詩人:どるとる | [投票][編集] |
街を行き交う 何人もの人 人 人
同じような かったるそうな顔で歩いてる
どこへ向かうのか
何をしに行くのか
明日の行方すら
ままならない日々に
明日は晴れるのか
雨なのかより
明日は笑えるか
笑えないかのほうが大事で
くだらないことを考えている暇もない
なんだか滅入った夕暮れ 疲れ果ててたどり着いた部屋の万年床に倒れて眠った
今日の君は笑っていた?それとも泣いていた?
バカでのろまで 不器用で失敗ばかりの僕だけど それでも人間らしくっていいじゃない
笑えるもんか こんな荒んだ時代に
笑えるもんか 大人は簡単に笑えと言うけど
笑えるもんか 楽しいことも無いのに
働くことが すべてなんて悲しすぎる
大人だって 時には声をからして 泣いたっていいじゃない
笑えるもんか 日々消費していく命と若さと元気
この頃はなにがあっても無関心になって
誰かの冗談など お世辞にも笑えない
笑えるもんか 先行き不安だらけなのに
笑えるもんか 老後より今だけでも心配で心配で心配で
早死にしそうさ
笑えるもんか 同じような顔で交差点を行き交う 人が言うよ
笑えるもんか 仏頂面で 過ぎ去る季節を素通りする
並木道はもう 徐々に秋の色に染まって
風が冷たくなって
人も冷たくなって
僕は独りのさびしさよりずっと群集の中の孤独に寒さを感じて 見えない襟を立てたい気分だ
笑えるもんか ため息を引き連れて 歩く帰り道 黄昏模様 夕暮れ ポケットに切なさを押し込んで 家路をまっすぐ行くんだ
笑いたくなきゃ笑わなきゃいい
無理せずに生きろ
そんなふうに言ってくれるいい加減な優しい人はいない
笑えるもんか みんな計算高い 頭ばかり良くって いかれちまった大人ばかりで
つまらない世の中だ
数字の羅列に四方を囲まれて身動きができない
がんじがらめの時代に吹く風はなんて冷たいんだろう。