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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[5543] 鳥の歌
詩人:どるとる [投票][編集]


ああ 見えないものにも羽根があって
勝手気ままに空を飛ぶ 空を飛ぶ

ああ 無意識の中をただようわがままが
鳥になって 空を飛ぶ 空を飛ぶ

悲しいよと鳴く人に僕は本当に悲しいのかと聞いてみる

羽根は所詮 飾り物の張りぼてさ
空を飛んだような自由になった気になってるだけだよ

人より少し遅れて間違い探しをしよう。

2014/07/18 (Fri)

[5542] かさぶた
詩人:どるとる [投票][編集]


そのからだを 燃やすみたいに
包んでるぬくもりは生きていることを確かに教えている

それさえ疑ってしまうなら何を信じて
自分の存在を肯定すればいいのか

何もない週末に ふとベランダから庭に目をやれば
いつか蒔いたひまわりの花が咲いていた
青空の中で笑うように揺れていた

傷跡の上に傷跡を重ねてく
まだ治らないうちから傷跡は増えていく

下手くそな慰めはいらないと強がって
意地を張ってた僕は気づけば独りだった

そして剥がれたかさぶたの下からのぞいた涙が心を陽にさらした

暗闇に手を伸ばすみたいに
何かおっかないことに飛び込んでいく勇気が僕にはあるか

傷つくことを恐れているばかりじゃ
何も手に入れられないことを知ってる

当たり前のように目の前にある世界が
昨日までだと知ってしまったとき
僕ははたして笑っていられるだろうか
ねえ教えてよ

今日という日が明日という日を
追い越していく 追い抜いてゆく

でもまだ僕の中では今日は完結してなくて
もどかしさを残したままの昨日がある

なんとなく歩いてきた日々の途中に大事な何かを置いてきた気がする

「生きる痛み」と闘いながら
僕は何を探しているんだろう
いつも今ひとつ足りないような
歯抜けの思いで

傷跡の上に傷跡を重ねてく
まだ治らないうちから傷跡は増えていく

下手くそな慰めはいらないと強がって
意地を張ってた僕は気づけば独りだった

そして剥がれたかさぶたの下からのぞいた涙が心を陽にさらした。

2014/07/18 (Fri)

[5541] カレンダー
詩人:どるとる [投票][編集]


めくられていく季節の頁
桜が咲くのは春だから
葉が色づくのは秋だから
白く染まるのは冬だから
緑が繁るのは夏だから

窓から見える景色は日々変わりゆくものさ
だけど僕は何も変わらない
僕はいつまでも僕だから

終わりゆくものが終わって
始まるべきものが始まって
またなつかしい風が街並みを包む

昨日続きで今日が始まって
今日の続きであしたが始まる
当然そこにはもう会えない人や
もう見ることのかなわない景色もある
だけれどそれでいいんだ
時は止まっているものじゃなく流れてくものだから

だって僕も君も破り捨てられるカレンダーの中に並んだ数字です

遠ざかる誰かの背中に見えたよ
涙が流れるのは悲しいからだけじゃない
うれしいときだってこの頬を伝うよ
憎しみの中にも愛しさが隠れている
一概にすべてを決めつけられない

何かをなくしながら生きてるようでも
代わりに何かを手にしているんだ

「死にたい」というのは「生きたい」っていうことの裏返しなんだって気づいてるかい?

昨日続きで今日が始まって
今日の続きであしたが始まる
当然そこにはもう会えない人や
もう見ることのかなわない景色もある
だけれどそれでいいんだ
時は止まっているものじゃなく流れてくものだから

だって僕も君も破り捨てられるカレンダーの中に並んだ数字です

そうさ僕も君も 終わりゆく この世界というカレンダーに刻まれた命です。

2014/07/18 (Fri)

[5540] シミ
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名もない今日の中
名もない朝や夜が

たったひとつの命の前を通り過ぎてく

今日はひとつなのに
いくつもの悲しみが
いくつもの寂しさが
通り過ぎてく

うれしいも悲しいもない ただ空っぽな頭で
ふと思った 「死にたいなあ」

そんないい加減な気持ちじゃないはず
それなのに 僕は限りなく汚れていく

名もない人ごみの中
人が集まれば
名前などつけられよう筈もない

あなたもひとり僕もひとり
誰もひとり 寂しさを必死に押し殺してる


笑ったり 泣いたりすることさえ疲れたから
終電間近の電車に飛び乗って

なんとなく窓の外の過ぎ行く景色を見てた
いつの間にかほほを伝う涙が心を洗った

そしてやっぱりたどり着くのは
どうして僕は
なんのために僕は
生きているのか
そんなことで

うれしいも悲しいもない ただ空っぽな頭で
ふと思った 「死にたいなあ」

そんないい加減な気持ちじゃないはず
それなのに 僕は限りなく汚れていく

でもそのシミは僕が刻んできた足跡のひとつだ。

2014/07/17 (Thu)

[5539] 最後の光
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暗闇に手を伸ばして
実態のないものをつかむ

