詩人:どるとる | [投票][編集] |
夏草が揺れて 畦道に 落ちた小さな影
雨上がりの道に小さな海のような水溜まり
花火をやろうって言い出したのは君
線香花火の最後の一本の切なさ
じゅわっと 落ちるまでの短い永遠
今、私の夏が静かに終わる
ほら 遠くなってゆく蝉の声
さよならを 言うように
目を閉じた暗闇に描く 思い出の場面
絵の具はないから モノクロの昔の写真みたいだ
バケツに放り込まれた花火の残骸
夏のあとしまつをするように片付ける
思ったよりも呆気ない夏の終わり
今、またひとつ 夏の命が息絶える
ほら うつせみをそっと形見のように
心に何かを 置いていく
花火をやろうって言い出したのは君
線香花火の最後の一本の切なさ
じゅわっと 落ちるまでの短い永遠
今、私の夏が静かに終わる
ほら 遠くなってゆく蝉の声
さよならを 言うように。
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目を閉じても消えない君のあの笑顔
つまらない意地を張ってしまうばかりに
一番大切なはずの人を傷つけてしまう
ほら見たことか後悔に苦しんでる
夕日の沈む前に 君に謝らなくちゃ
また昨日のように 笑いあいたいから
堤防のそばを走る波 音を立てて消えた
水面に影を落とす名前も知らない鳥
息を巻いて 走るよ風よりも早く
全部嘘だったんだ 君を嫌いだなんて
一度の「愛してる」だけで 許されるほど
簡単なことではないけど 謝らせてよ
ビー玉の中に 海が閉じ込められてると
信じてた子供のときならまだ夢の中
自分より大切な人なんかいなかった
でも今は自分より大切な人ができたよ
どんな言葉なら 君を笑わせられるかな
いつもそればかり考えてるきりもなく
夕闇に先を越されるわけにはいかない
夜よもう少しゆっくり歩いてくれないか
散らかってる言葉 片付けてる暇はない
素直な気持ちをありのまま届けたい
一度の 間違いで終わってしまうほど
僕らの恋は ちっぽけなものだったのかな
ドアを開けて 数秒もしないうちに
僕は 泣いて君に抱きついてしまった
何を言ったのかも覚えていないくらい
僕はきっと寂しかったんだと思う
結局行き着く先は君を愛してる
そんなつまらない答えなんだよ
堤防のそばを走る波 音を立てて消えた
水面に影を落とす名前も知らない鳥
息を巻いて 走るよ風よりも早く
全部嘘だったんだ 君を嫌いだなんて
一度の「愛してる」だけで 許されるほど
簡単なことではないけど 謝らせてよ。
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空に飛びたがってる風見鶏は
飛べないことを知っている
だからせめてくるくると回るんだ
世界を 見渡すように
たった今から 始まるすべてに
終わりを告げて
ページを飛ばし読み
僕は風になりたい
手にしたばかりの好奇心を今こそ使うよ
走り出す理由を探すなら 走り出したあとでもできそうだ
迷ったままの イメージが翼の形になる
名前も知らない鳥の学名を調べる
あれはなんていう鳥だろう
その背中には 羽があるだろう
挑戦者の顔をしてる
失敗することなど最初から恐れない
成功する保証もない
でも失敗する保証もない
僕は 強がっていたい
弱気に負けるなら 意地っ張りを貫くよ
勇気を 翼にして 飛んでいくイメージで滑空飛行だ
今は下書きのままの 夢を頑なに仕上げてく
このありふれた 使えなさそうな
ちんけな思いさえ 翼の羽の一枚になる
積み重ねた後悔 引きずってる重たい闇
あらゆる葛藤のつめあと
すべてを 払拭
マントを翻すように 心機一転の時を迎えた今の僕には恐れるものなどない
僕は風になりたい
手にしたばかりの好奇心を今こそ使うよ
走り出す理由を探すなら 走り出したあとでもできそうだ
迷ったままの イメージが翼の形になる。
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誰かの刻んだ足跡をたどって行けば
いつか たどり着けるかな
近頃の僕は 生きるのも辛くて
ため息つく度に 寿命の縮む思いだ
踏み出した その場所に優しさはありますか
たとえば なりふり構わず 誰かを思うような
この思いの向こうには また誰かの思いがあって
似て非なる背中あわせの思いと思いが 握手をして
暗い夜の 中でも誰かの足元を照らしながら大丈夫だよって 励ましてる
伏せ目がちな眼差しを空に移してごらん
