詩人:どるとる | [投票][編集] |
朝飯でも夕飯でも
お皿の端っこに
よけられてしまう
たまねぎ にんじん
ピーマン トマト
君たちの栄養を知らない子供たちは頭から嫌う
ママが今日も朝飯をつくっている
その背中に話しかける言葉
野菜は抜きにしてね
お肉ならお肉だけとか言って子供はまた笑う
嫌われ者の野菜は何ひとつ悪くはないのに
いつでも野菜は嫌われ者の枠にはまってしまってるんだよ
箸でつままれたかと思えばつかの間の喜びもむなしくお皿の端っこに今日もはじかれているよ
ピーマンが
にんじんが
トマトが
たまねぎが
なんの悪さもしてないのに嫌われ者として今日も泣いている
最悪、生ゴミ行きさ
食べられるために
生まれてきたのに
僕らはそれを感謝して食べなきゃいけないはずなのに
好き嫌いはそんな野菜たちの当たり前な願いすら無にしてしまうんだね
そしてママが救いの手さしのべるように言うのさ
食べなきゃだめよ
大きくなれないわよ
少しずつでも食べなさい
野菜が泣いているわよとママは子供を少し叱った
嫌われ者の野菜たちが少しずつ少しずつ子供のふるえる手で小さな口にはこばれてゆくよ
そして子供は言うのさ
案外おいしいねと
そんなものよと
ママは微笑む
そして食べず嫌いの子供もそれからは野菜を嫌わずに好きになったそうな
そんな物語
どこにでもあるような物語
この唄にのせて語るよ
嫌いな野菜を食べるように
少しずつ少しずつ言葉を足してゆくよ
君の心に 僕の心に
数千億の星を流すよ。