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どるとるの部屋


[6066] さよならにさよなら
詩人:どるとる [投票][編集]


夕暮れを 追い越して
夕闇が 迫る頃
歩道橋から 眺めてる今にも沈みそうな夕日
今日あったことを 思い出していたよ
笑ったことも 泣いちゃったことも
思えば あっという間だったけど
今日だけでもたくさんのことがあった
すべてはいっぺんに思い出せないくらいに

そうやって僕はまた明日ねって 誰かに手を振るから
花が咲いては 散るように すべてのものに等しく課せられた
時間の魔法で またひとつ 僕は僕に さよならをする

大きな闇を背負って
小さな明かりの中
ただぼんやりと眺めてる 夜の向こうの街
今日あったことは 忘れたいことばかりなら
きっと 思い出なんていらないんだろう
だけど笑ってる僕も確かにいたから
忘れないよ 痛みごと 背負っていく
けして楽な道じゃないけど それでもいい

そうやってまた僕はほかの誰かに手を振るけどほんとうはね
もう出会えない今日という日を生きた自分に手を振ってる
もう時間だね さよならをしなくちゃ ドアを閉めなくちゃ

涙は下に流れるものだから
なるべく上を見上げていよう
涙が流れないように
ちょっと意地を張ってみる
ちょっと悪あがきしてみる

そうやって僕はまた明日ねって 誰かに手を振るから
花が咲いては 散るように すべてのものに等しく課せられた
時間の魔法で またひとつ 僕は僕に さよならをする
今日のすべてにさよならをする。

2015/02/14 (Sat)

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