガスを吐き出して
汚していく こんなにも美しい世界を
誰かの 帰り道 心は空っぽがらんどう
ふと何気なく 優しい誰かの笑顔を思い出す
胸の片隅咲いた花 それは長い間
忘れてた気持ち
手を伸ばしてる 届かない空 見えないものをつかまえるのは心さ
今だけは 忘れられるよ
この胸の中刻まれている傷跡も こぼれた涙も
誰かの 思い出 澄みきった青い空に
とけていく もう出会えない人のぬくもりを思い出す
確かなようで不確かなものを人は見つめている
夢を見ている 長い夢を それはまるで どこまでも終わらない物語
多くを語らず無口なままの僕を取り残して 夜は明けてく
夜はまるで 涙をせき止めておくためのつっかえぼうさ
手を伸ばしてる 届かない空 見えないものをつかまえるのは心さ
今だけは 忘れられるよ
この胸の中刻まれている傷跡も こぼれた涙も
まだ見れずにいる夢の続きを。
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夜は果てへと 果てへと伸びていく
闇を広げて 広げてゆくんです
それは夜が 朝をめざして歩いているから
どこまで行くのか
どこから来たのか
わからない
連れて行こう 悲しみも 消えない痛みも
引き連れて行こう
伝えきれない言葉も さよならの意味も
すべてがすべて 意味があるわけじゃない
それでも すべてがすべてに光を持たせてる
それはきっと 僕らが生きているということを 肯定してる
夜はまるで そんな僕らの 命を運ぶ箱船
夜はまるで そんな僕らを 哀れむまなざし。
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心は びいどろ
硝子で出来てる
簡単に ひびが
入る脆い代物です
悲しい日には
雨が降る
うれしい日には
晴れやかな顔
ほらね 心の景色をそのまま映す
心は びいどろ
硝子で出来てる
君が見ている世界は
僕が見ている世界
同じさ 変わらない
誰かが 僕を映す鏡なら
僕は誰かを映す鏡です
互いに心を 映し出しながら 向き合う世界
粉々に飛び散ったような星が 暮らす世界
たったひとつの細胞から 分裂した物語
枝分かれして やがて 同じ空にたどり着く
心は びいどろ
硝子で出来てる
君が見ている世界は
僕が見ている世界
同じさ 変わらない
世界は びいどろ
硝子で出来てる
どこまで行っても
同じ景色が続くだけ
でも
昨日と今日や明日は変わらないけれど
日付が違うだけで違うだろう でも同じ世界の続きからの物語。
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目が見えない人は どうやってまっすぐ歩くのだろう
耳が聴こえない人は どうやって 会話をするのだろう
光や音のない世界でも 僕らと
同じように日が沈みそして夜が明ける
変わらないよ
そう言って 僕より少し 不自由な人は笑うのです
指でさわって ここにいるって教える
不意打ちみたいに 口づけで あいさつ
雨の音や 鳥のさえずり 川のせせらぎ
当たり前みたいに思うような すべてに
君は全神経を集めてる ステキだね
一見 意味のなさそうなものでも 案外意味深だ
見たこともない世界や聴いたこともない世界がある
きっと僕などにはわからないことが
君の世界にはあるのだろうなあ
大好きだよ
そう言う君に僕は同じ言葉を 言うのです
線路をつなげていくよ 今日から明日へ
その上を走るのは 二人乗りの鈍行列車
パンの耳みたいなものだ なくても困らない
だけど 僕はなくちゃ困るなあ だって君が好きだから
そんな皮肉さえも君なら笑ってくれる
駄目な僕のすべてを 許してね 不器用なとこはお互い様
なんて具合に 明日もどうぞよろしく
指でさわって ここにいるって教える
不意打ちみたいに 口づけで あいさつ
雨の音や 鳥のさえずり 川のせせらぎ
当たり前みたいに思うような すべてに
君は全神経を集めてる ステキだね。
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たとえば 路地裏の影
たとえば 夜明け前の静けさ
たとえば ふとしたときにわき上がる思い
たとえば 夕暮れ時のアトリエ
或いは 図工室
たとえば 硝子工房の夜
たとえば 牧場の朝
たとえば 大好きな人と交わすただいまとおかえり
たとえば 出したラブレター
たとえば 短編映画のつまらない場面
そんな そんな いろんな景色や場所や
色やかたちや たくさんの感情の中にある
感性だよ
大切にしよう いつか誰かが言っていたんだ
絵を描くような 1から何かをつくるような
想像力と創意工夫が生み出す新しい光
この世界を 明日、照らす光
感性だよ。
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帰り道は まっすぐ
家まで続く
ほら 悲しいことなんてもう見えないよ
それより 大事なことがある
若さを言い訳に 僕は 汚れた
オレンジひとつ
窓の外で
地平線の水底へ
