詩人:どるとる | [投票][編集] |
明日へ続く扉を開けてみれば
興ざめだけどその向こうには
昨日と何ひとつ変わらない
1日があっただけ
それでも昨日とはひとつだけ違うところがある
それは昨日より今日の僕のほうが歳をとっているということ
無駄なことかもしれないけど 僕は背伸びしてみる
昨日より少し大人になったから
吹きつける風もなんだかどこか新しく感じる
行く宛はないけど自転車に乗って風を感じたくって適当に道を走る
夕暮れが僕の心の涙のあとをきれいに乾かしてくれる
ほんの一瞬まばたきする間のようになんの変化もない1日でも
僕はきっと 少しずつ
見えないところで
大人になっているんだ
誰かがなんて言ってもそんなのは聞く必要はない
目の前に広がる
いくつもの明日へと繋がる扉のひとつを選んだら
僕はその扉のノブをつかんで未知の明日へダイブするのさ
その先に待ってる
輝く未来に会いに行く
高層ビルに囲まれた都会を走る 電車が終電へとたどり着いて
たくさんの人波に押し流されながら 改札を出る僕を
待っていた夕暮れのように 走りつづければ きっと 素敵な景色がいつか僕をお出迎えしてくれるのさ
だから 明日に会いに行こう こちらから会いに行こう
待っていたって 何も始まらないのさ
会いに行けば きっと待っていてくれる
それが明日なのさ
たとえすべてが思い通りにいかなくても
それはそれで頑張った証じゃないか
傷だらけでも泥だらけでも 頑張った証じゃないか
それを笑う資格なんて誰にもないから
誇りと自信を持って
明日に会いに行こう
たまに降る雨にこの世界の無情感じても
喜びに出会えば雨の冷たささえ忘れてる
僕はかぎりなくその喜びに出会うために
悲しみの消えない世界をおそれないで歩く
生きていくことは決してうまく歩くことじゃないからね
不器用だってたどり着ける明日が必ずあるから。
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なんとなく心は薄曇り
それとなく交わした約束は先延ばし
いつだっていい加減な人です僕は
誰かのご機嫌うかがいのために自分を犠牲にすることほど愚かなことはないと昔から考えてる
部屋中に咲いた
憂うつという花が倦怠感に満ちた香りで
この僕をひとりぼっちにするのさ
ちょっと外に出かけてみれば不思議な景色に出会えるかな
雲の流れを目で追いかけて ちょっとだけお気楽な気持ちで
ドアを開けた1日は
幸せに満ち溢れてる
そんな僕の生活は死ぬまできっと続いてく
危ぶまれるほどに楽しくなる生活だから
どうか うるさいこと言わないで
続けさせてよ
この生活
万年床から飛び起きて
窓を開けたら
そこに見えたのが青空だったら
僕の心も晴れ渡るから
今日みたいに薄曇りでもきっときっと
雨さえ降らなければ
僕の生活はバラ色。
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言葉にならない思いは黙ったままでもいい
言葉にするのが詩人だけれど言葉にならない思いならば
寡黙になって見送ろう
葉も花もつけない
枝だけの細い細い
今にも倒れそうな木
たまに吹く風に
揺れている
ふるえてる
言葉にならない思いにぶつかったとき
詩人はただの人になる
詩人はただの生き物になる
言葉にならない思いを見つけたとき
詩人は言葉をなくす
詩人はイメージできない苛立ちを抱える
冷静さを欠いた日々
寡黙でいるのも限界がきている
だから詩人は静かに口をむすぶ
そんなときがある
いくつもの思いの数だけイメージはない
どれだけの月日を歩んできても 経験を積まない日々ならば無意味で 中身のないスカスカの 人生だよ
それでも詩人は詩人だから 不器用な言葉でも誰かに届くよう
誰かの心を救えるよう少しは考える
眠れない夜にささやかな明かりともすような
日当たりが悪い部屋にささやかな明かり差し込むような
そんな思いをいつでもどんな詩にも込めて
言葉の海を泳ぎ
輝く宝石をあたりに散りばめて
詩人は今日も言葉を綴るのです
言葉にならない思いに出会うその時
詩人はただの人になる
詩人はふつうの人になる
言葉にならない思いの目の前じゃ
詩人は無口になるよ
詩人はイメージできない苛立ちを抱える
冷静さを欠いた日々
