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どるとるの部屋


[6362] 雄弁なるカタルシス
詩人:どるとる [投票][編集]


かすかなまどろみの中に浮かぶようにたたずむ
かすかな 欲望は 渇きを求めて 宛もなくさまよう

たとえば 曖昧なままいつしか 途絶えた声のように
あるいは あやふやな言葉を つなぎ合わせてこしらえた詩のように
世界は その輪郭をぼやかしながら 僕の中に果てしなく広がる

終わらない計算式の空欄を埋めるのは
とってつけたような誰かの詭弁と間に合わせの慣用句

愛にラブを 足したような 甘ったるいラブソングに酔いしれて
ただ性を貪るだけの淫らな行為にモザイクをかける
いつの間にか読まされている出来合いの台本はきれいごとで埋め尽くされ
僕らは ギリギリの痛みの中に快楽を見出すために生きている。

2015/07/02 (Thu)

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