詩人:どるとる | [投票][編集] |
窓の外はどしゃ降りの雨
心の中もどしゃ降りの雨
名前のない悲しみに
名前のない切なさが
入り混じったような
名前のない痛みが
名前のない傷になって僕を追いつめる
鉛筆画のように鮮やかさのない景色に
地味な公園の遊具が色あせてる
名前のない雨が
名前のない道を濡らして
名前のない場所へと
名前のない雨が流れてゆく
振り返れば思い出はモノクローム
窓をかすめる雪のようなものだよ
手のひらに乗せてみても溶けていくだけ
少しの冷たさを残すだけ
だから 忘れないように人はたまに生き急いでしまうんだね
今まで歩いてきた道につけてきた足跡のひとつひとつが思い出だから
消えないはずなんだ
いつの日かたいせつな何かを忘れてしまっても
心の中には残ってる
大事な記憶が降り止まないで降り続いているよ
見えない雪が
懐かしいあのころを
思い出すたびに
忘れてしまった
過去をそっと濡らすよ
さよならを言うように
次々と消えていってしまう
日々はまるで絶え間なく降り続く雪のように
ぬぎいきれない切なさと懐かしさだけ
残したまま
やがて眠りの中へ
覚めない夢の中へ
僕を導くのだろう。