詩人:どるとる | [投票][編集] |
ホームランは僕にはうてやしない
きっとあきらめるのだけは誰より早い
1日が今日も静かに終わってゆくんだね
目を閉じてしまえば次目を開けたらそこは明日の朝だね
夜の闇の向こうを
見つめて
一番星を見つけてから
寝るのが僕のいつもの習慣なんだ
結果は残せそうにないけど僕なりに頑張ったんだぜ
それだけで笑えるなら幸せじゃないかな
結果がすべてじゃない
大事なのは過程だよ
少なくとも僕には
たとえばノーカウントで終わった9対0の
試合のように
きっと僕の中には
悲しさがどうしようもなく残るけど 残るけど
それでも
誰かが思うより
僕は真剣だったのさ
僕だけが知ってる
決死のフルスイング
目には見えない
血がにじむ攻防
記憶にまで残る傷跡
今も癒えてないんだ
あの涙は僕にしかわからない結果が見えても 走りつづけた者の唯一残せる見えない証なんだ
笑いたいなら笑えばいい
笑わせておけばいい
さんざん走り回ってたどり着いた真夜中に振りかぶる
無音のパントマイムは右中間をぬけるフルスイング
ホームランより
勝ち取るのは難しい
これが僕の言い訳さ
負け犬の遠吠えにしか聞こえないのは
あまりにも僕が不器用すぎるからだけなんだよ。
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路地裏で猫が眠ってる
涼しげな風が吹く夕方
どこからかおいしそうな夕飯の匂いがする
帰り道の途中で
道草する元気もなくなるくらいお腹がへったから
帰りましょう
帰りましょう
エプロン姿のお母さんの背中が軽快にまな板の上 野菜を切る音が聞こえてくる
ああ 特別なものはなにもないけど
ここには一生変わらないただの幸せがある
だから僕は今日もばかばかしいことで笑い
そして生きるのさ
ああ 人生はありふれているほど素晴らしい
今日も夕日が落ちてゆくんだね
そして夜は来るんだね
誰もが夢を見るんだね
だんだん大人になると忘れていくものもあるかもしれないけど
ずっとありふれていることが僕には幸せだから
金持ちとか億万長者とかになれなくても構わないから
そこにある変わらない笑顔と誰かの優しいおかえりの声と美味しい夕飯があればいい
僕を待つような
そんな心の広い
人が僕を愛してくれるならそれは素晴らしい人生だね
周りを見渡しても今はまだ見当たらない胸の打つ切なさが
涙になって流れても
明日を信じて
歩いていこう
ただいまという声を吐き出せば
おかえりという声がかならず返るわけじゃない
僕はひとりだ
だけれど泣かないよ
負けないよ
夕日が沈んで
あの頃みたいにお腹がへったらお家へ帰ろう
寄り道せずに
誰かが帰りを待つわけじゃない ひとりぼっちの毎日だけど
お腹がへったらしかたない
ああ 人生は考え方ひとつで素晴らしい
『なんとかなるさ』
気楽な気持ちでいっそ 歩いていこう
ため息までついてるのに自分を責めたってさらに落ち込むだけだよ
だから嘘ついても
悲しくないよと
ごまかす自分がかわいそうになるんだね
とりあえずはさよなら。
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今日も朝が気づけばそこにあって
時間はまるで風のように流れ
昼飯も食って
持て余した時間を
持て余している
悩める人の悩みなどありふれているけど
何よりもそれが
悩みなんだ
悩める人よ ますます悩み 悩める人は悩む
悩めるままに
悩めるままに
悩める人は悩む
それが悩める人。
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夢も理想もない
目標も行きたい場所もない もっぱら何もないつまらない人
そんな人でも愛してくれる誰かがもしもいるなら
全力でそう全力で
愛してあげるのさ
何もない人にだって
心はあるから 人を愛することができる
そして人を守ることができる できる
何もない人だけど
完全に何もないってわけじゃない
心があれば誰かを愛したり守ったりすることができる
そして誰かの笑顔を勝ち取ることができる できる
何もないけど
何もなくない
僕はそういう人
特別なものは何もないけど僕を 愛してくれるなら僕も愛すって それだけなんだ。
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流行り廃りの早い
この時代では
僕の言葉など
最早時代おくれなのか
技術なんて学んでない
学ぶ気もない
だけれどうまくなりたい
その矛盾が要因かな
僕はただ立ち止まる
夜の片隅 風に吹かれ
影をアスファルトに落として 俯くよ
時代おくれの言葉でもこの僕の言葉の中には涙があって笑顔もあってそして愛があって果てしない悲しみもあるんだ
うたうように
語るように
文字を生かす
生きる言葉で
ひとつひとつ
魂を込めて
世に放つ 時代など
さらさら考えない
僕が描く 僕の世界
嫌いになるならとことん
好きになるならとことん
割り切った結果をどうか。
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にこやかなるピエロが手を振る
もちろんそれは愛想笑い さもなければ嘲り
サーカスのような
日常に
サーカスのような
華やかさ
光と影
対になり
踊り狂う
愛想と愛想
嘘と本音
分別のつかぬ
脆弱な誰彼
ピエロは嘘つき
綱渡り上手は世渡り上手
空中ブランコ へたくそなフラメンコ
アンリマティスが描く目も鼻も口もない
人たちにそっくりな
仮面のような冷たい顔で僕を睨む人をひたすら憎む
さあサーカスは
はじまるよ
守りの盾も
伝家の宝刀も何もないまま
生傷がひらくのを
じっと待つように
耐え難い苦しみのその中で
僕は常に裏方
主役は遠い
悲しいサーカス
笑うべきピエロは
泣くしまつ
忌むべきサーカス
楽しむべき人生は
お粗末
そして言い訳は
ため息と混ざり
風に 消えるだけ。
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僕はもう愛想笑いなんてしたくない
お世辞もつまらない気遣いもしたくない
もう上も下もない
サラリーマンなんて
体のいい奴隷だろう
やめてやるんだ
脱サラリーマン
略して脱サラ
脱サラからはじまる第二の人生
これから僕に何が待つ?