寡黙でいるのも限界がきている
だから詩人は静かに口をむすぶ
そんなときがある
今、綴る言葉の中に
愛を宿そうか
それとも夢と期待にあふれたロマンを散りばめようか
やめておこう
今は言葉にならない思いだから
詩人は言葉にならない思いに出会ったら
そのときは何も言えなくなるから 何を期待されても 美しい台詞さえ 行き詰まる
誰にも責められないように夢の中へ逃げる
言葉に背を向けて
それでも 夢の中でも探してるよ
それは仕方ない位詩人だから。
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そこに見える道しるべ
彼処まで行けばここにいるより
ずっと 理想に近づける
立ち止まってるより歩き出したほうが
明日にぐっと近づける
そうやっていつか繰り返す日々の先で
最後の道しるべにたどり着くとき
僕はそこが最後の道標だと知る
さあ 夢まであともう一歩
少し 苦しいかもしれない
でもその苦しさが夢に近づいてる唯一の証
さあ 最後まで行こう
あの道しるべを目指して
振り返れば一瞬にもすぎない人生を生きよう。
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同じ世界の出来事さ
信じられないかもしれないけど今日もどこかでは
笑ってる人がいて
そのすぐ隣には
泣いてる人がいる
自分に関係ないことは
よっぽど親しくないかぎり干渉はしないで
赤の他人なら誰かの悲しみ 無視するわけじゃないけど
自分に起こる喜びに笑うのでしょう
それを罪っていうわけじゃないけど
なんだか滑稽な光景
まるで喜劇と悲劇の映画が画面の中でふたつに分かれ同時上映されてるみたいな
そんなイメージが浮かぶ世界
涙と笑顔が混ざり合って ある人の心には雨が降り またある人の心には太陽が輝く
そんなイメージ越しに見る世界
笑い声と泣き声が同時に響く
僕は笑う
君は泣く
明日は僕が泣く番かな
そして明日は君が笑う番かな
なんてこと
考えながら
名前さえ知らない君の涙の近くで僕は笑ってるんだね
それでもなぜか平気なんだね
喜劇の幕が上がれば
悲劇の幕が上がる
別々にはならないよ
この世界はいつでも悲しいことも嬉しいことも同時に起きるのさ
だから 笑顔する人がいれば涙する人もいるのさ
仕方ない
大切なのは他人の悲しみをあざ笑わず自分の喜びにだけ素直に嬉しがること
それがせめてもの
悲しむ誰かへの
礼儀だと思う
そして今日も
何気ない一瞬に
涙と笑顔が同時に咲くよ
喜劇と悲劇の幕が同時に上がるよ
幕開けを待つ君の明日は涙かな笑顔かな
今にわかるよ
今にわかるよ
幕が上がれば
また誰かが泣いて
誰かが笑う
そんな光景がなんの不思議もなくいたるところで起きるよ。
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ふと目を閉じると
思い出すときがある
昔の幼い記憶を
僕はいつでも
泣いてばかりいたし
おねしょをして
布団に地図を描いた
だけれどひとつだけ
利口だったのは
誰にでもやさしくできること
思い出のひとつひとつを星を数えるように思い出しては
悲しい記憶に泣いて
楽しい記憶に笑って
荷物ばかりに場所をとられた六畳一間の部屋の中で ひとり
感傷にひたる
まぶたを開ければ
いつもの殺風景な部屋があるだけ
壁にはいくつかの写真が掛けられてる
いつまでも思い出に後ろ髪ひかれ
いつまでも思い出に縛られたまま
暗い暗い宇宙の中をただよう小さな石ころみたいにもうかえれない大切なあの場所に思いを馳せ
さまよい歩く
広い広い記憶の宇宙
どこからやって来て
どこへ消えていくのか
それさえわからない
けど
今日も記憶のページをめくっては
薄れゆく記憶をつなぎ止めるように
新しい記憶でやぶれた部分をおぎなうのです
空がどこまでも果てしないように
花は咲けばいつか散るように
太陽が沈んだなら明けない夜はないみたいに
つよく 前に踏み出せる力がかならず誰にもある
昔は昔
今は今
曖昧にでも
割り切って
生きていけたら
過ぎ行く時間も
走り去る季節も
今まで積み重ねてきた思い出も単に過ぎ去った昔話にはならないはず
目を開けて
そこに見えた
景色に叫ぼう
記憶の宇宙は
今 やっと
終焉に