消えてゆく
僕は泣かなかった
でも笑えなかった
それも本当なんだよ
だから何も言わないで静かに眠らせて
夜の闇の中にも光はあるんだよ
たとえばそれは 誰かの優しさや
ありふれた 思いやりだったりするよ
自分ばかり 見てたらわからない
月は ロールケーキ
断面には大きな
苺やバナナを入れて
クリームはたっぷり
僕は 泣けなかった
強がってばかりいた
強くなんてないのに
涙を流すことを恥ずかしがる弱虫だった
ああ もう どうすればいいんだろう
世界は 僕に 何を望んでいるんだろう
大げさに考えてはまた迷路の中 振り出しから
オレンジひとつ
窓の外で
地平線の水底へ
消えてゆく
僕は泣かなかった
でも笑えなかった
それも本当なんだよ
だから何も言わないで静かに眠らせて
おやすみを言うよ
すべての悲しみに
サヨナラを言うよ。
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寂しいのは 悲しいのは なんでだろう
当たり前なことさえ 素直に受け止められない
僕は 悩みの中 迷いの中 世界はわからないことばかりだなあ
浅い 睡魔に 舟を漕いでいる
僕の意識は うざったい微熱におかされて
あるべきものを ありのままに 見つめられない
僕は 朝の名を 夜の名を 呼べないよ だって何も知らない
ゆるい 傾斜に運ばれて 玉が転がる
複雑なからくり仕掛け 行き着く先は
最初から決まっている 静かなる闇の水底だ。
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人であるという 確かな証を見せてみろ
通り過ぎる人たちは人の形をしていない
醜い化け物を 猛る獣を 内に飼っている
愛が 育った 庭には誰ひとり触らないで
汚れることを知らなければ 人にはなれない
だから 愛は 痛みを伝って 届く まだ無傷の心に
人になるために 生まれてきたなら
人になるために 傷つきなさい
人であり続けるそのために雨の冷たさから 人の痛みを読みとりなさい
生まれた瞬間から 人は人ではないんだよ
生きていく中で人というものを知っていくんだよ
人と呼ばれてる 人が人でなしに見える
誰かの心が 僕の心を映す鏡になるなら
僕の心も 誰かの心を映す鏡になるだろう
きれいに育った 子供は豊富な知識を持っている
きれいごとのような何かのマニュアルのような 生き方をしているおまえだが
ほらね 涙は まっすぐに流れて おまえに人だと教える
人と人とが 重なり合いながら
お互いの邪悪さを 打ち消し合う
人でなしと 蔑まれた時 胸が少しでも痛むならまだおまえは人だ
汚れてしまった心はずっと汚れたままだけれど
人らしくありたいと望むなら 先ずは善と悪を見極めろ
人になるには人の身になって痛みを 知って人を思いやれたときはじめてなれる
人を傷つけても何ひとつ得られない
でも不思議に人の為になれたらとてもうれしい
人になるために 生まれてきたなら
人になるために 傷つきなさい
人であり続けるそのために雨の冷たさから 人の痛みを読みとりなさい
生まれた瞬間から 人は人ではないんだよ
生きていく中で人というものを知っていくんだよ
そうして 知り得たものが 君という人間を形成するんだよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
生きているという
確かな 呼吸が
この世界の中から
きこえてくる
なんだか わからない偶然に導かれて
願ってもない 命が
望まれて生まれた
皮肉だなと笑うのは僕の本音だ
でもおめでとう
生まれてきてくれて
今日という日は あなたにとって特別な日です
花の末路を知っているから 僕らは
人の生き様を見て指さすことは
めったにしないのに
時に何かを大きく間違って 僕らは
同じ定めの 花の小さな失敗を
あざ笑っているんだ
それを美しいと言うのなら
この世界に 美しいものなんて何ひとつ無いと思う
咲き続けるという
難解な 呼吸は
時には乱れてしまう
気づかれるかな
名前のない夜や朝に 咲いている
同じように 名前のない 僕らはただの花だ
散らかしたすべてを何度も片づけるような
繰り返しが人生なら
僕らは あまりに滑稽じゃないか
花のすべてが美しいとはかぎらない
醜さも併せ持っているから美しい
そう思うんだなあ
君という花も 僕という花も みんな
それぞれに今に咲いているなら
何も違いなんて無い
同じという言葉は あまり好きじゃない
けれどそれが一番妥当な言葉だよ
僕らは 総じて 単なる人だから
ああ 目を閉じて
耳をすまして 見つけた答えだけが 闇に光を差すことが出来る
花の末路を知っているから 僕らは
人の生き様を見て指さすことは
めったにしないのに
時に何かを大きく間違って 僕らは
同じ定めの 花の小さな失敗を
あざ笑っているんだ
それを美しいと言うのなら
この世界に 美しいものなんて何ひとつ無いと思う
すべてが醜いなら僕も醜い
すべてが美しいなら僕も美しい
誰ひとり その概念からは外れない
総じて 単なる 花だから。