ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 名探偵の人差し指

どるとるの部屋


[6568] 名探偵の人差し指
詩人:どるとる [投票][編集]


脈略もなく 世界はただそこにあって

複雑な仕組みで僕の目の前に横たわる

さよならのその時まではまだ時間がある

僕らにはただひとつも弁解の余地もなく
答える筋合いでもない

固く結ばれた 片結びを ほどくように

解かれたパズルのその後のストーリー

後日談は空回りしながら先を急ぐ

振り落とされた人差し指が導く答えは

君が信じる世界を塗り替えてしまう

ありったけの希望という希望が笑う

いつの間にかもう 謎は解けている

Xの値は 空欄を補うためのアップリケ

間に合わせるだけならば間違いでもいい

そびえ立つ未曾有の未来に武者震い

そうして導き出された答えが 君の明日を

どんなふうに変えてゆくのだろうか

名探偵の雄弁な語り口が真実を暴く

もはや謎は平らげたあとの空っぽの皿

謎は一切合切 解けました 余すことなく

君が見てきた世界の本質までも揺るがす

答えは来るべき未来を楽しみにさせる

いつしか僕は君という謎に魅せられている

そして探偵は、固く閉じられた

口を開く 「真相をお話しましょう」

物語の主人公のように
指揮をとるように 一方的なまでに

君の世界が 僕の世界を侵す

固く結ばれた 片結びを ほどくように

解かれたパズルのその後のストーリー

後日談は空回りしながら先を急ぐ

振り落とされた人差し指が導く答えは

君が信じる世界を塗り替えてしまう

ありったけの希望という希望が笑う

いつの間にかもう 謎は解けている

いつの間にか僕の世界は君の世界と

ひとつに重なり同じ世界になる

もうそこには 君という謎以外 僕が知りたいことはなかった。

2015/10/11 (Sun)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -