詩人:どるとる | [投票][編集] |
こんなにも人がいるのにね どうして
人は人を思いやることを忘れて
泣いている人の前を平気で 素通りできるのかな
君も同じ立場なら 素通りなんか してほしくないと思うはずなのに
他人のことというだけで 自分のことのようには思えずに
突き放すように 見て見ないふりをする
君のそばにいつも座っている寂しさが
そんなに 背中を丸まらせているの?
君の涙を塞き止めるダムにはなれないが
ハンカチくらいにならなれる気がする
だから 君の涙のそばに何も言わずに 座らせて
日が落ちた街 死んだように静かで
人恋しさに胸をこがしてしまうよ
誰もいない 道 隠れて泣いた今日の僕
明日は笑えるかな 笑えるはずだって 思いながら
自分で抱えた傷を自分で癒す日々 優しさを探しても なかなか見つからないよ
自分一人だけが悲しいとは思わないけど
今僕に見えるものは僕の悲しみ1つだけ
他人のことまで思えない誰かの気持ちが
はじめてわかった気がしたけれど
そんなこと わかったところで何が変わるというんだろう
価値のない 見返りもない 感謝を
押しつけるでもなく ただ よかれと
誰かに差し出す手を探していた
こんな進んだ時代にも関わらず心は
モザイクがかけられてて
プライバシーなんて下らない言葉で 他人との接点をなくしてく
だからどんな人混みの中にいても
僕は一人だ 一人でいるより寧ろ孤独だ
君のそばにいつも座っている寂しさが
そんなに 背中を丸まらせているの?
君の涙を塞き止めるダムにはなれないが
ハンカチくらいにならなれる気がする
だから 君の涙のそばに何も言わずに 座らせて
君の話を 聞かせて
少しずつ 前に進めるように
いつぞやのように笑えるように。
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大きなあくびして 歩き出す
一歩目から 少しだけ不安が見え隠れ
日々捲られてゆく ページ
いつか 出会えるだろうか 愛する人に
雨が降るなら 傘を差せばいいけど
寂しいときは どうすればいい
雨宿りする場所に困ってしまうときは
僕を呼んで すぐに君のそばに行くよ
真っ白な紙に どこまでも線を引っ張る
一行目からもう つまずいてる
思ったよりうまくはいかないなあ
それでも 諦めの悪さが 最後のキボウ
悲しみに差す傘などないものかなあ
避けては通れない道もあるんだよ
周りを見てごらんたくさんの優しさが
君を取り囲んで 支えになってくれるよ
見返りや 恩着せがましい 感謝の押し売りは
生憎、間に合ってるのでお帰りください
僕がほしいのはそんなんじゃなくて
ただでも 人を思いやらずにはいられない気持ちだよ
君は持ってるかい?
雨が降るなら 傘を差せばいいけど
寂しいときは どうすればいい
雨宿りする場所に困ってしまうときは
僕を呼んで すぐに君のそばに行くよ
いつもの変わらない大きなあくびと愛を携えて
笑い飛ばしてやる 君を悲しませるすべてのものを。
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さあ 帰ろうか 手を差し出したのは
笑顔が素敵な あなたです
夕暮れ空がきれいな黄昏時の街は 命あるすべてをその全身で受け止めている
さよならも 優しく胸にひびくよ さざ波のように押し寄せる 感動の波。
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桜と同じように ひとまわりしてまた
スタートラインから歩き出すんだよ
サイコロも振ってないのに
双六みたいに振り出しに戻される
笑って泣いて 大体はそんな繰り返しで
大して変わりなんてないはずのになあ
少しずつ大人になるたびにいろんなものが違って見えるんだ 不思議だね
同じ歩幅で 歩いても 追い着いたり追い抜かれたりしながら
また 元の位置に戻る
世界中で誰よりも一番近くで
君のことが 見える場所で
ただ一緒に笑いながら泣きながら
タイミングなんてそんなつまらない
ものに惑わされることなく
過ごせたなら いいなと思うんだよ
電柱に二羽 雀がとまっている
仲良く 寄り添いながら羨ましいくらい
春は とうに過ぎ去って背中も見えない
街はもう 夏の匂いに包まれてる
昨日と変わらない今日を過ごしてる
変わらなきゃいけない理由もない
そろそろ 自分で決めなきゃね 新しい扉は自分が 開くためにあるんだよ
空に飛行機雲 まっすぐに突き抜けてく
物語に雨が 降るのなら傘を持って
君を濡らさないように僕が濡れるよ
それが僕の役目といえばそうかなあ
いくつでも繰り返していくんだろう
なんべんでも 繰り返していくんだろう
言葉と言葉を重ねて伝えていく愛。
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太陽が焼け落ちた 空に 焦げ付いた闇が 張りついて光を遮る
誰かの声を探して 耳を澄ますけれど
孤独な僕にはそういや 宛なんてなかった
空気のように ただ呼吸するだけならば
存在する意味などないと 鼻で笑ってた
信じていた世界はやがて 姿を変えてしまう
世界が変わったんじゃなくて
世界を見る僕の目が変わっただけ
化け物じみた 感情さえ今は味方だ
ノーバディクノウズ って呟いて
歩き出す一歩が 鼻先で迷ってる
臆病な手が 恐る恐る 開いた ページは昨日を上回るだろうか
たったひとつでも優しさがあれば
