詩人:どるとる | [投票][編集] |
語り尽くしてしまったよ
しゃべり尽くしてしまったよ
言葉は もう 干上がった川の姿形
ああ 終わりが 景色を塗りつぶしていく
さよならというどうしようもないものに
僕は逆らうすべを持たないんだ
回る 時計の中 片隅に聴く鼓動
上がり下がりのはげしい命のリズム
終わらないものなんてない世界で
いつまでも終わらないものを願うなら
せめて 限りあるこのひとときだけでも
変わらない気持ちを共有していよう
物語の終わりに流れるエンドロールが
すべてを洗い流してしまっても
きっと、そこに二人がいた 足跡が残るから
今はただ あやふやな足取りで 残された日々を生きよう
愛しすぎてしまったのかなあ
或いは愛されすぎてしまったのかな
暮れゆく空の色 瞼に飛び込む光
ああ どんなに 大切な人の今日さえも
つなぎ止めることは出来ないよ だから
せめて僕は つないだ手を離さない
巡る季節の果て 思い出すあの記憶
消えない傷跡が呼び覚ます痛み
すべての人に同じ終わりが用意されてて
どんな人の今日も必ず終わってゆくんだ
たとえばそれが仕方ないことだとしても
僕らは、けしてそれを喜んだりしない
雨粒が 降り注ぐように 流れるエンドロール
終わってゆくものとまたはじまるもの
行き違うようにすれ違いながら
誰かの物語の終わりを そっと 見送ってくれる
終わらないものなんてない世界で
いつまでも終わらないものを願うなら
せめて 限りあるこのひとときだけでも
変わらない気持ちを共有していよう
物語の終わりに流れるエンドロールが
すべてを洗い流してしまっても
きっと、そこに二人がいた 足跡が残るから
今はただ あやふやな足取りで 残された日々を生きよう。