ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 風の旅人

どるとるの部屋


[3911] 風の旅人
詩人:どるとる [投票][編集]


僕には空を 自由に飛ぶ翼はない
だけど大地を 自由に歩ける足がある

僕には大地を 自由に駆ける蹄はない
だけど大地を 踏みしめられる勇気がある

空には空の世界が
大地には大地の世界が
そして その世界を生きるために見合った翼や足や尾ひれがある
僕は海を 魚より速くは泳げないし
人はまして空を 飛ぶためには 機械に乗らなければ 飛ぶことはできない
だから僕らは 空を飛べない鳥さ
翼は心に生えている
心の翼を羽ばたかせれば自由に 生きることができる
何ひとつ悲しむことはない

旅人よ、空に憧れ
海に憧れ 大地に根を張る木となり
勢いよく流れる河となり そしてこの果てしない道のりをその足で踏みしめて その瞳に焼きつけて行け

憧れを抱けば誰もが旅人になれる

海原を 砂漠を 果てしない草原を その足で辿れ 行き着く先は何処かも知れぬまだ見ない明日

そこには何があるだろう

今日も旅の途中
旅人は歩き続ける

流れる雲のように
風の吹くままに
棒の倒れるほうに
心のままに
旅人は生きるよ

「自由」という言葉の意味を探して
「人生」という言葉に旅を重ねて

旅人は風になり
今日も吹いてゆく

旅人は風のように
今日も吹いている

そこに「終わり」があろうと 永遠に終わらない旅の中。

2012/04/09 (Mon)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -