詩人:どるとる | [投票][編集] |
記憶の中に
しまい込んでるもの
ひとつ残らずに
思い出と呼べるかい
花びら降るように
時が満ちていく
命に注がれるのはいつかあふれる
運命という名の短すぎる永遠
それは見紛うことなきあざやかな場面
見つめつづけることは出来ない
太陽のようなまぶしすぎるほどの光
それは 忘れ得ぬあざやかな場面
透明なその輪郭をなぞるのは意識
イメージするのさ未来染める絵の具
塗り残しのないように染め上げよう
たとえるなら色だけど色じゃない白
それを染めるのは頼りないこの指先
音と音をつなぐように ひとつにするのさ
いつかこの世界を
その音が 染める日を待ちながら
それは見紛うことなきあざやかな場面
見つめつづけることは出来ない
太陽のようなまぶしすぎるほどの光。
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何かを 悼むように
何かを 弔うように
夜は過ぎていく
焼ける 魂 香ばしい匂いが明日へ運ばれていく
誰かを 看取るように
誰かを 憐れむように
魂は散り散りこの世に生まれ変わる為の 長い旅へ出る
ああ 生まれてはまた死にゆく そんな当たり前を 笑うな
僕は ゆく 何もない
真っ白い園へ
花々も咲き乱れ 悲しみのない空へ
僕は ゆく 僕だけを愛してくれる 人へ
会いに行く 命などもう 意味はない
食らいつくした日々の前菜の皿の上
まだ苦手な野菜が 残ってる 指差すのは
もうひとりの僕だ
最初から 僕らは 死んでいるのも同じだ
一本道の平行線を辿った先には終わりが待っている
くたばるために
息をする
消えゆくために
存在する命
安らぎなどは
巧みなまやかし。
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肩越しに聞く雨音
そっと濡らすのは
はみ出した弱さ
さらけ出した傷跡
ふしぎに痛みはない
重ねた 日々を
積み上げた功績を
崩す終わりが
連れてくるさよなら 絶望に沈んだ人たちの歌声が移ろう
記憶の抜け殻水面にただよう
空蝉の 中に 意識を埋めて 何かに
悲しんでみせる 僕は静かに流れる涙を
遠く遠く見送って
長らく開けていた
扉をそっと閉める
また会う日まで
また会う日まで。
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夜は どこまで行っても夜なのに
終わらない闇の中で 逃げ隠れする
僕は弱虫だね 笑うことにさえ勇気を必要とする
心がうまく ついて行かないんだ
わき上がる悲しみが言葉になんかならない時には
ただ月明かりのように 僕を照らしていて
なんとかなるっていつも思いながらも
どうにもならないってわかっているよ
そんなときは静かに目を閉じる 余計なことを言いそうな口をふさぐ
目の前にそびえ立たせた壁は
社会という現実から逃げるための壁で
見たくない物から目をそらすために拵えたのに
目をそらしても現実はすぐそこにある
たとえば今僕が生きてる世界がすべて出来合いならばこの悲しみも予定調和なんだろうか
なんとかしたいって思っているだけで
どうにもできないと僕は知っている
どうしようもないね 自分で自分を情けなく思う またひとつ夜が明ける
そして 開けたくないドアを開ける
踏み出したくない一歩を無理やり踏み出す
生きることだけがすべてだと言い聞かす
生きることだけが正しいんだと思い込む。
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大好きなあなたに伝えたい言葉は
いつも 恥ずかしさに隠れてしまう
ありふれた誰かを思う気持ちなのに
そこに好きっていう気持ちがあるだけで
なんでだろううまく言えなくなる
こんなにも あなたを思っているのに
目を閉じても 耳をふさいでも
何も見えない 何も聴こえない
探している物は どこにあるんだろう
ふと立ち止まる帰り道の途中 考えてた
思えば思うほどに切なくなる
恋は盲目というけれどどうやら
本当みたいだね 何も見えなくなる
ほらね 見える世界がまるでぼやけてる
あざやかに染まってる夕暮れの空
重ねるように浮かべてる君の笑顔
何をしてても 君のことばかり
今頃君は 何をしているんだろう
恋という気持ちに気づいてしまった
たまらなく恥ずかしいけどうれしいんだ
誰もが通る道だと誰かが言う
僕も今その道を通っているのかな
だけど単なる通りすがりの恋じゃない
そんな気がする だって君が好きだから
目を閉じても 耳をふさいでも
何も見えない 何も聴こえない
探している物は どこにあるんだろう
ふと立ち止まる帰り道の途中 考えてた
あなたの声だけが 僕を呼んでいる
テンポの悪い物語読んでるみたいさ
でも ゆっくりでも確かに読み進めてく
