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どるとるの部屋


[6072] みんな、少年だった
詩人:どるとる [投票][編集]


あの日に帰りたくて目を閉じて瞼の裏に広がる記憶を
手繰り寄せればほらいつかの笑い声がするようなしないような
いつまでも忘れたくないほどの想い出が僕にもあったんだな
瞳に映してる世界は「未来」と呼ぶには変わり映えもしない

みんな少年だったよ いつの間にか 背も伸びてしまったけど
もうあんなふうに無邪気にはなれないし 素直にもなれないけど
まだ 少しばかり 残ってる 花びら一枚
この胸の片隅 ヒラヒラたゆたっている

いつぞやの雨の日 傘を忘れた人が雨宿りしてたそんな記憶も
いつかはすべて嘘みたいに通り過ぎた出来事になって
ずっと閉じてた目を開いたら いつもよりもあざやかに 突き刺さる光
聞こえてる声や目にしている景色を「未来」と名付ければ

世界は広がってゆく
閉じてた目を開くように夜は明けて
またひとつ新しいページをめくってゆく 踏み出すその一歩で世界の果てに行ける
まだ わずかばかり 残している あどけなさ

時が経っても変わらない君を君は知っている
そしてひとつの始まりが終わって
やがてそこからはじまる続きのストーリー

みんな少年だったよ いつの間にか 背も伸びてしまったけど
もうあんなふうに無邪気にはなれないし 素直にもなれないけど
まだ 少しばかり 残ってる 花びら一枚
この胸の片隅 ヒラヒラたゆたっている

あの日に帰りたくて目を閉じて そして
いつまでも忘れたくない記憶はやがて
忘れたい痛みごと思い出になって。

2015/02/15 (Sun)

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