たどり着いた
物語の終わり
新しい始まり
それはここから
いつまでも思い出に後ろ髪ひかれ
いつまでも思い出に縛られたまま
暗い暗い宇宙の中をただよう小さな石ころみたいにもうかえれない大切なあの場所に思いを馳せ
さまよい歩く
広い広い記憶の宇宙
そしてまた 思い出すときがあればまた 花が咲くように過ぎ去った昔をそれはそれは懐かしく思い出せるだろう
宝石箱開ければ煌めく宝石が。
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いつのまにか 時は過ぎて
いつのまにか 大人になって
いつのまにか 何もかも落ち着いて
いつのまにか 後戻りできないところまで来て
いつのまにか 今日も静かな夜がほらそこに
月明かりに照らされて思いを吐き出して
人前じゃ見せられない涙がたくさんこぼれた
いつのまにか すべてがうまいこと片付いて
いつのまにか あきらめてきた夢のほうから僕をあきらめて
やがて信頼は崩れ
期待もされなくなったころ
ため息で曇る窓硝子
見る景色見る景色にじんでしまうのは
涙がとめどなくあふれてるから
言葉はなんの役にも 立たない
降り続く雨の中
立ちつくす僕がいるだけ
いつのまにか
いつのまにかで
見送ってきた日々が何もかもきれいさっぱり洗い流され
空っぽの心だけが
残っているだけ
夕暮れが涙をそそる
ほら、街明かりちらほら
いつのまにか…
いつのまにか…
明日やればいい
今日じゃなくていい
見送ってきた日々に
めぐってきた未来はあまりにも想像そのままで後悔することすら面倒に思うような
そんな未来になった
いつのまにか…
いつのまにか…。
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僕の心は深緑色
ひとりが悲しくて
でも言えなくて
そんな思いだから
暗い海の底に沈んで
太陽の光から遠ざかって
孤独という宇宙の中
星ひとつ見えない
自分励ます言葉を自分に自分で言ってみてもそれは悲しい自慰行為
ああ どこまでいっても変わらない景色
季節はもう何周もしてるのに時間だけが過ぎ去る 僕の中にはなにもない
ただ積み重なった我慢してきたぶんの涙があるだけ
暗くもなく
明るくもない
世界の端っこで
僕は生まれ
このまま
さびしく時に押し流され 死んでいくのかな
悲しい?なんて今さら聞かないでおくれよ
悲しくないわけがないんだ この世界に生まれたら
見えない何かに
大きな影に
追いかけられる日々
不安は消えない
影は一層濃くなるばかり
明暗の袂
名案は思いつかず
がらくただらけの
思考の中
立ち尽くす 日々だ。
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なるべくあたたかな場所を探して 花は咲くもの
黄色かったたんぽぽの綿毛が舞うような春はやがて 暑い夏に変わる
寿命の短い季節がやってきた
やってきたのも気づかず僕らはただ桜を見ても ただ当たり前に 見送るだけです
小さな太陽が
ギラギラと輝いて
僕らにほがらかな
夢をはこぶ
5月の風は初夏の香り
たまの涼しさにからだを壊して
それでもまた病床から立ち上がり たんぽぽのように野に放たれよう
君が探してた あたたかな場所は すぐ近くにあった
それは僕の胸の中
ほら、咲きたいなら 僕の胸で咲けばいい
坂道を下ってくる
バスが見えたら
麦藁帽子をくっと指で押し上げて 窓から手を振る僕に手を振りかえしてね
春はもう 影すら残さず たんぽぽの綿毛ひとつ 見つからない
つくしは いくつか見れるけど もう街も夏の色に染まってる
ただのほほんとした
1日だから
含み笑いせず素直に
笑い出せるよ
ごぶさたののほほん日和さ。
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誰かと相成れなくても
僕はひとりぼっちでも
生きて行ける
今までだってやってこれたから
強がりと自信をはき違えながらも
風に吹かれて
踏み越える力を持つ
花は咲き
いつか散る
そんな運命すら
まるで無いように
僕は笑ってる いつも
それでも ひとりぼっちは変わらないことだから
ずっとひとりぼっちで僕は生きていくよ
風に吹かれて
明日を見つめて。