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どるとるの部屋


[1235] さよならバイバイ
詩人:どるとる [投票][編集]


夜はね暗いから
夜はねさびしいから
夜はさ悲しいから
夜はさ切ないから
僕は半ば逃げるように
暮れゆく空の下
また少し昨日より削れた命感じながら
しずかに目を閉じた

人影も消えた道
誰もいない道
ひとり ただ立ち尽くして用もないのに
ずっと夕暮れ見ていた
なんだか変な話だけどいつも見ている夕暮れはその日によって違う夕暮れな気がしているんだよ
だから昨日の夕暮れと今日の夕暮れは違うのさ
だから僕は手を振る
さよならもちゃんと言うんだよ

そしてあふれ出る涙はねあの真っ赤な夕日と同じ熱を帯びながら 僕の心を優しく包むのさ
悲しいだけじゃない
『さよなら』は新しい明日へ行くための大事な言葉だ

いったん入ったら引き返せない扉は開いて
僕を導くのさ
ゆりかごに乗せて
僕は揺られながら
明日に着くのを待つ

そして 今日
僕に関わった
すべてに感謝とお別れを告げる
さよならバイバイ
夜空に星が流れる
過去、流れた流れ星
幻のように光り輝く
さよならバイバイ
憎しみも怒りも今だけはすべて優しさに変わり
僕はこわがらず夜を見つめられるよ
昔は僕の命や二度とは来ない朝を連れ去ってしまう夜が嫌いだった
だけれど今は綺麗とさえ思えてしまうよ

そしてまた明日も素敵な夜を迎えられるように僕は深い眠りに着くのさ
朝抱いていた恋しさは夜への恋しさに変わって不思議な気持ちあふれて
僕は目を開ける
そこにはまぶしいばかりの朝が僕に笑いかけるから

ふと、思うよ
僕は旅人
同じ場所になんか立ち止まっていられないってことをさ
だからおそれずに
明日へ行けるんだ
強く 前を向いて
しばらく見向きもしなかった夢を背負い
未来へ行くのさ
僕は未来へ行くんだ

さよならと言って
新しい今日を
また最初から
はじめてゆくのさ
生まれたての光を浴びて。

2010/03/27 (Sat)

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