詩人:どるとる | [投票][編集] |
そして僕の暮らす
街に夜がおとずれて
ひとり僕は夕食をとる
すっかり疲れ果て
誰もがその足を家に向かわせ 帰路を辿る
何もなかったようで
何かがあった
そんな気がする
何も得ずにいるようで
何かを手にした
そんな気もする
とりあえず僕は夕食を残さず食べることにした
一生懸命 平らげたお皿はやがてきれいになり 花柄模様が顔を出し 僕は手を合わせて御馳走様をしたのでした
ただひとつの今日をのぞいて これからおとずれる全ての今日が僕の瞳に映っても
それは今日という今日とは 比べものにもならないほど似ても似つかない紛い物
だから今日は今日だけで終わりです
今日しかないもの
今日しか出会えない人たち
今日しか見れない空や表情
ひとつも残さず見れたかな ひとつ余すことなく出会えたかな
それだけが少し気がかりで 夜もろくに眠れない
だけど一握りほどの幸せが 僕の胸に生まれていた
それはちっぽけな始まりの系譜 幸せの福音
そして僕は言葉もなく 扉を閉めるようにそっと瞼を閉じたよ
特別なことはなくてもいいから今日みたいにただ穏やかな青空広がる明日があるように
世界があるように。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
空を見上げている
雲が浮かんでいる
色んな形に見える
僕は笑っている
君も笑っている
些細な日常の片隅に
所々輝く幸せのかけら
小さくたっていい
なんとなくでもいい
たまに笑って
時には泣いて
僕らは生きていく
それを幸せと思えるか
どうかで毎日の見方が変わる
ほらね、ありふれた毎日もそれを愛せる心が幸せを運ぶ。
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ひとりぼっちの夕暮れは なぜか悲しく見えます
足並みは重く けっして楽な道じゃない
だから時に泣きたくなって 命さえ重荷に感じます
それでも 生きることを選んだから
今、僕は傷だらけでも大地に立っている
雄々しい姿だろう
指差す人を蹴り飛ばせ
ひとりぼっちの月の夜 食器片付ける僕だよ
片付かない現実 尽きることのない悩み
だから時にむなしくなって 生きることが無意味に思える
それでも生きているのは自分のためさ
今日は悲しくても明日はきっと楽しい
そんなふうに思えば
雨降りの夕暮れも綺麗に見えます
綺麗に見えます
雨粒受け流す傘などないけれど 歩いていこう 雨の冷たささえ生きてる証と
強がりでも見栄でも
笑って 笑って
生きていこうよ。
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例えば泣いていた日があるのなら
そんな日もあるさと泣くだけ泣いたら
立ち上がって また歩き出そう 人生はまだ歩き出したばかり
そんな事もあるさとひと息ついたら
空を見上げて また歩き出そう 旅はまだ始まったばかり
そんな日も こんな日も あんな日もあった
そんな日が こんな日が あんな日があるよ
それが懐かしくてももう戻れなくても昨日のことのようでも
目の前につづく道を歩いていくのさ
そんな日もあったねと 涙は拭って
例えば泣いている自分見つけたなら。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
君が生まれてくるのを 僕は首をキリンさんみたいに長くして待っていたよ
君がはじめて僕のことをパパと呼んだ日は それはそれは嬉しくて ゾウさんみたいに声をあげて 笑ったよ
君と刻むはじめてのこと たくさんたくさんできたなら
幸せだよ これからもたくさんたくさんつくりたい
君といつかさよならする日まで 歳を気にせず 仲良く子と親で たまには喧嘩もしながら 寄り添って生きていきたい
君がはじめて生まれた日のことを話すとき 生まれてきて本当に良かった そんな言葉聞けたなら
僕はきっと君に出会えて良かったと
本当に本当に思うよ
涙も流しながらね
君とはじめて 長い間離れていた心を通わすことができるだろう
大事なこの世界でただひとりの僕の娘よ息子よ
世界中のパパから贈るよ ありがとう 愛してる。
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僕は僕が見えない
君も君を見れない
僕は僕に触れない
君も君に触れられない
何が本当か 嘘なのか
それさえ曖昧であやふやな世界の中
突きつけられた
出来合いのルールに
今日も縛られたまま
それを正しいと
ただバカみたいに
叫ぶ世の中がある
今日も飼い慣らされ
頭を下げている
鎖に繋がれた心
哀れみ嘆く僕らさ