今日こそは言うんだ あたためてた気持ち
なんでもない君の優しさに 気づくと ポッと頬を染めている
それが恋なんだね
それが恋なんだね。
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ひとつ電車を乗り過ごして
終電間近の電車に飛び乗った
僕の心は 闇のよう つかみどころがないんです
自分の 行き先さえわからない
どうすればいいんだろう僕はいよいよ途方に暮れた
何もないさ 頽廃した世界の姿 映すような死んだような未来
瓦礫の下に埋まる思い出 すべてのサヨナラが集約した未来
希望は死んだ。
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あなたが教えてくれたことは数知れず
その中でも 人を愛することを学びました
人を傷つけることの愚かしさを
交えながら どれだけ人を愛すことが
素敵なことかを教わりました
人間として正しいことを出来るのが
一番だってあなたは優しく笑うから
あなたが教えてくれたことは 僕もいつか誰かに教えてあげることだ
この世の中は正しいことを隠したがるそんな腐った顔をしているけど
そんな世の中だからこそ 正しいことを叫びたいのさ
あなたが教えてくれたように僕もわからない人に教えたい
ありがとう。
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ひん曲がった心は
正しさを貫くために
少し頑固になる
僕の意思は頑なで
石のように無口で
ひねくれた心だけど
何より まっすぐだ
僕は愚かで 浅はかな人間で たまには
嘘もつくんだけど
落ちこぼれなんて
呼ばれたりするけれど ちゃんと性根は
人間の形をしている
常識の上に胡座をかいてる 守られていることさえ知らずに
若さがそうさせるのか
まだまだ闘いたくて
研ぎ澄ました正義で
悪に拳を向ける
心はまるで スポンジで いろんなものを吸い込んでいく
見るもの聴こえるもの あらゆるすべてを吸い込んだ心は自分で判断する
何が悪で何が正しいのか いつの間にか僕は選ぶことの出来る大人の形をしていた
僕はまだまだ ちっぽけな子供で たまには
悪に走るんだけど
落ちこぼれなんて
とんでもなくて ちゃんと魂はハートの形をしている
人間の形をしている。
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どんなものにも 命が宿っている
君は知っているんだろうか
尊いその一呼吸が未来までも
果てなく繋いでいくってことを
形あるものは 壊れてしまうよ
時間が経てば腐り果ててしまうよ
だからその儚い一瞬を抱きしめるんだ
ばらばらに砕け散って 旅に出た
いくつもの命が 誰かの中で
光あふれる世界を目指して
やっと出会えたのがあなたなんだね
はじめまして 私があなたのママです
はじめまして 僕があなたの子供です
恥ずかしいことじゃないよ
素敵なことさ
みんなそうやって生まれてくるんだ
ほら朝日が まぶしくて目を伏せる
その時、思うよ
ああ僕は生きてる
飛び出した 白いおたまじゃくしが
早くカエルになりたくて飛び跳ねる
覚えていますか お腹の中で動いたこと
少し 苦しませたようですね
でもあなたがつけてくれた名前は
世界でただひとつの光り輝く宝物
世界でただひとつの僕という名前
自分で 殻を破って
広い世界に顔を出したあの日から
少し時間が流れた
僕は今も僕のまま
そしてあなたは僕のママです。
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すべてに答えを出したくて
でも歩いていくうちに気づいたんだ
すべてに決まった答えがないことを
だから僕はまだ
同じ場所で立ち止まってる
今日から明日へ進めない
わからないすべてに 得体のしれないなにかに
行く手をふさがれている 真夏の暑さが魅せる蜃気楼かなあ
遠くまで おんなじ景色が連なって
まるで鏡の中にいるようだ
世界の果てまで僕で埋め尽くされてる
庭には綺麗な花を咲かせて
家の中は散らかしっぱなしさ
見えるところには気を遣うのになあ
見えない部分は
手をつけない 面倒だから
枠から少しもはみ出せない
狂ってしまいそうな暑さ続く 陽射しは容赦なく
肌に突き刺ささる まるであの日見た陽炎
時間をかけて 焼き尽くすんだろうか
記憶が思い出へと変わるように
日記のページに描かれた青い空と白い雲
わからないすべてに 得体のしれないなにかに
行く手をふさがれている 真夏の暑さが魅せる蜃気楼かなあ
遠くまで おんなじ景色が連なって
まるで鏡の中にいるようだ
世界の果てまで僕で埋め尽くされてる
暑さのせいで 視界がぼやけている
すべての平行が斜めっている。