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どるとるの部屋


[4734] 恥の歌
詩人:どるとる [投票][編集]


恥なんか思わなくていいんだよ
人が泣いているのを笑う奴は
本当に強い奴を笑っているんだよ
本当に強い奴は悲しむことができるから
他人の悲しみも自分の悲しみのように思える だから本当に強い奴は涙を流せる奴のことを言うのさ

人を指差して笑う奴は弱い奴だ
自分だって悲しいときは泣くくせにさ
他人の泣きじゃくる姿を見ても まだ何も気づかない
それが恥なんだ

本当に強い奴は 泣くことも知っている
だから悲しいときは我慢せずに泣くんだ
悲しいときに悲しくないふりをする奴は
恥をさらしているのと同じなんだよ

本当に強い奴は 生きることの難しさを知っている
挫折する痛みも笑われる苦しみも知っている
だから他人の痛みや苦しみが自分のことのように重なるんだ
そこに優しさは光っているんだよ

恥なのは恥なのはそれさえも笑い飛ばすような奴なんだ
まだわからないか
人が一生懸命生きている姿を笑うような 馬鹿にするような奴は本当に闘ったことがない奴なんだ

恥を知らないっていうのはそういう人のことを言うんだよ

恥は傷跡でもなく涙でもなく人の心の弱さに隠れ潜んでる

君も肝に命じておくといい
知らないうちに人を指差して笑っていやしないかい?

それを恥だとも思わずに
そっちのほうが恥ずかしいとも思えずに

恥をさらしている
君がいるんじゃないか

人の恥を笑っているつもりで自分の恥をさらしてしまっているのに気づかないか。

2013/02/11 (Mon)

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