詩人:どるとる | [投票][編集] |
孤独の中にいるうちに 人の心が見えなくなってしまったのか
誰かの涙を見ても心が痛まないよ
それは惨たらしい朝のニュースを
見飽きてしまったから
或いは見慣れてしまったからなのか
喩えば僕が 無関心に誰かを傷つけても
痛みが伝わらなければ何もわからない
人の痛みを 見るためには心を通して
見えないものを見つめなきゃいけないのに
心が 汚れてしまったら もう何も見えない
目を開けたままじゃこの世界は見えないものばかりだ
暗闇の中に目を凝らせば 見えてくる
光のない世界にも朝はやって来る
通り過ぎる日々の中 遠ざかる今日が
思い出という形で心に刻まれるなら
意味は確かにあるのだろう
けして 無意味なんかじゃ無いはずだ
喩えば 泡のようふいに生まれて ふいに消える命 そのすべてに全神経を注ぐ
人の痛みに気付くためには 自分の痛みに気付くことがどうやら先らしい
汚れた心は 涙で洗われて 隠れた傷跡が見えたら
ほらね不思議 見えないものも感じることでここにある
そばにあるもの 影が無ければ
何ひとつ確かに出来ない
だけど僕らには見えないものも見たのと同じように
感じることが出来る心がある
人の痛みを 見るためには心を通して
見えないものを見つめなきゃいけないのに
心が 汚れてしまったら もう何も見えない
目が役に立たない時には 心の視野で世界を見渡す。