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どるとるの部屋


[1211] 映画よりずっと映画のようなぼくらの日常
詩人:どるとる [投票][編集]


主人公のいない物語の中で
今日も願ってもないページがめくられる
生きていればそりゃ楽しいこともあるけれど悲しいこともある
楽しいことがあるから悲しいこともある
何度そう割り振ってみても 納得できないぼくはわがままだろう
でもね喜びよりずっとなんだか悲しみが大きい気がして
割に合わない気がして

どんなに嫌でも
どんなに蹴り飛ばしても
ぬぐい去ったはずの涙はいつの間にかぼくの目尻に光ってる

ドタバタコメディ映画でもないな
男の女のラブストーリー映画でもないな
SF映画でもホラーでもないな
ぼくらの人生はどのジャンルにも当てはまらないリアルなシアター

誰も見向きもしない駄作映画のような予測不可能すぎる展開に涙することしかできないぼくの悲しみはきっと 他人にはねただの日常にしか見えないんだろう
下手に感動してもらうよりつまらないなと吐き捨てられたほうがきっと日常って感じがするから

本当に悲しいときは
何も言えないんだ
ただ涙がほほを伝うだけだよ
もし そんなシーンだけを集めた映画があってもつまらなさすぎて誰も観に来ない
だって誰にも同じような涙があるから

映画のような人生にはならなくても
映画よりずっとドラマチックな現実が誰にもまねできないリアルな演技で
ぼくらは悲しみに悲しみ そして喜びに喜ぶ
それは演技ではなく
芝居でもなくて
本当に悲しいから
本当に嬉しいから
そうするんだ

だから 映画よりずっと映画のようなぼくらの日常に冴え光る魅惑的な演技は一切のおふざけもない
世界一のアクション

それは 映画なんかじゃなくて本当の現実だから
NGなんか ないのさ
ただ、すべてが血の通った リアルな形

アクション!のかけ声で始まる映画
朝日がのぼると同時に始まる1日

なんか 映画と似たような現実ってだけ
それはプロローグとエンディングがあるから。

2010/03/22 (Mon)

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