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どるとるの部屋


[6845] メモリーズ
詩人:どるとる [投票][編集]


ふしだらな ゴーサイン

ありのままではいられないの

ふれたそばからとけていく思いは

冬の日の白い雪に似て

誰かが 敷き詰めた

道の上に 思い出が

咲いているでしょ

あんなふうに笑ってたっけ

あんなふうに泣いていたっけ

ひとつひとつ思い出しては 含み笑い

一人だけで 笑ってないで僕にも教えてよ

その笑顔の向こうの景色

まだ知らない物語のあらすじを

語って 聞かせて

画用紙に描いた世界

その中では誰だって主人公さ

片道だけの旅 数あるメモリーズ

頭の中の引き出しにしまう

はじまりを告げる朝の向こうに

誰かが前に一歩踏み出した

鈴の音のような足音

手をつないだだけ けんかもして

抱いた傷の数だけ 忘れられない痛み

思い出すたびもう消えたはずの傷痕が

ひとりでに開いてあの日の風をはこぶよ

優しさっていうのならそんな色と形

明日の天気さえ僕は知らないままでいい

そのほうがいくらか楽しい

遠い誰かが想像した物語が
たとえば僕の今を少しでも
楽しいものにしているのならば

必要ないロマンスなんて1つもないね
なんてことに 気づいた僕は
昨日より少しこの世界が輝いて見えた

あんなふうに笑ってたっけ

あんなふうに泣いていたっけ

ひとつひとつ思い出しては 含み笑い

一人だけで 笑ってないで僕にも教えてよ

その笑顔の向こうの景色

まだ知らない物語のあらすじを

語って 聞かせて

まだ知らない この世界の空の色に

この手でふれさせて。

2015/11/19 (Thu)

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