透明なコップに見えない時が満たされてゆく
溢れ出すまで

たとえばそのコップに穴が空いていてくれるなら
水は永遠にたまらないのに
そんなことを考えてしまうよ

たとえば君があと数ヶ月の命だとしたら
それまでの短い時間をどう過ごすだろう

わからないが積み重なってゆくだけさ
最後に見る光は誰を照らすのだろうか

今はただ 泡のように消えていく
時を遠く見届けている

無音と暗闇の中
生まれるのは光に代わる何か

何もかも許されたい
何もかも許してほしい
いつか消える自分の運命を見つめてる

わけもなく ただなんとなく
生きている今を憎む人の心には
僕とは違う絶望が巣くってる

たとえばすべての人の命に差があるなら
僕の命は消えたら意味が無くなるのかな

胸に杭を打たれる思いさ 時が経つほどに
この心は言い知れぬ不安に満たされる

遠くの空で一羽の鳥が飛び立った
羽根を休めていたんだね

僕も行こう そろそろ行こう
新しいあしたを見つけに行こう。

2014/07/17 (Thu)

[5538] ひなげし
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そっと咲いている花にもあるんだよ
誰かを思う君の心映したような

ひなげしの花がいつもの道に咲いてる

泥だらけになるのも構いもせずに
誰かのために傷つくことも厭わず

走れる人は自分が偉いなんて思わない
ただその人に笑っていてほしいってそれだけです

帰り道足元に伸びた影を見つめてたら
僕が俯くと影も同じように俯いた

僕の本当の気持ちがあふれ出したよ

たとえば優しさや愛なんてものが
この世界に当たり前にあったなら

きっと今みたいに誰かのことを思う気持ちをこんなにも噛みしめることはできないね

そして気づくといつも僕一人だけが悲しいように
思ってる僕がわがままに誰かを羨む
だけどそれはその誰かも誰かを羨んでいる

泥だらけになるのも構いもせずに
誰かのために傷つくことも厭わず

走れる人は自分が偉いなんて思わない
ただその人に笑っていてほしいってそれだけです

ただ誰もが同じスタートラインに立っていて
今という空を見上げている
その瞳に映るものはこの世界の汚さではなく
きっとその汚さの中に光り輝く きれいな人の心

ひなげしのような人を思いやる心。

2014/07/17 (Thu)

[5537] 手つかずのあした
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することをして
やることをやったら
何もすることが
無くなってしまった

空っぽの頭で考えてみたんだ
朝ご飯も晩飯にも手をつけず

手つかずのあしたを僕らはいくつも
抱えながら あるいは待たせながら生きてるんだよ

笑った拍子に涙がすれ違うように
流れ出すのは君の心をあした降る雨が濡らすからだ

所在なげに転がってる無口な小説の続きがまだ残ってる。

2014/07/17 (Thu)

[5536] 家路
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たとえば人の命が今日で終わるのなら
その命が最後まで寂しがらぬように

年老いた手に刻まれたしわの数は
夜空の星のように数えきれない

季節の窓からいろんな景色が見える
夕暮れ時には晩御飯の準備する母親の影が揺れてる

おはようを辿っていくと
必ずさよならにたどり着くのは
今日が明日へと明日が明後日へと
続いてる確かなあかしだ

僕は何処へ帰ればいいだろう
僕を誰が待っていてくれるんだろう
家路はいつでも果てまでも伸びている

僕はその道を歩いていくだけだ
僕は落とした笑顔をひろいながら
沈みゆく夕日を背に口笛吹くだけだ

手のひらで涙を隠すだけだ。

2014/07/16 (Wed)

[5535] 真夜中公園で
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なんとなくなんとなく真夜中に外に出て
冷たいドアノブをひねったんだよ

なんとなくなんとなく公園に来たんだよ
そしてブランコを漕いでいる
僕は漕いでいる

吐き出すと白いため息が 煙ってる
煙草の吸い殻 投げ捨て つま先でもみ消す

何もかもがうまくいかないなあ
涙がぽろぽろあふれてくるよ
言い訳する事を許してくれるなら
生まれてしまったからには間違いくらい許せよ

明日がもう目と鼻の先に近づいてる
夜明け前の公園に一人僕は世界から
一番遠いところで息をしている。

2014/07/16 (Wed)

[5534] カルテ
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延々転がってゆく
澱んだ闇の中を
僕らは頼る
よりあたたかな大地をもとめて

広がっては縮んで
繰り返す波の形
朝を連れてくるのは夜に違いない
笑顔に隠した壮絶な昔話

僕の存在を 声を出さずに叫ぶのさ
ここにいるよって 何かに抗って

幼い微熱にまだ魘されたまま
白紙のカルテの隅 おどるあがいた痕

易々持ち上げられて
上機嫌で笑ってる
たくさんの道化の中で僕だけは真顔で
世間を睨んだ

何を支えに今日を乗り越えようかなあ
わからないことばかりが散らかっている
正しさのふりした悪と向き合ってる

君の存在を裏づける確固たるあかしを
脳裏に刻みつけて 消えないように

雨上がりに見た虹のように 報われる
数少ない希望にすがりついた昨日がある

僕の存在を 声を出さずに叫ぶのさ
ここにいるよって 何かに抗って

幼い微熱にまだ魘されたまま
白紙のカルテの隅 おどるあがいた痕

上書きするように
未来は積み重なってく

そして真っ白なカルテは埋め尽くされる

思い出にも似たそそり立つ記憶の森。

2014/07/16 (Wed)
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