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どるとるの部屋


[5323] 皐月
詩人:どるとる [投票][編集]

夢幻の如しなり
僕は影になる
見えないままの道しるべ 時代の先を行く 舟は何処へ?

何ひとつ わからないならば ただ心ゆくまま

晴天より降る雨は
数千の雨粒の
子を伴って
この世界を濡らす

肩越しに聞く雨音
寂しさならもう
言葉のガーゼで
隠したよ 傷跡も

皐月の頃に
覚めやらぬ夢の中
見たよ 聞いたよ
あの人の下駄の音
カラコロと
石畳を踏み鳴らす

それはまるで
幸せを音にしたような。

2014/05/10 (Sat)

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