詩人:どるとる | [投票][編集] |
ねえ 大人になったらきっと 楽しいことが待っているんだ
だけどお父さんはなぜかいつも 働きづめで疲れたような顔をしてる
お母さんはよく家計簿とにらめっこして 電卓打ってはため息をついてる
そんな僕もいつしか大人になって
お父さんやお母さんの気持ちがわかったんだ
大人になればきっと 楽しいことばかりあると思っていたのに
どうして 素直に喜べないんだろう
夢ばかり見ていたあの頃の僕には わからなかったことがあまりに多すぎた
大人になって はじめて生きることの大変さに気づいたんだ
あの頃の僕に 教えてあげたいよ
大人になることなんていいことなんか何もないって
ねえ 大人になったらたくさんのお金がもらえるんだ
あれもしたいし これもしたい やりたいことがたくさんある
いつも喧嘩していたお母さんとお父さんの姿を見て育ちました
そんな大人が嫌いだった 誰かを傷つけたり罵倒したり
そんな大人になりたくなかったのに
気づけば僕も同じような大人になってた
なんでも笑って許されていた あの頃はもう過ぎて今じゃ
ノルマを果たす為に毎日身を粉にしている
大人になってはじめて 生きることの難しさに 気づいたんだ
あの頃の僕が見ていた夢さえ いつの間にかどうでも良くなっていた
よれよれのシャツと使い古されたネクタイ
たまには ビールを飲んで 愚痴を吐いて 「バカやろう」って言いながら夜を明かしたよ
きっと幸せなんだろう そんな毎日でも
そう思うことにしよう
大人になって はじめて生きることの大変さに気づいたんだ
あの頃の僕に 教えてあげたいよ
大人になることなんていいことなんか何もないって。