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どるとるの部屋


[6846] 回帰線
詩人:どるとる [投票][編集]


ただなんとなく歩いてきました
目に見えるレールの上を
なるべく人の道 外れぬように

思えばそれは 誰かが引いたレールで
僕は 電車のように引かれたレールを
ただ走っていたんだね

でも僕は電車じゃないし レールを走らなきゃいけない理由もないから

そろそろ 引かれた線の向こうに行くよ
君は来ないのかい?不安をぬぐえないから

まるで「安心」は「退屈」と同義語だ

裏返しのシャツみたいによく似ている

だけどよく見れば縫い目が丸見えだ

恐れるものなど何もない ただ

泣いているだけでも たどり着く場所がある

見つけたよ 小さな花だけど 僕にはこれくらいがちょうどいい

幸せと名付けよう 「当たり前なこと」が今さらこんなにも宝物

ただ なんとなく 向かい風に逆らって
流れとは 逆に 進んでみた けれど
いつの間にか流されてる 同じ色に染められていたんだ

でも僕は まさか塗り絵でもないし
染められるわけもなく 色なんてあるのかすら疑わしいくらいで

引かれたレールを歩くくらいなら 家路のような あたたかな場所へと続く道を

「妥協」と言い換えたのは「諦め」と言いたくないから

カッコ悪い自分をひた隠しにして

線の内側で いつまでも駄々をこねてる少年

恐れるものなど何もない ただ

泣いているだけでも たどり着く場所がある

見つけたよ 小さな花だけど 僕にはこれくらいがちょうどいい

幸せと名付けよう 「当たり前なこと」が今さらこんなにも宝物

「ありふれていること」が今になってこんなにも愛おしい

なんでかなあ なんでかなあ。

2015/11/19 (Thu)

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