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どるとるの部屋


[3869] 置き傘
詩人:どるとる [投票][編集]


空を見上げれば そこに雲があるように
僕らの存在なんて そんなもんでしかない
そんなものさ

簡単なことなのにそれを難しく考えるから
いつもうまくいかずに空回り 小さな小石にも躓く始末

見方を変えれば 道端に咲く花に気づく
僕らの頭なんて大してよくできちゃいない 不完全もいいところ

だからこそ、だからこそ 感情と心で誰かの痛みや涙に 関わろうと 少しおせっかいなくらい優しくなれる

大事なものは きっとそんな気持ちなんだ
僕らはいつのまにか忘れてる 何かを…

いつ雨が降ってもいいように 置き傘を置いておくように
用心の上に用心を重ねて 悲しいこともわかっていても立ち向かう そしてわかっていた涙をのむ今日
てるてる坊主は 役に立たない 悲しみ受け流す傘もない

相変わらず 嘘はお上手で お世辞もプロ並みときてる
そんな大人に囲まれて 僕はそれでも自分を見失わない

例えば 誰かと相合い傘して 帰るような
そんな心のゆとり
少しはあるつもりさ

だから一緒に帰らないか? 人ひとりぶんくらいは 余裕があるんだ。

2012/03/28 (Wed)

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