詩人:どるとる | [投票][編集] |
右中間をぬけた
ボールいまだ行方知れず
大気圏の彼方に
見えた幻
ゆらゆら揺れて
遠くから光を放つ
蜃気楼のように
それは形を持たない
未知なる生命体
計算なんかじゃ到底
割り出せない答え
さあ 僕らは 目の前の真新しい世界に
それぞれの理想を重ねてみる 絶望と失望に打ちひしがれるだろう
それでも僕らは笑うんだ
すべてのことがうまくいかないことくらい
最初からわかっていたから
それほど 悲しいとは思わないんだよ
だけれど頬を伝う涙
隠したのは手のひら
しばらく一人にさせておくれ
悲しみを昔話に変えられるまで。