太陽は 君が悲しいときも ちゃんと照らしていたんだよ
太陽は 感謝されなくてもちゃんと照らしているんだよ。
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中央線の窓から 雨上がりの街眺めてた
パステルカラーに染まる街に唇を寄せた
油断すると恋をしてしまいそうな景色
颯爽と駆け抜けるあなたが見えるよ
彼と彼女の恋は 宛もなく もどかしく それでもなんとなく続いていく
旅立ちを迎えた君は覚悟を決めて
新しい明日へと走り出してく背中
手にしたのは 遠い街へ行くための切符
夢を叶えるまでは戻れない旅になりそうだ
雨上がりの街の匂いと 折り畳んだ傘
ここからは少しマイペース 慌てず行こう
誰かの 書いたあらすじじゃないから
たまには 脱線するように寄り道もする
自信ありげに 開いた傘 頭の上でダンスをする雨粒が踏む軽やかなステップ
遠い昔から知ってるような メロディラインを思い出す
ラララ つい口ずさむ
スタートの合図なんて 待ってられない
今がいつでも歩き出すタイミング
電車の窓から見える見慣れた街も
どこか 出会ったばかりのように 僕らを迎える
お日さまの匂いのシャツで出かけよう
気分をがらっと変えて 気ままに行こう
ささやくような風に揺れる
屋根の上の風見鶏はくるくると
この好奇心は どこまで僕を連れていってくれるだろう
今から楽しみなんだ
旅立ちを迎えた朝に覚悟を決めて
新しい明日へと走り出してく背中
手にしたのは 遠い街へ行くための切符
夢を叶えるまでは戻れない旅になりそうだ
雨上がりの街の匂いと 折り畳んだ傘
ここからは少しマイペース 慌てず行こう。
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思い出し笑いの理由を 思い出していた
小説にしたら きっとすぐにベストセラー
そんな 劇的な毎日を生きてはいない
ため息の数だけなら世界一だ
誰かが空に放った 風船は
綿毛のように 飛んでいく宛もなく
空に刻まれた足跡をたどるように
導かれるまま 何度も明日に 舞い戻る
ひらり 風に踊るシャツの裾
羽のように 空に飛びたがっている
今にも笑いだしそうな 泣きだしそうな
どっち付かずの表情で
日々書き足されていく日常描写
吐き出したとたん 空に舞い上がる言葉
まばたきひとつで不思議だな その度変わって見える 世界の全景
ありふれた風景も 視点を変えればあら不思議
雨降りも晴れ渡る
握りしめた鉛筆で 何を書こうか
物語の続きが世界の終りを目指して走る
見上げた空を 切り裂く白い翼のセスナ
鳥のように 自由に羽ばたいていく
くるり 時計が回って また振り出し
地球の反対側では朝と夜が逆さま
今にも 笑いだしそうな 泣き出しそうな表情で
日々書き足されていく日常描写
吐き出したとたん 空に舞い上がる言葉
手のひらに 落ちた花びらの一枚に
息を吹きかけ 飛ばす
あんなに遠く もう見えない
この世界にあるすべては
似て非なる 羽を持っている
空に飛ぼうとしたときにだけ羽は開く
だから 吐き出したとたん 舞い上がる言葉。
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思い出し笑いをしていたら
何を笑っているの?って顔の君
あの空の先を見ていたんだって
僕は 曖昧な返事をしたんだ
手渡された明日はプレゼント
報われるかな 報われないかな
今日流した涙を どう笑顔に変えるか企んでる
そんなほんのささやかな 目論みは
やがて ちっぽけな綿毛になって
明日の君へと 手を伸ばす
つまらないものですが どうか受け取ってね ギフト
物語の続きを知りたくて
ずるをして 飛び越えたい境界線
目に見えない 壁に翻弄されてる
いつの間にか僕も人真似パントマイム
降ってくるように 託されたプレゼント
拒めもせず 捨てられもしない
大事そうにしたり蔑ろにしたり いそがしい
君を笑わせるための僕の小さな 目論みは
的を外れた 矢のように失笑を呼ぶ
空振り三振 バッターアウト
それでも優しい君は 笑ってくれる それがギフト
七色をした風船に くくりつけた夢を
空に放った 今日
割れちゃわないかな
あわよくば誰かが拾ってくれるといいな
ちょっと先の未来に 送った宛名のない手紙
そんなほんのささやかな 僕の目論みは
やがて ちっぽけな綿毛になって
明日の君へと 手を伸ばす
つまらないものですが どうか受け取ってね ギフト
