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どるとるの部屋


[6312] アンブレラ
詩人:どるとる [投票][編集]


空から 落ちてきた
雨粒が 傘にはじけて
地面に 落ちました
行き交う人の流れを
目で追いかけて
瞳に 人の生き様を
映していた

泣いている人
笑っている人
ほんのささやかな
すれ違いなのに
ねえ どうして
こんなに 僕らの心は
離れ離れなんだろう

ひとりにひとつ
その手に ひとつ
あなたも持っている
強がりでも
意地っ張りでもいい
それが 力になって
君を 悲しみから守る
かばうような仕種で
戒めるような態度で
覆い隠すように
頭の上に 広がる空
見下ろした世界に
咲いた 色とりどりのアンブレラ

その胸に 落ちてくる
思いには 名前なんてない
名もない気持ちです
生まれたばかりの命や
これから
死んでゆく命に
伝えられる言葉はないけど
無視も出来ない

大好きな人
大嫌いな人
違いは あれど どんな人にも同じように
その区別はあって だから誰もわるくない
すべてを好きにはなれない
それだけの 違いだ

ひとりにひとつ
その手に ひとつ
命は 世界にひとつ
けっして同じ命はない
それが揺るぎない証になって
僕や君を存在させてる
覚えていることも
忘れたような ことも
すべての記憶が違えなく思い出なら
ここにある世界は
今日明日と重ねていくことで世界になる

変わらない
色あせない
老いさらばえず
時間から はみ出した
そんなものはない
そんなものはないさ
だから 今しかない今を生きる

ひとりにひとつ
その手に ひとつ
あなたも持っている
強がりでも
意地っ張りでもいい
それが 力になって
君を 悲しみから守る
かばうような仕種で
戒めるような態度で
覆い隠すように
頭の上に 広がる空
見下ろした世界に
咲いた 色とりどりのアンブレラ

雨の中でも
きれいに咲いてる
誰かの笑顔 それはアンブレラ。

2015/06/06 (Sat)

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