偶像でしかない世界に価値のない歌でも
響くのならここに
迷いも少し交えて
愛さえ 歌おう
憎しみさえ 歌おう
いつか見えるまで
心の安らげる今日が
いつか見えるまで
雲ひとつない
澄んだ青い空が
青い空が。
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涙をしまって
おやすみを言おう
涙はしまって
愛を叫ぼう
笑顔じゃなくても
生きるように
本心じゃなくても
傷つけるように
涙をしまって
さよならを言おう
涙はしまって
ただいまを言おう
夜がそこに生まれる
朝は待ちくたびれて まだかまだかと
月を急かす
朝がそこに生まれる
夜が待ちくたびれて
はやくはやくと
太陽を急かす
ゆっくりのんびりとはいかないな
だけれど今日は少し穏やかだった
諦めたのかな 月も太陽も
なら僕も諦めて
走るのをやめて
歩こうかなと
思ったよ
涙をしまって
いい夢を見よう
涙はしまって
きらめく明日を描こう
やりきれなくても
進むように
嘘を重ねても
「好き」であるように
意味など最初から何もなく 策などないけれどただひとつだけ
愛してるが言えればいいと思ったよ
涙をしまって
おやすみを言おう
涙はしまって
愛を叫ぼう
笑顔じゃなくても
生きるように
本心じゃなくても
傷つけるように
涙をしまって
さよならを言おう
涙はしまって
今日に手を振ろう
また明日ねと
今日に手を振ろう
涙を引き出しの奥にしまって
また流れ出すまで
涙をしまって
涙をしまって。
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今あなたの目に映る世界より遠くの場所で
雨に濡れてる人もいる
晴れている空が嘘ってわけじゃなく
世界はひとつじゃないってことさ
時計を逆さまにしたような世界では
朝と夜が逆転して
今僕の見てる
青空の向こうでは
同じ空なのに
夜空があって
星も輝いてる
不思議だな
不思議だな
少しだけ
あの雨の一粒に聞いてみるのさ
あなたの今の気持ちを 些細な淋しさを
この雨の向こうで
泣いている君を
思えば僕も
泣きたくなる
この雨の向こうに
笑っている君を
思うと僕は
笑いたくなる
誰かの不安や
心配をよそに
僕は君を思うよ
僕には雨しか
見えなくても
君には優しい
空があるように。
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嘘をついたよ
自分に 他人に
嘘をついたよ
嘘をついてた
今日も どこかで
嘘をついてる
今日の どこかで
嫌われぬように
強がっていたよ
悲しくないふりで
闘っているようで
逃げていたよ
僕は嘘つきさ
君も嘘つきさ
みんな嘘つきさ
誰もが誰かに
今日も嘘をつく
それは時に
自分を守る嘘になる
それは時に
人を傷つける嘘になる
嘘をつくことで
何かを守れるなら
僕は嘘をつく
嘘をつくことで
何かを傷つけるなら
僕は本当のことを話そう
嘘をつくことが
あなたにとってのプラスになるなら
僕は黙って嘘をつく
嘘をつくことが
あなたにとっての重荷になるのなら
僕は賺さず嘘をつくあなたを止めるよ
嘘は必要なのかな
嘘は不必要なのかな
この世界に
嘘は正しいのかな
嘘は間違いなのかな
人にとって
千の嘘をついても
百の本当しかないのならわずかな百の本当は嘘に埋もれてしまう
だから千の嘘をつくのなら本当のことだけを掲げて生きたい
だけれど嘘をつかないといられない時も確かにある
だから僕は
嘘をつくんだよ
自分に 他人に
嘘をつくんだよ
少し痛みを伴うよ
少し後ろめたさを孕むよ
だけど嘘をつかないとならない時には
僕は嘘だとわかっても安易に責めないよ
その嘘が君の明日を変えるなら
その嘘が君の心を救うなら
僕は喜んで嘘をつかれるさ。
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あくびひとつで
景色が変わる
穏やかな風
吹くような
そんな幸せ
連れてくる
ばかだっていい
計算は要らない
生きるには
頭の良さより
心の美しさが
必要だよ
あくびひとつで
世界が変わる
優しい顔
浮かぶような
そんなイメージ
あふれてる
弱くなんかない
ひとりのさみしさを
知っているのなら
それは強い人の証
心に余裕を持たせて
あくびひとつで
景色が変わる
あくびひとつで
世界が変わる
そんな考えも
あるんだよ
そんな考えが
あるんだよ
泣き止んだ空に
虹が架かるように
君も涙流したら
笑ってごらん
明日が少しだけ
見える
希望が少しだけ
見える
あくびひとつで
自分が変わる
あくびひとつで
風向きが変わる
そんな気がするよ。