詩人:どるとる | [投票][編集] |
涙には値段がない
涙には価値がない
涙には名前がない
涙には色がない
涙には味もない
だからこそ僕らで
名前や色や味を
決めるのだろう
涙流れたその一瞬で
どんな涙なのかを
知るよりも
涙流れるその前から
どんな涙なのかを
解ってる僕らは
幸せなのかな
不幸せなのかな
ただ涙は流れる
価値も値段もないまま
道端に落ちてるわけでもなく
交番に届けられるわけもなく
それを見たからといって何をできるとかそういうわけでもなく
ただ励ます言葉や慰める言葉だけ 伝えてみるだけで
涙は止まらなかったり
止まったりするだけさ
世界中のどんな人が流す涙のその全てが
同じ価値で同じ値段で同じ色で同じ味ならば 嘘の涙さえも同じなのかななんて考えたら 違うだろうって思ったよ
君の涙も通りすがりの誰かの涙も僕自身の涙も
うれし涙だとしても
悲しい涙だとしても
理由はともあれ全てが同じ価値と同じ値段を持つ涙なら
嘘の涙をはぶいて
とても重いものだと思ったよ
今日も一日のどっかでほんの一瞬に流れる涙が心を湿らせたら
悲しくて 嬉しくて
複雑な気持ちになるから
僕は名前のない涙に勝手に名前をつけてその名前を呼んでみる
「優しさのかけら」よ
今日から涙は生まれ変わった。
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思い出が窓の外に広がってく
パラパラマンガみたいに景色が移り変わるよ
走り続ける電車の窓から見える景色はいつもとてもありきたりすぎてつまらないけど
そのどれもが過ぎ去れば あとになってきれいな思い出になるから
捨ててはだめさ
雨降りの日も
晴れた日も
僕のこの瞳には
変わらない景色がうつる
それは素敵な景色
だけれどとてもあたりまえの景色
生きてる人なら誰しもが見れる思い出
今 心の窓にうつる
いくつもの過ぎ去った昔を車窓にうつる景色を眺めるように
思い返してみれば
色あせた景色さえもなんだか ハクが出て素敵に見えるよ
走り続ける時の電車はたまにガタゴト揺れて 暗いトンネルに入るから 涙さえ流れるけど
一度も死にたいとは思わないよ
だって僕らまだ生まれて まもないから
まだまだ知りたいこと 見たい景色 たくさんあるから
思い出が恋しくなったら
思い出せばいい
心の窓には昼夜問わず懐かしい思い出の景色がうつる
ほら、心 揺さぶる
夕焼けの空みたいな涙さそう景色がそこにはあるだろう
帰りたい
帰れない
またそれも味わいのある切なさだよ
今では苦かっただけのコーヒーも美味しく飲めるから
思い出が恋しくなっても
懐かしさだけ見てても前を向いて歩かなくちゃ生きてはいけないから
悲しくても思い出は忘れるためにはないから 思い出背負ったまま 僕は先を行くよ
走る電車から降りるようなバカな真似はしないさ
だって生きてれば
恋しくなったらいつでも思い出せる思い出があるから
心の窓にうつる
景色はバラ色なのさ。
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君を好きな理由をもし君に問われたら
僕はこう答えるよ
ああ好きなんだからしょうがない
君の中にある輝きに惹かれて僕は君の隣にいるのさ
君の心の美しさに比べたら美貌なんておまけのようなものなのさ
君の中身に惹かれて
まるで見えない君の美しさに僕は夢中なんだよ
世界中どこを探してもいないよね
君みたいな人
こんな僕をためらうこともなくちゃんと向き合って愛してくれる人は君で最初で最後だよ
愛は燃え尽きることのない炎
熱く燃え上がる
君を好きな理由なんてあるようでないものなのさ
言葉にならない思いを無理に言葉にするならばそれは投げやりになるけれど
もし君がどうしても聞きたいならば
ためらわず僕も言うよ
好きなんだからしょうがないと
いくつもの
よけいな言葉
それといくつもの
無駄な詮索
そんなものナシで
わかることは
心の中にいつもあるよ
単純なようで複雑なもの それが愛
だから乱暴になる言葉
それでも間違ってはいないよ
だからこそ言うのさ
好きなんだからしょうがない
それ以上は言えるわけもない
そしてまた確かめるように君は聞く
だからそのたびに僕は言う
好きなんだからしょうがないと
理由なき愛情のその意味を 君に伝えるよ。
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乾いた涙はまた雨が降り出せば 濡れてしまうね
ニセ物の花でも眺めて楽しむだけならば事足りる
空は茜に染まって
一日中ビデオばかり観てる今日もきっと明日も
ドライフラワーは心の中に咲くこの切なさにとてもよく似ている
乾いて水気のない
紙でできた名ばかりの花
水をやればしなしなになって 枯れてしまう
花だけど花じゃない
死んだような花さ
美しさのかけらもない ドライフラワー
窓辺に そっと咲いている 生気のない僕とよく似ている花。
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意味のない人生なんてひとつたりともないのさ
意味のある人生ってどんな人生なのかさえ
そもそもわからないくらいだから意味のある人生などもとからない