君を笑わせるための僕の小さな 目論みは
的を外れた 矢のように失笑を呼ぶ
空振り三振 バッターアウト
それでも優しい君は 笑ってくれる それがギフト
人差し指と中指でリボンをほどく
開けてビックリ玉手箱
種明かしだ
もったいぶった割に簡単な思い
それはアイラブユー。
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思い出し笑いで涙を蹴散らした
ひとひらの花びらに歌声を乗せて
唐突に始まっては終わるストーリー
ただ今はひたすら足がかりを探してる
明日の今頃僕らはどこで何をしてるだろう
想像はどこまででも広がってゆく
ありがとうを伝えたいのに
言葉にならないときには
じたばたしたって始まらないから
思い思いの スタンス
それぞれのニュアンスで
ここぞってタイミングに
ふいに手渡すギフト
「これからもどうかご贔屓に」
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銃を鉛筆に持ち変えて 綴ってみようか 誰かへの思いを
多分筆無精だから きっとうまくは書けないと思う
それでもいいのなら つなげていくよ 小説を書くように
物語は 積み重なってく
優しさと少しの 独断と偏見で
それ以外はない
今ある 気持ちに退化や進化などない
生き物でもない気持ちは それ以上でもそれ以下でもない気持ちを歌っていく
心の真ん中に ある理想って邪魔な 衝立を取っ払って
知りたいのは君の本心だけ 醜ささえも受け入れてやる
傷痕に咲く花を知っているかい?
多分 それが幸せってやつじゃないのかな
目には見えない だけどそれは幸せのイメージに最も近いんだ
引き出しを開けるように心の中を探ってみるんだよ
言葉足らずなのは昔からで 今さらごめんねとかいらない
ページが足されてゆく度に
思い出は 厚みを増してゆくんだ
間違いなく昨日よりかけがえない
博物館にある 恐竜の骨格のように
その骨の一つ一つにあるドラマ 思い出すように眺めてる
赤ちゃんが手にした玩具ではじめて音を鳴らした日に
僕は思ったよ 赤ちゃんはその玩具の使い方を覚えたこと
その音は 君に教えている 生まれてはじめての出会いを
食用牛につけられた番号みたいに 記号化された世界に 生きていたくない
僕は名前があるんだよ 呼ばれたい
そして君の名前を呼びたいと思う
よく通った少し間延びした声で
心の真ん中に ある理想って邪魔な 衝立を取っ払って
知りたいのは君の本心だけ 醜ささえも受け入れてやる
傷痕に咲く花を知っているかい?
多分 それが幸せってやつじゃないのかな
ずっと未回答のまんまだった空欄に入れるべき答えじゃないのかな。
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世界中から もしも戦争って概念が消えたら
きっと誰もが 笑って暮らせる 毎日がやって来るんだろうな
電車の隣に座る 人にさえ気を遣えない僕ではあるけど
たまには 使ってない優しさを 誰かのために 貯金箱から吐き出したいなあ
目を閉じて描く幸せのイメージはきっと
誰かが笑ってる そんな姿なんだろう
何のための争いなのか 何をそれほどまでに
欲しがっているのか
地球って盤上で命を駒にした
つまらないゲームは続く
次はお前の番だ チェックメイトだよ
ポーンは ナイトを見つめて 羨ましがったりするんだ
自分にはないものを持ってるから
ナイトはナイトでポーンを羨ましがる
この前、小さな子供が 100円を交番に届けた話を聞いた
僕なら 猫ババしちゃうだろうなって 考えたら とても恥ずかしくなった
一年をざっと計算すると365日あるけど 365日もあると考えるか それしかないと考えるかで
世界の 見えかたが変わってくんだ
万華鏡覗いたときみたいに 星が目の前に散らばって
素朴な夜を ささやかに飾りつけてる
つまらないゲームは放棄して
価値のないキングなんてくれてやるぜ
同じ今を生きてても
全然違う今を生きてる
僕らはすれ違うことさえもないのかな
遠く離れた場所で 名も知らない 人の胸中を思う
どうかしているなあ
目を閉じて描く幸せのイメージはきっと
誰かが笑ってる そんな姿なんだろう
何のための争いなのか 何をそれほどまでに
欲しがっているのか
地球って盤上で命を駒にした
つまらないゲームは続く
次はお前の番だ チェックメイトだよ
僕はそっと 土俵から飛び降りてゲームからも降りる。