詩人:どるとる | [投票][編集] |
足らないよ 笑顔が
足らないよ 涙が
君の元気な声が
ぽっかり胸にあいた
穴ぼこ 風が通り抜けて
いないさみしさに泣いている
いない いる いない いる
気づけばいない 誰も
大切な人の影がすぐそこで 揺れても
それは幻
余ってしまう 幸せが
余ってしまう 夕飯
テーブルの向こうの静寂 まるで色のないぬりえだよ
沈んだ眼差しが やっととらえたもの
それはまだ降り止まない雨の夜
いない いる いない いる
街は穏やかだ 何も変わらない
君が消えても 僕が消えても 変わらず日は昇り
そこに朝や夜が
当たり前に生まれる
産声もきこえる
在りし日の大地に
嘗ての暮らしの中に。