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どるとるの部屋


[4703] 魔法の手
詩人:どるとる [投票][編集]


当たり前なこと
ありふれていること
道端に転がる
小石や空き缶や吸い殻のように
だだそこにあるだけの存在だって
君が僕のそばにいてくれるだけ
それだけで僕は簡単に幸せになれてしまうのです

君の手が 僕に触れるたび 僕の手が小さく見える
君の手は 僕の悲しみを簡単に 消してしまう魔法の手さ

君が 笑うたび 君が 涙するたび 僕は映画を観てるように心が動かされる
うまく言えないな それさえ不器用で
届かないものに手を伸ばすように 歯がゆい日々だ

今日もずるをした
明日もどこかで
逃げ場を探すだろう
君は強いから
そんなことしなくても大丈夫なんだろう
少しずつ離れていった僕らの心の距離

君はもういない
僕の目の届く場所には

魔法の手は ぬくもりだけをかすかに残したまま 今でも僕を離さないのに

ずるいな 恋の魔法がまだ解けないから。

2013/02/05 (Tue)

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