だからこそ空っぽの日記帳の中に少しずつ少しずつ君との思い出を書き足してゆくのさ、見えない油性のペンで
くだらない時間が今
大切に変わってゆく
考え方次第で退屈な今も愛しくなるのさ
生きてる感じがしない
それでも僕は生きてる
だってこんなに君のこと愛してるから
くだらない人生はこの先も性懲りもなく続いてゆく 果てしなく どこまででも
生きてる今としては
いつか死ぬことなんて
取り決められた運命さえ歳を重ねる悲しみさえも考えないのさ
色あせてゆく思い出と変わりゆく街の風景もきっとこの僕を忘れはしないだろう
バカだよねアホだよな
こんなに生きることが辛くて苦しいとは知らなかった
でも続く この人生はくだらなくもどこか素敵な香りを匂わせながら
春夏秋冬と季節は移り変わりながら
僕は今日から明日
その明日からその次の明日と移り住みながらね
ストーリーに華を添えるようなそんな陳腐な光
今、僕を限りなく生かすもの
それがそんなくだらないことの中に輝くならば否定はできないね
だって今僕が生きてる今がその証だから
くだらない人生はひきつづき続くよ
変わってゆくもの
変わらないもの
少しずつ受け入れて
少しずつ当たり前になるセカイで僕は暮らすよ
空の下 土の上
君の隣で。
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愛する人全てに捧げたい詩がある
なくした笑顔とかぬぐいきれない涙を乾かすような そんな魔法のうた
いつかお空に飛び立ってゆくのが僕らのさだめならば
僕らはいつかお空に飛び立ってそして消えちゃうのかな
シャボン玉のように
割れないうちは
プカプカ フワフワと生きて そして 今日もなんとなく
大きなあくびもやがて涙に変わるその時
僕はきっと気づくよ
普通の幸せを
その大切さを
きっと。
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なんとなくで乗りきった1日が
なんとなくで暮れて そして 夜になりました
帰り道ひとり背中に孤独を抱えて
もうかれこれ二十年になりますか
時が経つのは早いものですね
もうこんな歳になるのになんだか みんなとは違うようさ
どこかが
それでも いつか僕が追いかけていた光
それは見えず触れられない光だけど
今でも信じてる
孤独をうたう夜も
アパートの階段をコツコツと一段ずつゆっくりのぼれば
一番奥の部屋が僕の部屋さ
ちょうど柵の向こう側 はるか上空には大きな満月ひとつ
ぽっかり浮かんでた
どうにもなんだか
言葉にならないけど
今とても切ないんだよ
揺れる月影と僕の消えそうな影
アパートにて思う
言葉にならないけど
確かな切なさ抱えたまま
ドアを静かに閉めるように目を閉じた夜
歩いてきた道の距離ほどでもない荷物の少なさになんだかもどかしいけど
泣かないよ
なんとなくついてるテレビ
それと似た僕の人生
この先どうなるかな
他人の言葉や意見はいらないよ
ただ僕は思う
アパートにて
ただ死するため生きるように道の途中でふと足を止めて。
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受け入れたくない現実を受け入れなきゃ
どうしてもいけない時
僕は自分を騙して
受け入れたよ
でもそれは受け入れたあとの今でも悲しいものさ
縛られたくなくて
従うことなんて
それ以上にしたくなくて 何もかもから逃げてきた僕にはひとりがよく似合うかい?
今日も何を言い訳に明日を抱くのか
本当は悲しくて悲しくて明日になんか行きたくないのにね
また僕は自分を騙くらかして明日を抱く
言いたげな言葉の口をふさいで
また言い訳をひとつこぼして
明日を抱くのさ
心に沈む冷たい鉛
いくつもいくつも
積み重なってゆく
それでも受け入れなきゃならない現実だから 僕は言い訳なしには生きられない
弱い生き物なのさ
どうか見逃してね。
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誰にも届くようなうたと誰にも届かないうたの狭間なんてちっぽけなもので
他人の涙と自分の涙の重さの差を比べるような愚かなことだ
うたうようにうたううただから
時として見る人によっては歌にもなり詩にもなるのさ
それでいい
形なんて決まってない
とらわれたくないのさ
うたうようにうたううたはずっと読みたいと思う人の心の中にだけあり続ければいいんだ
誰かに届けたいと思うその気持ちの矛先は常に読みたい人へ向かってる
だから言葉は時にわがままにもなって自分勝手にもなるのだろう
だけれどそのねじ曲がった邪悪ささえ受け入れてくれるなら
僕はこれからもうたうよ
うたうようにうたううたをうたうよ
この部屋の片隅で
地味に 咲いて
たまに 揺れる位
ひそかに咲くよ。
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まだ夜明けには遠い明け方前の真夜中に
なんとなく起きちゃってさ 今から寝直すのもなんか やりづらくてさ
とりあえず 販売機までジュースを買いに行く
裸の豆電球みたいな
心がいつも切ないのさ
もしも僕にも愛すべき誰かがいたらまた違ったのかな
僕はひねくれ者で
天の邪鬼だから
陰日向で揺れる花。