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どるとるの部屋


[5367] 空白
詩人:どるとる [投票][編集]

どこまでも ただ先の見えない闇の中を
走る最終電車 涙さえ乗せていく
いつまでもただ 出口の見えない日々を
人は行くのさ 君もいつか降りていく
なんとなく窓の外に目をやれば
悲しいほど きれいな月が昇ってた

何ひとつ わからないまま
何ひとつ 解き明かせないまま

目を閉じていた 耳をふさいでいた
そこに見えるものだけじゃ
そこに聴こえるものだけじゃ
物足りなくって 心許なくって

どこまでもただ 先のしれた未来を
イメージ通りに 僕は駆け抜けていく
さっき見た あの夕焼けがまだ目の奥に
焼き付いてて離れない 離れない
何かをごまかすように 飲み干した
言い訳も 悪口も むなしくてしかたない
誰ひとり 愛せないまま
誰ひとり 守れないままで

無意識の中に 何か探してた
闇の中に 光に代わるもの探してた
ここにあるものだけでは 手持ち無沙汰で 頼りなくって

僕は ずい分弱くなったもんだな
泣き虫になったもんだな すぐに涙になる はみ出した 弱ささらけ出したまま

こんな僕にも出来ることがあるなら 精一杯手を伸ばす空に

目を閉じていた 耳をふさいでいた
そこに見えるものだけじゃ
そこに聴こえるものだけじゃ
物足りなくって 心許なくって

無意識の中に 何か探してた
闇の中に 光に代わるもの探してた
ここにあるものだけでは 手持ち無沙汰で 頼りなくって

だから心の中広がる空白の頁に とりあえず誇らしい傷跡を刻み込むんだよ。

2014/05/17 (Sat)

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