これからどんなことがある?
苦労は覚悟してるぜ
涙も流す準備できてるぜ
だけれど不安は消えないんだぜ
新しい季節の中で
カレンダーは日々めくられていくのに
何ひとつ変わらない自分に嫌気がさしたからここにいる
風に誘われて
脱サラこそが僕のいちばんしたかったこと
夢見たあの場所に今からでも間に合うなら行くんだ 行くのさ 行くぜ
第二の人生ははじまる
脱皮したのさ 僕は
明日からは 新しい僕が
味方なんだ 大丈夫
道はひとつじゃない
悩めば 悩むほど
つまらないことが気を散らせる
だからいっそ気楽に
僕は歩いていこう
青空に浮かぶ雲のようにふわふわした気持ちで
明日もよろしく
スニーカーが
たどる夢への路
さあ ここからが勝負!
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ねえ僕は生まれて
よかったのかな
悪かったのかな
そんなこと誰かに聞いてもしかたないのに
思わず聞きたくなるほど自分の存在がたまに消えそうになる
でも自分は誰かと比べたなら
やっぱりいちばん
大切で大事でかわいいもんだよね
黄昏る中で
電柱の細長い影の下で
明かりがつくまで
立ちつくす僕は
こんな僕でも
照らしてくれる
街灯の光が灯るのを待つ
ポッケにつめ込んだ
切なさは言い知れないむなしさと痛みをはらんで僕を悩ませる
夜が来たから
見られたくない
心の中 隠そう
さみしい気持ちも
切ない気持ちも
風に流して
忘れてしまおう
並木道に落ちてる
葉っぱが風に舞い上がるように
僕も風に吹かれて
カレンダーの数字を飛び越えてやっとたどり着いた9月に栞をはさんで
明日も今日の続きから 物語ははじまる
中途半端のストーリー 死ぬまでずっと
時間は僕を離さない
嫌みなヤツらは嘲笑い
優しい人たちは気遣い
そこにある日常を食らう獣のように日々を食いつぶして
さも楽しいように笑う嘘っぱちの僕の中のやましさを呪いながら
広がる涙ににじむ景色に夜空に浮かぶ月は静かに溶ける
純白のストーリー
汚れのない日々
少しずつひずむ心
感動することさえできなくなった
たまらずあふれる涙
この気持ちの正体がわからない
立ち止まっては
また歩き出すけど
いつになれば
たどり着けるだろう
夢見た場所に
描いてた未来に。
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今僕ができる精一杯のことはなにがあるだろう
どこまでも面倒くさがり屋の僕でもできることは何があるかな
このままずっと時間の海の水面をただようように
死という岸にたどり着くまでここにいるのかな
明日もずっと
同じ事を繰り返すのかな
何も頑張れないこの僕をとりまく時間はけっして無意味じゃない証に僕がこの世界に生まれたんだよ
道は果てしなく
まだまだ続くよ
砂時計のように
やがて終わるけど
まだまだそんな時間は来ない
時の波間に押し流されても前に進もうとする貝のように
僕は生きる
明日も生きる
ふらふら
ゆらゆら
のんびり
のらりくらり
気の向くまま
気の赴くまま
僕は笑いそして泣く
凡人の中の凡人。
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ただそばにいるだけ
それだけしかできない僕なのに
君はただそれだけで満足だと言うけど
僕はそんな素敵な言葉が出来すぎてて疑ってしまった
僕を照らしてるランプ
君にはあたらない
僕だけを悲しく照らしたまま
君の座ってたイスに残るぬくもりは
まるで月明かりのように今でもかすかな淡い光を心に届ける
君は空の上
背の低かった君は今や僕より高い空の上
会いたい
会えない
月明かりは
君を照らすには
遠すぎて届かない
生ある僕は素直に笑うことさえできないまま
虚しさに涙さえ枯れ果て
思い出の重さに
押しつぶされてる
素敵な思い出であればあるほど君のいない今が悲しくて悲しくてしかたないよ。