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どるとるの部屋


[2705] 桜の道
詩人:どるとる [投票][編集]


楽しかったなあ。
ただそれだけしか感想が出ない1日がなんて幸せだったのか
あとから気づいた
退屈だった。
それが幸せだとも思わず吐き捨てた言葉
味がなくなるまで噛み続けたガムは吐き捨てるのが正解だけど人生は違います
味がなくなったって吐き捨てることはできない。吐き捨てることは死を意味する
それが嫌ならば生きるしかない

突きつけられた旅立ちは選んだ人生いかんでどうにでもなるものさ そんな簡単な話じゃない

桜咲く春のまだ肌寒い四月の夕暮れ
窓から吹き込む桜の匂いに あなたの顔思い出して
なんとなく
会いたくなった
僕です

楽しかったなあ。
退屈だった。
どんな日だって
あなたは生きなさい
あなたは歩きなさい
どんなことがあっても
言い聞かせるんだ
死んだら負けだと

味気ないガムの味
まるで僕の毎日
そんな感じ
だけれど生きてく
僕は不思議の塊

桜の記憶がよみがえる
忘れたはずの君の記憶
手をつないだぬくもりも笑いあったあの公園も 全てがまるで昨日のようにほらね
桜が思い出させる

振り返ればもう後戻りはできない
前に進むより仕方ないのさ 道はいくつだってあるはずだ

桜の道を行くがいい
僕は生きてく
僕は生きてく

花びら一枚
手のひらに落ちた
風が吹けば
舞い踊る花びら
はかなくて
もろくて
美しい人生を物語る
僕はひとり風に吹かれて

桜の道をひとり行く。

2011/04/10 (Sun)

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