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どるとるの部屋


[6366] この美しくも残酷な世界
詩人:どるとる [投票][編集]


僕は勝手気ままに他人の不幸をよそに幸せを笑ってる
ただ 始まっては終わる 朝と夜の中で
今日も気づかないくらいささやかに
繰り返される 生と死のループ

目を閉じても 耳をふさいでも
消えやしない 音や光が君を離さない

この美しくも残酷な世界で
どこを目指してるんだろう
ただ僕は 電車に揺られながら
ひたすら降りる駅に着くのを待つ
世界の終わりまで伸びた見えないレール
僕は その 果てしない道の 延長線上にいる
ああ 僕は 何だろう

曖昧な輪郭を持っているからすぐに存在を否定する
ここにいてもまるで透明でおぼろげで
今日も 笑っても泣いてみても
生きてる実感なんてこれっぽっちもない

寝ても覚めても いつでも
僕は僕を確かめる言葉さえ持たない

この美しくも残酷な世界は
誰の手で創られたんだろう
見事までに ありがた迷惑なほどに
喜びがあって悲しみがあって
簡単には「死ねないように」出来ている
僕は どれだけ自分を否定しても「命を尊ぶ心」を捨てられず
また 命を 美化している

生きることは 正義か
死を選ぶことは悪か
くだらない より分けや 先入観はいらない
自分の気持ちに正直になって
どうしたいか なにをしたいか 決めればいい
それだけだ

この美しくも残酷な世界で
どこを目指してるんだろう
ただ僕は 電車に揺られながら
ひたすら降りる駅に着くのを待つ
世界の終わりまで伸びた見えないレール
僕は その 果てしない道の 延長線上にいる
ああ 僕は 何だろう。

2015/07/07 (Tue)

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