どこまでも 生きて行けるというのに
いつでも僕を信じてくれる そんなぬくもりに 出会えたなら
悲しいシナリオも運命と笑うならば
それもまたいいねってまた笑いながら
見送ってきたいくつもの可能性
諦めてしまえば楽だ でもそれでいいのか
ノーバディクノウズって 呟いて
少し強がる 昨日より勇気ある僕だ
目には見えない不安や 葛藤と
闘いながら 傷だらけになって
見つけた答えを 正しいと信じたら
行こう 試してみよう 自分自身を
信じていた世界はやがて 姿を変えてしまう
世界が変わったんじゃなくて
世界を見る僕の目が変わっただけ
化け物じみた 感情さえ今は味方だ
ノーバディクノウズ って呟いて
歩き出す一歩が 鼻先で迷ってる。
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中途半端なままの 覚悟を背負って
引かれたレールの上を今日も歩いてる
どこまで続くのだろうこの空と大地は
夢を叶えた人 夢にやぶれた人
僕はそのどちらでもなくてただ 夢を見るだけの人
誰も知らない明日を描いてゆく指先が
雨上がりの空に虹を描くその日には
曖昧な未来までの道も見えるかな
その日を目指して走るのも悪くはない
常套句のように繰り返した諦めの言葉
口に出した瞬間に本当になりそうで
屋上に上って見上げた空の向こうに
見えた ちぎれ雲に夢をのせてみた
下手くそな歌声でも届くかなあ 誰かの明日に
限りなく空に手を伸ばしてゆく 指先が
つかんだのは 大好きな君の手だった
今は靄がかかったように見えない明日
でもいつか 歩いて行けば頂きに届くんだ
子供の頃に憧れたヒーローにはなれそうもないや
でも 僕はそれくらいがいいんだって 思う
誰も知らない明日を描いてゆく指先が
雨上がりの空に虹を描くその日には
曖昧な未来までの道も見えるかな
その日を目指して走るのも悪くはない。
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さあ 帰ろうかと差し出す手を
小さな手が 握り返した
その手の持ち主はにっこりと笑いながら
今晩の献立をママに聞くのです
何もかもが幸せだった気がした
ひとつひとつ思い出していたその理由を
君の瞳を僕は見ていたよ 潤んだようなその目の向こうに
夕暮れの街が 揺れている
お腹がなったから ここからは駆け足。
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それでも散ってしまうのです
指折り数えても 幾ばくもない命
窓の外を 過ぎる駅前通りの景色
たくさんの人だかりに紛れて
建物の向こうに夕日が 沈むのを見た
春の終わりに桜が散ってゆくように
君の命も それまで持つかなあ
静かな病室に 二人の影が落ちて
涙も流さず笑う 君を僕はただ見ていた
春ももうじき終わりだね 最後の桜が散る。
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なんでもない顔で でも君は悲しみを
一人では到底持ちきれないほど抱えてて
それを強がって 言おうとしないから
僕はまた 君につらくあたってしまうんだ
桜も終わりだね もう陽射しも夏の色さ
歩幅を無理やり合わせていたけど
当然のように少しずつ離れてゆく
僕と君の間には 埋められない距離ができたよ
君も僕を愛してきた
僕も君を愛してきた
でもいつの間にか
違うものを見ていたよ
終わりにしようね こんな悲しい恋は
どちらからともなく 離した手
遠ざかる背中を僕はただ 見送っていた
たくさんの言い訳を好きなだけ並べたら
消化しきれずに残してしまったんだ
無理やり食べたらきっとお腹を壊すね
だから聞かなかったことにしたんだよ
坂道は続いていく空を目指すように
君を乗せたバスはもう来ないだろう
でもわかってるのに来てしまうバス停
僕と君の間にできた距離を埋める魔法はないかなあ
君の好きなところ 数えたら きりがないけど
君は自分を好きになれないと よく泣いた
今でも何が 二人の間を引き裂いたのかわからない
君とつないでた手を見つめながら
気持ちとは裏腹に青い空を見上げていた
飛行機雲が すぅーっと横切ってゆく
君がいたら こんななんでもない場面も
映画でいう名シーンに変わるのかなあ
なんてことを思いなぎら煙草をもみ消す
君も僕を愛してきた
僕も君を愛してきた
でもいつの間にか
違うものを見ていたよ
終わりにしようね こんな悲しい恋は
どちらからともなく 離した手
遠ざかる背中を僕はただ 見送っていた。
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空から落ちてきた 雨の一粒を
上手に 手のひらにのせてもてあそぶ
手を離した瞬間に ほどけてゆく温もりが
新しい物語を求めて明日に駆け出してく
スプーン一杯ぶんの退屈を 飽きるまで
堪能したあとに 押し寄せる浅い微睡みを
つまらない ため息で終わらせないで
せめてこの命尽きるまで消えないロマンスになれ
シュガーとソルトふりかけて
スポンジの上に降らせるメレンゲの雨
めまいを起こしそうな まばゆい光
頭の中まで極彩色に埋め尽くされてゆく
スプーン一杯ぶんの退屈を 飽きるまで
堪能したあとに 押し寄せる浅い微睡みを
つまらない ため息で終わらせないで
せめてこの命尽きるまで消えないロマンスになれ
悲しみを覆い隠してしまえ。